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- ゴールドパターが金運を呼び込む!? 練習用から急きょ実戦投入した浅地洋佑の好判断
マイナビABCチャンピオンシップで混戦を抜け出し、2年ぶりのツアー優勝を飾った浅地洋佑。随所でスーパーショットを披露したが、その陰で貢献していたのが、今大会から使い始めたゴールドのL字型パターだった。当初は練習用として使っていたが、急きょ試合で使うことにした判断が見事に功を奏した。
「金運がアップしそう」と思ったら賞金3000万円を獲得
最終日に最終組の3人全員が、最後まで優勝を争うことは意外に少ない。ところが、今年のマイナビABCチャンピオンシップ最終日では、最終組で回った浅地洋佑、堀川未来夢、石坂友宏の3人が16番ホールを終えた時点で首位タイに並ぶ激戦を演じた。
その混戦を抜け出したのが浅地だ。17番パー4、18番パー5の勝負どころで連続バーディを奪い、68でフィニッシュ。通算16アンダーにまでスコアを伸ばし、2位以下に2打差をつけて今季初勝利、ツアー通算3勝目を飾った。
「前回の優勝からようやく勝てた感じです。長かったですね」と、19年ANAオープン以来2年ぶりの美酒に酔った浅地。最終日は首位に1打ビハインドでスタートしたが、序盤ですぐに追いつき、一時は単独首位に立つ。
しかし、8、9番で連続ボギーを叩いて後退。15番パー5のバーディでようやく首位に並び直すという苦しい展開だった。
「15番ホールでスコアボードを見たとき、最終組の3人でプレーオフになると思いました。もちろん、そうなったらやるしかありませんが、できればやりたくはなかったですね(笑)」と浅地。
前回優勝したANAオープンでは5人によるプレーオフを制しているが、サドンデスでの勝負は何が起こるか分からないだけに、残り3ホールで決着をつけたかった。
そのキーホールとなったのが、17番パー4だ。ティーショットを左に曲げたものの、ツマ先上がりのライからスライスをかけてグリーンをとらえる。バーディーパットは7メートルほどあったが、それをしっかりと沈めて見せた。
手にしていたのは、この週から使い始めたゴールドに光るマレットタイプのL字パターだ。オデッセイのTOULONパターSFOプロトゴールドバージョンCEで、「金色って縁起がよさそうですよね。金運がアップしそうで(笑)」と2日目を終えた時点で語っていたが、優勝賞金3000万円を手にしただけに、まさに金運を呼び込んだ形となった。
あえて自分のクセが顕著に表れるL字タイプで練習した
当初、浅地にはこのゴールドパターを試合で使うつもりはなかった。練習用として使い始めたところ、「感触がすごくよくて、試合でも使うことにしました」というのだ。それ以前に、なぜL字型で練習しようとしたのだろうか。実はこの2カ月間、浅地はパッティングの不調に苦しんでいた。それ以前は好調だったが、ショットの調子があまりにも悪く、それを修正することに必死で、パットの練習が疎かになっていたのが原因だった。
いざ不調になってみると、何が原因なのかが分からない。パットの不調とタイミングを合わせるかのように結果も残せず、ついに前週の大会を終えた後、仲のいい香妻陣一朗に相談してみた。
すると、「インパクトでボールを押すことができていない。左へ引っ張り込んでいる」という答えが返ってきた。インパクト後すぐに左サイドへヘッドを出しているので、ほんの少しでもヘッドを目標に向かって押し出すイメージを持つことで解決するといわれたのだ。
「後で自分の映像を確認してみると、確かに左サイドへ引っ張り込んでいるんですよね」と、納得すると、そのことだけに意識を集中して練習に取り組んだ。
その際に選んだのが今回のL字パターだ。「L字タイプだと左サイドへ引っ張った場合、めちゃくちゃ引っかかるんですよ。そのクセを意識づけるにはちょうどいいかなと思って選びました」と浅地。
極端に思うぐらいでなければすぐには修正できないという判断は、今回の結果を見れば正解だったのは間違いない。しかも、フィーリングのいいパターを見つけたわけだから、浅地にとってはまさに一石二鳥となった。
今回の優勝で賞金ランキングも37位から15位へとジャンプアップした浅地。前シーズンに当たる19年の9位を上回るチャンスも出てきた。
「最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップに出場できるのはうれしいですね。唯一の地元の大会なので」と笑顔を見せる。その試合も含めて今季はあと4試合だが、幸運のゴールドパターを武器にもう1、2勝しておきたいところだ。
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