“やさしい系”ドライバーはどれが買い？ テーラーメイド、キャロウェイ、ピン新作の「つかまえやすさ」「曲がりづらさ」を試打比較

　大手メーカーが展開しているフラッグシップシリーズには、たいてい3～4モデルのドライバーがラインアップされています。今回はそのなかで、球をつかまえやすく、曲がりづらいとされている“やさしい系モデル”を人気3メーカーからピックアップ。ツアープロのコーチでありつつ、ギアの性能やクラブフィッティングにも詳しい奥嶋誠昭に新作の試打を依頼し、3社の“やさしい系モデル”ドライバーを比較試打してもらいました。

　試打クラブのロフトは9度、シャフトは標準採用のフレックスSで統一し、ヘッドスピードは46m/s前後になるように揃えてもらって試打しています。

※「Qi35 MAX」のシャフトは「Diamana BLUE TM50」、「G440 SFT」は「ALTA J CB BLUE」。「エリート X」のウエートポジションは標準仕様のニュートラル、「G440 SFT」のウエートポジションは標準仕様のドロー+に設定しています。

「構えてみると、「Qi35」のスタンダードモデルと見分けがつかないくらいソックリ。高慣性モーメント設計のヘッドだと思いますが、意外とフィニッシュまで振り抜きやすく、球のつかまり感もあります。」という奥嶋コーチ。

　前作「Qi10 MAX」より低スピン弾道を打ちやすくなっているのも魅力だそうです。直進性と寛容性に優れているモデルですが、短所も見受けられるとか。「ヘッド挙動に安定感があるいっぽうで、ヘッドが重すぎるようにも感じました。実際にヘッドスピードとボールスピードを上げづらかったです」（奥嶋コーチ）。とはいえ、ドライバーに苦手意識を持っている人や初心者にもオススメ。標準シャフトがしっかりめなので、パワーがある人にも使いやすそうとのことです。

　今シーズン、石川遼がバッグに入れたことでも話題になっている「エリート X」に関して奥嶋コーチは「スクエアなフェース向きで構えやすいうえに、打つとほんのりドローしてくれる。決して左にしか飛ばないモデルではないです」とインプレッション。

　過剰ではないドローバイアス設計によって、対象ゴルファーが多そうなモデルとのこと。さらに打点ブレにめっぽう強くて、ボール初速が落ちづらいのも長所だといいます。「同シリーズの他モデルと同じように、AIフェースで弾道が補正されているように感じます。とくに右へのミスを補正してくれるのが『エリート X』という感じです」（奥嶋コーチ）。スライサーではなくとも、球をつかまえやすいモデルを好む人は試す価値アリです。

「ライ角がアップライトに見えて、構えた段階から球のつかまりが良さそうに思えます。ダウンスイングの途中からヘッドがオートマチックにターンしてきて、その結果として右へのミスは本当に出づらい」（奥嶋コーチ）。標準仕様のヒール側のウエートポジションだと、頑固なスライスに悩む人の救世主になってくれるとのこと。

　また「46インチの長尺シャフトでも振り抜きやすく、打点がズレても大曲がりしません。長尺効果によって飛距離アップを狙う人にも良さそう」（奥嶋コーチ）という特徴も。試しにウエートを中央のポジションにセットして試打したところ、ほんのり球がつかまる仕様に変貌。使い手のスイングや弾道が変わっても、ウエート調整をしながら使い続けられるのも魅力のようです。