フォローが大き過ぎても小さ過ぎてもNG
アプローチは振り幅が小さいぶん、クラブフェースの向きやクラブの軌道を修正するなどの小細工はできないと考えたほうがいいでしょう。

なるべくシンプルに体や手首を動かしほうが、いい結果を得られます。問題はどのようにして体や手首の動きをシンプルにするかです。
オススメなのが、バックスイングとフォロースルーの大きさを等しくすることです。時計の文字盤でいうなら、8時まで上げたら4時まで振る。9時まで上げたなら3時まで振るという感じです。
これが8時までしか上げていないのに2時まで振ってしまうと、体の軸が右に傾き、スイングの最下点がボールの手前に来ます。いわゆるすくい打ちの形になるわけです。
反対に8時まで上げているのに5時までしか振らなければ、上から打ち込む形になり、イメージよりも距離が出てしまいます。
アベレージゴルファーの場合、どちらかというと、バックスイングよりもフォローのほうが大きいパターンが多いようです。自分では左右対称に振っているつもりでも、実際は異なることが少なくありません。まずは鏡を見たり、動画で確認しながら左右対称の振り幅を身につけましょう。

スティックを使えば上体の動きが分かりやすい
どうしても手首を使ってしまう、振り幅が左右対称にならないという人には以下のドリルが有効です。

まず、スティック(なければクラブなどで代用)を用意し、スティックとクラブのグリップ部分を一緒に握ります。クラブがグリップエンド側に伸びた形になると思いますが、そのままアドレスしましょう。
最初は小さな振り幅でいいので、スティックがフォローで体の左サイドに当たらないようにクラブを振ってボールを打ちます。体が止まって手だけでスイングするとスティックは体に当たるため、体の回転でクラブを振ることを意識しましょう。
時計の8時から3時の振り幅で振る人は、スイングスピードを速めることで体の回転とクラブの動きが合わず、スティックは体に当たります。反対に8時から5時の振り幅の人は、スイングスピードを緩めているので体の回転とクラブの動きが合わずにスティックが体に当たります。
左右対称の振り幅になっていれば、体の回転とクラブの動きが合っているため、スティックが体に当たることはありません。スティックが当たらなくなるまでこのドリルを続けましょう。
その後で、クラブだけを握って7時→5時、8時→4時、9時→3時の振り幅でボールを打ち、何ヤード飛んだかをチェックします。
それを自分の距離感にすると、ボールの飛び方が安定したうえでの距離なので、誤差が小さくなりピンに寄る確率も高くなります。
取材協力・エースゴルフクラブ千葉校
高久あずさ(たかく・あずさ)
1995年3月10日、福島県生まれ。
東北福祉大時代は関東女子学生に優勝し、同大学の団体戦優勝にも貢献する。当初はツアープロを目指したが、19年からレッスンの世界に身を置いている。TPIlevel1を取得。その人の悩みを解消し、ショットの正確性を身につけること、ショートゲームを上達させることに重点を置く。普段はやさしい笑顔を見せるが、レッスンとなると厳しい表情になる一面も。妹のみなみは21年の女子プロテストに合格している。