ペ・ソンウがアカデミー開設！ なぜ韓国女子ゴルファーは現役中にアカデミーを開設するの？

　2019年に日本女子ツアーに初参戦し、1年目からメジャーのLPGAツアーチャンピオンシップ優勝を含む2勝で賞金ランキング4位となった韓国のペ・ソンウ。

　韓国ツアーでは2018年に2勝して、賞金ランキング2位にまで上り詰めた人気プロだが、1月25日にソウル市内に「ペ・ソンウゴルフアカデミー」をオープンしました。

　韓国の総合ニュースサイト「newsian」は「同アカデミーは4階建てビルの3フロアを使用。各階の広さは約120坪。2階は『GOLFZON（ゴルフゾン）』練習場で13打席が備えられ、3階はGOLFZONパークのスクリーン（シミュレーション）ゴルフルームが9室ある。4階は個人のスイング分析スタジオが設置された。レッスンプロ2名が顧客を相手にレッスンを行う」と伝えています。

　それにしても日本ツアーを主戦場にするペ・ソンウが、韓国にいることはほとんどありませんが、今回アカデミーをオープンしたことについて、「幼い頃から習ってきたゴルフを地域の住民たちと一緒に楽しむ機会ができたことはとても楽しみです。コロナ禍とツアー参戦でレッスンする機会が多くはありませんが、機会ができるたびに韓国に帰ってきて、ゴルフ好きな方たちとたくさんの時間を過ごしたい」と喜びの声を伝えています。

　2月3日にはシーズン開幕に向けた準備で日本に向かうというペ・ソンウですが、それまではゴルフアカデミーに常駐しながら、アマチュアゴルファーと向き合う時間を作るそうです。

　韓国では女子プロゴルファーが自分の名前を冠にしたゴルフアカデミーをオープンするケースは珍しくありません。

　日本で人気のイ・ボミも2020年に水原（スウォン）市にある「イ・ボミスクリーンゴルフ」内にレッスン用のアカデミーをオープン。

「お客さんからレッスンの要望が増えてきて、いつかレッスンできる施設を作りたいなと思っていた」（イ・ボミ）と語っていました。

　また、米ツアー4勝のキム・ヒョージュが2021年3月に故郷の江原道（カンウォンド）原州（ウォンジュ）市にゴルフアカデミーをオープン。こちらも室内練習場で、レッスン専用スタジオやシミュレーションゴルフを備えた施設となっています。

　そもそも韓国の女子選手たちは、現役であるにも関わらず、アカデミーを始めるのでしょうか。

　その答えが、2011年から日本ツアーに参戦し、18年シーズンを最後に引退した45歳の姜秀衍（カン・スーヨン）から知ることができます。

　韓国ツアーでは2000、2001年に2年連続賞金女王となり、2005年は米ツアー1勝。日本ツアー3勝と実績は十分ですが、彼女も2014年にリベラCC（京畿道華城市）内に「姜秀衍ゴルフアカデミー」を開設しました。

　その理由についてこう語っています。

「引退しても、やることがないといけないと思って（アカデミーを）始めました。コーチの資質があるかは分かりませんが、後輩のショットを見れば、何が問題なのかはだいたい分かります」

　引退した現在、姜はティーチングを続けているそうです。

　いずれにしても、脂の乗った時期に勝利を重ねて賞金を稼ぎ、知名度が高いうちにスポンサーの協力を得られれば、条件的にはアカデミーをオープンしやすいはずです。
　
　去年引退したキム・ハヌルも「アカデミーを始めてみたい」と語っていますが、韓国でも人気選手の彼女なら、いずれ実現することでしょう。

　引退後の人生設計を見据えているゴルファーが、韓国には意外と多いのかもしれません。