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- 右打ちの人と向かい合わせになるのに…なぜレフティー用の打席は“左端”じゃなく“右端”が多いの?
ゴルフでは他の競技以上にマイノリティーであるレフティー(左打ち)のプレーヤー。練習場でも打席が少ないですが、左打ち用は右端に設置されていることが多いです。なぜ左打ち打席は右端に多いのでしょうか?
今となっては「理由は分からない」という練習場が大半
あるレフティーゴルファーのSNS投稿に目が止まりました。
「平日ガラガラなのに隣打席に入ってくる人がいるの、何で?向かい合わせで打つのイヤなんですけど」
右打ちゴルファーが理解するのには数秒かかるかもしれませんが、練習場打席での向かい合わせ問題は、レフティー“あるある”の典型でしょう。

ここで素朴な疑問が湧いてきます。
そもそも左打ち打席はなぜ右端に多いのでしょうか。左端に設置すれば、もし隣打席に右打ちの人が入ったとしても決して向かい合わせになることはないと思うからです。
首都圏にある複数の練習場に聞いたところ、さまざまな回答がありました。
「左打ちの打席を右端に設置している理由は特にありません。長年、練習場に勤めていますが、これまで理由を聞かれたこともないし、そのこと(右端にある)による問題もありません」
「確かに右端にありますが、なぜそうなったのかは分かりません」
「かつては、『真ん中で打ちたい』というレフティーのお客さんがいたため中央付近に左打ち打席を設置したそうです。ところが、その打席より左に入った右打ちの人から『向かい合わせ感が強い』との意見があったため、左打ち打席を少しずつ右へ移動していき、ついに右端になったと聞いています」
左打ち打席が右端にある理由は分からない、特に何かあるわけではないのでは……というものがほとんどでしたが、そのなかで興味深い回答を寄せてくれた練習場がありました。比較的大きな屋外練習場です。
「うちの練習場では、各フロアに2つずつ左打ち打席を設置しています。その位置は、右から2番目と真ん中より少し左です」というのです。
「正確には左打ち専用打席ではなく、左打ち・右打ち兼用打席です。打席の幅を広くとり、左右両サイドにオートティーアップ機と練習マットを設置しているのです。レフティーのお客さん優先ですが、常に空けておくわけではなく、混んでくれば右打ちの方にも入っていただきます。その左隣の打席にお客さんを案内する場合は、フロントで『レフティーの方が入ると向かい合わせになりますが、よろしいですか?』と聞いています。『それなら他の打席にしてください』というお客さんも少なからずいるからです」
運用方法がしっかりしているのはもちろん、左打ち打席の位置が具体的に決まっているのにも明確な理由がありました。
「右端の打席の壁には鏡がついていますが、そこを左打ち専用にしてしまうとせっかくの鏡を活用できません。そこで一番右端は右打ちの打席として鏡を使いたい人が利用できるようにし、右から2番目を左打ち(右打ち兼用)打席にしています。それと数年前にレッスンの需要が多いのを意識して打席をリニューアルしたのです。スクールなどレッスンでは真ん中より左側の打席を使うのですが、レフティーの人を左端打席固定として壁に向かわせるのは気の毒ですし、共通の話を聞きにくいとも思います。それらを考慮して真ん中より少し左側に左打ち・右打ち兼用打席を設定しました」
左打ち打席を設定するのにこれだけの根拠を示してくれました。
背中合わせは背中合わせで危険がある
とはいえ、左打ちの打席を左端に設定しない理由については、もう一つはっきりしません。ある練習場では「必ずしも正解とは限りませんが」と前置きしたうえで、次のようにいいます。
「左打ち専用打席を左端に設定すれば右打ちの人との対面は避けられますが、一方で2つのデメリットが考えられます。一つは、左打ちの人と隣打席に入る右打ちの人とが背中合わせになることです。オートティーの打席では、左打ちの人も右打ちの人も、素振りをするときに一歩下がってクラブを振りますよね。お互いが近づいていることに気づかずクラブをフラットに振ったら、当たってしまう危険があります」
「もう一つは、打席のすぐ先にある左サイドのネットにボールが当たり、ネットが傷みやすくなってしまうからです。これは右端の打席にも共通する問題ですが、一番右は鏡を見たい右打ちの人用打席、右から2番目はレフティー優先の右打ち兼用打席なので、稼働率はほかの打席ほど多くはありません。たとえ左から2番目の打席にレフティーが入ってスライスを打ったとしても、意外とネットから離れているのでそう強い勢いでボールが当たることもないのです」
以上のような理由から、レフティーの打席は右端(や右端付近)にあると考えられます。右打ちの人と対面になることもありますが、その代わりいろいろな人のスイングや打球を見ることができます。打球がサイドのネットに当たることも少ないし、壁に向かってひたすら打つより楽しめるのではないでしょうか。
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