- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ギア・グッズ
- 河本結はこれでメジャー制覇! “NX史上最高初速”「SPEEDER NX GOLD」は誰に合う? 実測データで検証【たけちゃんが打つ!】
河本結はこれでメジャー制覇! “NX史上最高初速”「SPEEDER NX GOLD」は誰に合う? 実測データで検証【たけちゃんが打つ!】
女子ツアーで高使用率を誇るフジクラ「SPEEDER NX GOLD」を人気フィッターが試打検証。軽量化によるヘッドスピードアップや捕まり性能など、実測データを交えて特徴を詳しく解説する。
ヘッドスピードが上がり、程よくつかまる
第2回で紹介するシャフトは、現在国内ツアーでトップシェアを獲得しており、特に女子ツアーでは約4割の使用率を誇る藤倉コンポジット株式会社(以下、フジクラ)の最新モデル「SPEEDER NX GOLD」(以下、NXゴールド)です。2025年9月に発売された同シャフトは、すでに多くの女子プロが使用しています。最近では、5月に行われた国内メジャー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」を制した河本結選手が使用していたことでも話題になりました。

大会は全体的にオーバーパーが続出するタフなコンディションでしたが、河本選手は勝因の一つにドライバーを挙げており、その安定感の高さは実証済みです。それでは早速、実測データと実際に打った感想を交えながら解説していきます。(文/クラブフィッター・石井建嗣)
まず、測定した5S(50グラム台・Sフレックス)の振動数と、3球の弾道・計測値について説明します。測定条件は前回と同じく、長さ45.5インチ、ヘッド重量202グラム(スリーブ込み)のドライバーです。

振動数は254CPM。前回の「ジ・アッタスV2」と同様、5Sとしては標準的な数値と言えます。ただ、フジクラのNXシリーズは開発段階で“しなり”だけでなく“トルク”の概念も組み込んでいるため、単純に振動数だけで語ることはできません。しかし、トルクはプレーヤーによって感じ方が大きく異なるため、この記事では客観性を重視し、深くは触れないことにします。
NXゴールドのベースとなっているのは、高初速と強弾道で高い支持を集めたNXグリーンです。ただ、世間では“NXグリーンの後継モデル”と言われていますが、正直なところ、私は別物のシャフトだと感じています。
理由は、単なる試打の印象だけではありません。昨年9月の発売以降、現在までのフィッティングデータを見ても、グリーンより圧倒的に多くのゴルファーに合っているからです。もちろん、グリーンが悪いシャフトという意味ではありません。むしろ、昨年末で生産終了となった今でも、使い続けているプロが多い名作です。
どういうことかというと、グリーンはNXシリーズの中では、良い意味でブラックに次ぐ“クセの強い”シャフトでした。ブラックは先中調子でターゲットが明確ですが、グリーンは“中調子”というカテゴリーの中では最も味付けが濃いモデルだった印象です。
こうしたクセの強いシャフトは、合う人には抜群にハマる一方、合わない人には結果が出にくい傾向があります。実際、フジクラ自身が“グリーンの後継”とうたっているにもかかわらず、グリーン愛用の女子プロが必ずしもゴールドへ移行していない点からも、その違いが見えてきます。
つまりNXゴールドは、“グリーンの性能を受け継ぎながら、よりストライクゾーンを広げたモデル”という認識が適切でしょう。フィッター目線で言えば、グリーンの方が個性や面白さはありました。ただ、多くのゴルファーにフィットする設計の方が市場では支持されやすく、この方向性の変更は自然な流れだと思います。
軽量化でヘッドスピードアップ
実際に打った印象としては、グリーンよりも明らかに手元が軟らかいです。近年のフィッティングデータを見ても、多くのゴルファーは少し手元が軟らかいシャフトの方が振りやすいと感じています。切り返しで自然に“間”ができ、ヘッド位置を感じ取りやすくなるからです。
私自身、手元が硬いシャフトはあまり得意ではありません。そのため、グリーンとゴールドを比較すると、圧倒的にゴールドの方が打ちやすく感じました。

実際のデータを見ていきます。1球目はややトップ気味の当たりでした(最も飛距離が出ていないデータです)。この企画では、先入観を避けるため事前試打を極力行っていません。そういう意味では、1球目の感覚は非常に重要です。
最初に感じたのは“軽さ”でした。普段は60グラム台のシャフトを使用していることもありますが、この企画ではすべて5Sで統一しています。その前提を理解したうえでも、ここまで極端なミスは通常あまり出ません。
実は人間は、軽い・硬いと感じるとトップしやすく、重い・軟らかいと感じるとダフりやすい傾向があります。今回は前者の“軽い”が強く作用し、トップにつながったのでしょう。
すぐにカタログを確認して納得しました。5Sの重量は53.5グラムと、かなり軽量だったのです。グリーンの同スペックが57.5グラムだったことを考えると、ここも大きな変更点と言えます。今作のNXゴールドは、NXシリーズ最軽量モデル。前モデルのバイオレットも57.5グラムだったことを踏まえると、フジクラが意図的に軽量化したと考えるのが自然でしょう。
ただ、その恩恵は明確にヘッドスピードへ表れました。この表にはヘッドスピードの数値を掲載していませんが、前回の「ジ・アッタスV2」試打時は42m/s前後だったのに対し、今回は43m/sまで上昇。ボールスピードも向上し、飛距離は平均で10ヤード以上伸びました。
もちろん、試打日が異なるため体調面の影響もゼロではありません。ただ、純粋に“軽さ”を感じたことを考えると、ヘッドスピードアップは偶然ではないと思います。
ただし、弾道を見ると、ややつかまり過ぎる傾向も感じました。私はもともとフェードヒッターなので完全な逆球ですが、トップした1球目から左へ出ています。その後もトップしないことだけを意識して打ちましたが、やはり左へ来ました。OBになるほどではありませんが、普段フェアウェイ左サイドを狙って打つ私からすると、少し怖さのある球筋です。
以上を踏まえると、単純にヘッドスピードを上げて飛距離を伸ばしたい人や、ナチュラルなつかまりを求めるゴルファーに向いているシャフトだと感じました。私のように逆球を嫌うタイプは例外ですが、多くのゴルファーがメリットを感じやすい設計だと思います。
グリーンとバイオレットの“いいとこ取り”

何度も言いますが、ゴールドは単純な“グリーンの後継”ではありません。強いて言うなら、グリーンとバイオレットの中間的な存在であり、両者の良い部分を融合したシャフトです。
グリーンのスピード感に、バイオレットのつかまりを加えたモデル。そういう意味で、マップ表ではこの位置に分類しました。極端なキャラクターではありませんが、前回紹介した「ジ・アッタスV2」と比べると、高弾道でつかまりやすいシャフトと言えます。
最後に試打時の注意点ですが、軽量化によるヘッドスピードアップが期待できる一方、私のようにトップ気味に当たると、結果的に飛距離ロスにつながる可能性があります。どの重量帯も比較的軽めの設計になっているため、例えば5Sで物足りなさを感じた場合は、60グラム台のモデルも試打してみることをおすすめします。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
- 1
- 2
最新の記事
pick up
ranking











