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- 極上打感の本格派! ミズノの軟鉄鍛造アイアン「S-1」と「S-3」を打ちこなせるのはどんなゴルファー?
ミズノから発売されている軟鉄鍛造の最新アイアン、Sシリーズの2モデルをゴルフライターの鶴原弘高が打ち比べました。ミズノプロの「S-1」と「S-3」は、どちらも単一素材で作られたアスリート向けの本格派フォージドアイアンです。2つのモデルはどこが異なっていて、どんなゴルファー向けなのでしょうか。
ミズノを象徴する軟鉄鍛造のアイアンシリーズ
近年では複合素材のアイアンが多くなっていますが、ミズノプロのSシリーズで展開されている「S-1」と「S-3」は、どちらも単一素材の軟鉄鍛造で作られています。いわゆる“混ぜ物なし”のフォージドアイアンになっているのが特徴です。

ちなみにSシリーズの名称の由来は、Signature(象徴)の頭文字から取ったものだそうです。ミズノといえば、1970年代から軟鉄鍛造アイアンの製法や打感、性能にとことんこだわってきたメーカーです。そんなミズノを象徴する存在として開発されているのが、今回試打する「S-1」と「S-3」の2モデルというわけです。

2つのモデルのうち、先行して2025年3月7日に発売されたのがハーフキャビティーの「S-3」。続いて同年8月29日にはマッスルバックの「S-1」も発売されました。ともにロフト角は7番で34度となっていて、飛距離よりもスピン量と弾道の高さを重視した設定になっています。今回は2モデルの9番アイアン、7番アイアン、5番アイアンを打ち比べてみました。
Mizuno Pro S-3:今どきの扱いやすさを備えているアスリート向け
「S-3」は、バックフェースの上半分に凹みが付けられたハーフキャビティー形状になっています。ヘッドサイズはカタログ値で76.6ミリ。構えてみるとシャープ感がありますが、小さすぎるようには感じません。アスリート向けアイアンとしては適度な大きさだと筆者は思います。
打ってみると、打感は極上レベル! 軟鉄鍛造らしい独特のやわらかさと、芯を感じられる硬質さが絶妙にブレンドされていて、何球も繰り返し打っていたくなるほどでした。
アイアンの打感は、ヘッド自体の素材、鍛造方法、構造によって決まり、とくに打点部分の金属の厚みが大きく影響してきます。薄いと金属的な弾き系の打感になり、分厚いほど打感はやわらかく感じられる傾向にあります。「S-3」の場合は、寛容性を持たせるためにバックフェース部に薄い部分を作ったハーフキャビティー形状にしながらも、マッスルバックの打感に近づけるようにヘッド設計が工夫されているそうです。
ヘッドの性能的には、操作性のいいアスリート向けアイアンです。十分なスピン量が得られて、アイアンらしいホップするような弾道を打ちやすく、弾道の左右高低も打ち分けやすい。決してやさしいとは言いませんが、難しすぎるようにも感じません。シングルハンデ以上の腕前であれば、無理なく使える性能のアイアンになっています。
実は今作の「S-3」は、海外ツアーの男子プロからも評価が高かった「JPX」シリーズの「ツアー」の後継モデルでもあります。ヘッドが機敏に動きすぎない、現代的なちょうどいい操作性を備えているところは、たしかにそのとおりです。
ソール形状に関しても、「S-3」には現代的なアレンジが加えられています。リーディングエッジ(ソール前方)とトレーリングエッジ(ソール後方)が削られている「トリプルカットソール」になっていて、これによって抜けが良く、地面に刺さりづらくなっているのも特長です。
Mizuno Pro S-1:ヘッド性能は伝統的なマッスルバックそのもの
バックフェースの中央部に大きなライン状の凹みが作られているのが「S-1」のデザイン上の大きな特徴になっています。これは打感を向上させるために取り入れられた構造で、中央部を削ぎ落としてトップブレード部分を厚くすることで、インパクト時の余計な振動を抑えることができるのだとか。
たしかに打ってみると、「S-3」を上回るほどの心地よい打球感。「S-1」のほうが分厚い打感だといえます。
ヘッドサイズは74.5ミリとなっていて、「S-3」よりも2ミリほどコンパクト。ボールに対してヘッドをセットすると、相対的にボールが大きくなったようにも感じられるぐらいです。
打ってみると、「S-1」はあきらかに「S-3」よりもヘッドの操作性がいいです。弾道をイメージするだけで球筋を打ち分けられるような性能が「S-1」には備わっています。ただし、慣れの問題もありますが、筆者の場合は自分がイメージしているよりもヘッドがターンしすぎてしまい、「S-1」だと左方向に飛ばしてしまうミスが出がちでした。
「S-3」との違いは他にもあって、それがソール形状です。「S-1」のソールは、リーディングエッジとトレーリングエッジに削りがほとんど入っていません。ソール全体の形状も限りなくフラット。まさにクラシックなマッスルバック的なソール形状です。
こういったソール形状のほうが弾道を打ち分けやすく、フィードバックを得やすく、フィーリングを出しやすいというゴルファーがいるのは事実です。ですが、そういう人たちは高度なアイアンショットのスキルを持っている人たちで、はっきり言って少数派です。
「S-1」で少しでもヘッドがボールの手前に入って噛み気味のショットになると、リーディングエッジが地面に刺さって、ガクンとキャリーの飛距離が落ちてしまいます。自分の腕力でヘッドを前へと出すパワーがあれば何とかなりますが、それほどパワーがある人も少数派です。ミスの対しての寛容性は、期待しないほうがいいでしょう。
意外と性能差がある「S-1」と「S-3」
端的にまとめると、ハーフキャビティーの「S-3」は本格派の軟鉄鍛造アイアンながら、現代的な打ちやすさも備えているモデル。それに対して「S-1」は、クラシカルなマッスルバックの性能を現代に継承しているモデルです。とくに5番アイアンになると「S-1」よりも「S-3」の打ちやすさが顕著になってきます。また、「S-1」を打ちこなすのなら、少なくともヘッドの最下点をコントロールできる技術が必要だと思います。

シングルハンデのゴルファーやシングルを目指す人、頑張って練習してスコアも良くしていきたい人には「S-3」をオススメします。とにかく打感がいいミズノのアイアンを使いたくて、打感こそすべてだという人は「S-1」を選んでもいいと思います。どちらを選んでも打感は最上級に心地よく、練習自体が楽しくなることは請け合いです。
試打・文/鶴原弘高
つるはら・ひろたか/1974年生まれ。大阪出身。ゴルフ専門の編集者兼ライター。仕事のジャンルは、新製品の試打レポート、ゴルフコース紹介、トレンド情報発信など幅広く、なかでもゴルフギア関連の取材が多い。現在はゴルフ動画の出演者としても活躍中。YouTubeチャンネル:『A1 GOLF CLUB』(https://www.youtube.com/@A1_GC) Instagram:@tsuruhara_hirotaka
【取材協力】フライトスコープジャパン

今回の取材はフライトスコープジャパン本社内のパフォーマンススタジオをお借りし、「FlightScope MEVO Range」と「Pro V1 RCT」ボールを用いて計測を行いました。
公式サイトhttps://flightscope.co.jp/
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