パターシャフトで有名なブランドが作るドライバーシャフトの実力とは?
シャフトの特徴を表す「先調子」や「元調子」の表示は、シャフトメーカー各社によって計測方法も判別基準も異なります。またシャフトのしなりを部分的に計測した“EI(曲げ剛性)分布”グラフも、シャフトメーカー各社で中身までは公開されていません。
メーカーやモデルが異なるシャフトの違いを同一基準で調べるために、ゴルフギャレーヂ「マルチシャフトアナライザー」が最新版にアップデートされました。

そこで、シャフトの詳細な計測が可能な「マルチシャフトアナライザー」を使って、12月に日本初上陸する米国・BGT社「BRAVA(ブラーバ)」ドライバーシャフトの“EI(曲げ剛性)”をインドアゴルフレンジKz亀戸店・筒康博ヘッドコーチに計測&解説してもらいました。
米BGT社は、「STABILITY(スタビリティー)」パターシャフトシリーズで人気が爆発。大手パターメーカーのカスタムオーダーにも採用され、ツアーでも世界のトッププロやメジャーチャンピオンが使用しています。ドライバーシャフト「BRAVA」も「STABILITY」同様にブレないのがウリなのでしょうか?
「BRAVA」はしなりのタイミングとインパクトゾーンで飛ばす!?
「マルチシャフトアナライザー」で詳細計測したデータをごく一部ですが抜粋してグラフ化しました。

「BRAVA」の“EI(曲げ剛性)分布”グラフを見てみると、グリップ下部から中間部にかけてのエリアがしなりやすくなっています。分かりやすい表現だと「タメが作りやすい」といえそうです。一方、中間部から先端にかけて、すごくなだらかな曲線になっています。
「BRAVA」は、しなやかにしなりながらもインパクトゾーンでは力強くエネルギーを伝えやすい設計になっています。ダウンスイングでヘッドスピードアップしやすく、当たり負けせずにボールを押せるデータになっています。
人気モデルのキーワードは、“ブレない” で“飛ばせる”
ドライバーにおいては、ピン「G425」に続き「G430」が発表され、タイトリスト「TSi」に続き「TSR」が発売になり早くも大ヒットしています。またドライバーシャフトは、三菱「TENSEI」シリーズを追いかけるようにフジクラ「VENTUS」が大人気になっています。
長く人気を得られるカスタムシャフトは“ブレない”基本性能で、さらに“飛ばせる“ことが重要です。

カスタムシャフトは一発の飛びが期待できる個性も魅力ですが、OBになってしまっては意味がありません。現代の“ブレない“高MOI(慣性モーメント)ヘッドの特徴を活かすため、先端の強化をギリギリで確保しながら「大きなしなり」でヘッドスピードアップを狙ったBGT社「BRAVA」は、いかにもカスタムシャフトらしい設計といえます。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。