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“プロ入り前提じゃないアマ”のスポンサードは増える!? “女子ゴルファー”奈奈がCPG GOLFと所属契約
株式会社アスリートビジョンが女子ゴルファーの奈奈選手と所属契約を締結したことを発表しました。今年から解禁されたアマチュアと企業のスポンサー契約ですが、プロ入りを前提とした若年層との契約とは事情が異なります。
宮里藍の後輩で3度のプロテスト受験の末に断念
「なるほど、こういうパターンも出てきたか」というのが、このニュースに接しての感想でした。“このニュース”というのは、株式会社アスリートビジョンが出した「女子ゴルファー “奈奈(ナナ)”選手との所属契約を締結」というニュースリリースのことです。
「うん? “女子ゴルファー”? “女子プロゴルファー”ではなくて?」と思われた人も多いかもしれませんが、筆者も見出しだけを見た段階では同じことを思いました。中身を読むと、なんのことはない、所属契約を交わした奈奈さんはアマチュアのため、“プロゴルファー”という表現にならないのは当然のことで、今年からアマチュアが競技の費用を企業から受け取ることが解禁されたことを受けての所属契約です。
ニュースリリースによると〈今後は当社が運営しているゴルフブランド“CPG GOLF(シーピージーゴルフ)”のウエアサポートを始め、あらゆる活動のマネジメントサポートを行っていきます〉としています。
ただ、この契約が今年に入って多数報じられたアマチュアゴルファーと企業のスポンサー契約と少し違うのは、これからプロを目指すジュニア年代や大学生のエリートゴルファーではなく、ミッドアマ(25歳以上)に挑戦する、社会人競技アマとの契約であること。
奈奈さんは現在、ユーチューバーやインスタグラマーとしての活動がメインのようですが、かつてはプロを目指し、挫折した経験の持ち主。
簡単にプロフィールを紹介すると、父親の教えで15歳からゴルフを始めるとすぐにプロになることを意識。宮里藍、有村智恵らが輩出した東北高校に進学し、卒業後はゴルフ場に所属して研修生としてプロゴルファーを目指しました。しかし、3回目のプロテストでプロを目指すことを断念。その後ヨガインストラクターとして活動するも、2021年にゴルフを再開したことをきっかけに、日本女子ミッドアマ出場、優勝を目指すことになったと言います。
プロ、アマ関係なく、“挑む”人をサポートしたい
名門校で腕を磨き、夢破れたとはいえ本気でプロを目指していた経歴からして、現役時代の勘を取り戻せば実力は十分なのでしょう。ただ、やはり企業がアマチュアゴルファーをサポートする場合、現時点での広告的価値に加えて、ゆくゆくはプロになって活躍し、大きなトーナメントで自社の名を知らしめてくれることへの期待が大きいはずです。なぜ、プロへの道を断念したアマチュアをサポートするのでしょうか?
「奈奈選手がもう一度プロを目指す可能性も排除していませんが、弊社としてはプロ、アマ関係なく、“挑む”人をサポートしたいという思いがあります。ブランクがあっても本気で“日本一”を目指す奈奈選手の姿勢に共感し、ウエアの提供だけでなく競技費用やマネジメント面のサポートを包括的に行うべく、“所属契約”という形を取らせていただきました」(同社広報)
奈奈さんの挑戦する姿勢が企業理念と合致したということですが、やはり、写真を見ても明らかなように、奈奈さんに同社のウエアを美しく、カッコよく見せられるモデルとしての役割を期待していることは容易に想像できます。
新しいアマ規定では、賞金は10万円までしか受け取れませんが、アマチュアが企業との契約やCM出演等、自らの氏名・肖像を利用して報酬を得ることはもとより、その金額についても何ら制限を設けていません。ましてや最近はユーチューブなど、自らの名声をお金に換える手段は旧来型のCM契約以外にもいろいろと出てきています。若いゴルファーの中には、ツアープロの名前は知らなくても、ゴルフユーチューバーの名前は言える人も少なくないでしょう。
こうしてプロ入りを前提にしないアマチュアとの契約が増えてくると、もしかしたら、競技で結果を出しつつ、その名声をテコに、トッププロよりもゴルフで稼ぐアマチュアが出てくるかもしれません。
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