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- 消防士も活用! 最強の熱中症予防ドリンク「アイススラリー」って何? ラウンド前に飲むのが効果的!?
最近、熱中症予防に効果大だとして注目されているのが「アイススラリー」。水と微小な氷がシャーベット状に混ざった氷飲料です。トップアスリート、部活に打ち込む学生、救急隊や消防士など、気温や湿度が非常に高い環境でスポーツや作業をする人々に昨今広く取り入れられ、有用な暑熱対策の一つです。
体に浸透しやすく効率よく内側から体を冷やせる
例年になく暑い今夏、残暑も長引きそうですが、皆さんは「アイススラリー」を利用しているでしょうか?
国立スポーツ科学センターが発信する「競技者のための暑熱対策ガイドブック【実践編】」によると、「アイススラリー」とは、水と微小な氷がシャーベット状に混ざった氷飲料です。
トップアスリート、部活に打ち込む学生、救急隊や消防士など、気温や湿度が非常に高い環境でスポーツや作業をする人々に昨今広く取り入れられ、有用な暑熱対策の一つです。
ご存じのように、人は暑いときに汗をかいて放熱し、体温を保ちます。しかし、水分補給の不足や暑熱環境下での長時間作業や運動により深部体温が過度に上昇すると、ボーッとしたり気持ちが悪くなったりして、運動能力が低下します。さらに悪化すると痙攣や意識障害などの重い症状があらわれる場合もあるため予防と早期の対応をしなければなりません。
熱中症を防ぐには、体を冷やし、深部体温の過剰な上昇を予防・抑制することが重要です。運動中の身体冷却法には、大きく分けて…
(1)氷嚢や冷却パックを首、脇の下、脚の付け根などに当てたりして(3点クーリング)体の外側から冷やす
(2)水分補給を行って体の内側から冷やす
…という2つの方法があり、両方を並行して行って体の中と外から冷やすことが大切です。アイススラリーは(2)の、内側から身体冷却をする有用な方法として注目されているのです。
水分補給によって体の内側から冷やすなら、アイススラリーでも、飲み慣れたスポーツドリンクを冷やして飲むのでも良さそうですが、両者には大きな違いがあります。
「アイススラリーは低温で流動性が高く、氷が水に解ける際に体内の熱を多く吸収することができます。そのため、アイススラリーの摂取は冷たい飲料の摂取よりも非常に高い冷却効果を有して」いるからです。
通常、冷蔵庫から出したドリンクの温度は4℃前後といわれます。それに比べて氷と飲料水が混合したアイススラリーは、マイナス1℃前後。かなり冷たく、より細かい氷の粒に液体が混じった流動性のある飲み物のため、体に浸透しやすく効率よく内側から体を冷やせる特徴があるのです。
かつて多くのゴルフ場の茶店メニューに「かき氷」があったのを思い出します。こめかみがキーンとするほどの冷たさで、二口、三口食べると汗が引くのを実感したものです。今思えば、当時の「かき氷」も体の中から体を冷やすという点では理にかなっていたといえますね。
とはいえ、アイススラリーは、「かき氷」や「フローズンドリンク」や「スムージー」のように氷を砕いたものとは異なるといいます。微細な氷の粒子が液体に分散しているため、凍っているのに流動性、つまり「とろみ」があるからです。冷たい喉越しが長続きするのはそのためです。
また、「アイススラリーを氷とスポーツ飲料でつくると、身体冷却だけではなく、水分・電解質・糖質も同時に補給できます」(前出「競技者のための暑熱対策ガイドブック【実践編】より」)。
そこで開発されたのが市販のアイススラリーです。ゴルファーならクーラーボックス等で冷凍状態を保ち、凍らせた状態で飲用して体を冷やすことにより、長時間のプレーや暑熱環境下でのラウンドをサポートしてくれるといわれています。ネット通販やドラッグストアやコンビニで購入することができますが、大手飲料メーカーの公式通販サイトなどでは「在庫なし」のケースもありますのでチェックしてみてください。
氷、スポーツドリンク、ミキサーで似たものは自作可能
ところで、お店に置いていなかった時のために、また1袋(100グラム入り)200円弱のドリンク費用を抑えるために、アイススラリーを自分でつくることはできないものでしょうか。答えは「NO」。専用の機械が必要だからです。
そこで、先の「競技者のための暑熱対策ガイドブック【実践編】」をよく読んでみると、アイススラリーに近いクラッシュドアイスのようなレシピが公開されていました。氷とスポーツドリンクをミキサーにかけることで同程度の冷却効果があるようです。
早速ご紹介しましょう。
(1)氷60%、スポーツ飲料40%をミキサーに入れる
(2)ミキサーにかけてクラッシュドアイスを作る(100%)
(3)魔法瓶に注いで保存
※氷とスポーツ飲料の割合は、3:1~2程度で、スポーツ飲料の糖度によって割合を調節すると良いでしょう。
氷の粒をより細かくすると、さらに冷却効果が上がるそうです。ただし、一般的に、飲みすぎると胃腸を冷やすこともあるので注意が必要です。
摂取のタイミングは、ウォーミングアップ後、ショットの待ち時間、午後のスタート前など、こまめに、少しずつ行うことがポイント。特に、ウォーミングアップの後に飲むと、「プレクーリング」といって運動前にあらかじめ深部体温を下げることができ、その後の体温上昇を抑制するため、運動パフォーマンスに対しても有効であることが報告されています。
「かき氷」が茶店から姿を消したことは淋しいですが、“アイススラリー”で「かき氷」気分を味わいながら涼をとり、熱中症を予防しましょう。
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