「線」のイメージではプレッシャーを感じてしまう
グリーン上で、「フックラインということは分かるけど、どれくらい左に曲がるのか分からない」と、ラインをイメージし切れないままパッティングをしてしまった経験は誰にでもあるはずです。今回は、そんな曲がるラインの読み方について解説していきます。

「ライン読みが苦手」と自認しているゴルファーの多くは、ボールからカップの間に1本の細いラインを想像し、そのライン上にボールを転がそうとしているのではないでしょうか。
しかし、このイメージでは「ライン上にボールを転がさなきゃいけない」とプレッシャーを感じたり、「本当にこのラインで合っているのかな?」と不安を抱えながらストロークすることになります。こんな状態でパッティングをしても、なかなかカップインできませんよね。
ジャストタッチとしっかり打った時の2本のラインを想像する
私がオススメするのは、1本のラインではなく、ゾーンをイメージすることです。
ゾーンのイメージなら、1本のラインよりもミスの許容範囲が広がって気楽にパッティングに挑むことができます。問題は、どうやってゾーンを想像するかです。

みなさんはプレー中、キャディさんに「しっかり打つならカップ右端、ジャストタッチならカップ1個ぶん右です」などとラインを教えてもらったことはありませんか? これはつまり、ボールが転がる勢いによって曲がり幅が変わることを意味しており、キャディさんは一番弱く打った時と一番強く打った時の2本のラインを教えてくれているということです。
ゾーンをイメージする時は、この強弱2本のラインを想像してください。そして、2本のライン内にボールを転がせばいいわけです。1本の細いラインの上を転がすイメージより、プレッシャーは軽減されるはずです。
曲がるラインは最初に真っすぐ転がり、止まり際に大きく切れる
ところで、「曲がるライン」というと、打ち出しからカップ際まで、同じように曲がり続けるイメージを持っている人がいます。しかし、実際は同じ斜度であってもボールのスピードによって曲がり幅が変わります。

つまり、打ち出し直後の初速が速い時は真っすぐに近く転がり、ボールの勢いが弱くなっていくにしたがって傾斜の影響を受け、大きく曲がることになるのです。
「最初は真っすぐ転がって、終盤で曲がる」というラインを想像すると、直線のラインの先に仮想カップをイメージしやすくなります。曲がるラインでも真っすぐ狙いやすくなるため、カップイン確率はさらにアップしますよ。
取材協力・GPC恵比寿
【指導】大本研太郎(おおもと・けんたろう)
1974年生まれ。レッシュプロジェクト・マスター級トレーナーの資格を所持。データと理論に基づくティーチングの他、マネジメントやメンタルの分野にも精通したレッスンに定評がある。2018年PGAティーチングアワード最優秀賞を受賞。プロコーチとして、東浩子、藤田さいき、臼井麗香らの指導も行っている。「GPC恵比寿」主宰。