請われてもないのにラウンド中に一から十まで押し売りレッスン
ゴルフの腕前を磨くスクールはありますが、ここはさまざまな人とハッピーなゴルフをするためのコミュニケーション術を磨くところ。夜の人間交差点「銀座」で生き抜いたわたくし、かずこが伝授いたします。

本人に悪気はないとは思いつつ、ホールを重ねるうちに、同伴者の振る舞いにストレスがたまり、あふれたイライラがこぼれてしまう。とくに異性となると、根本的に性質が違うぶん、余計に鼻についてしまいがち。
そんなとき、私が“おかま”という性質上いいやすいのでしょうか。 男女とも、あふれてしまった“イライラ”を私の横でそっとつぶやくのです。
聞けばさもありなん。だけど、お互いハッピーなゴルフを楽しんでほしい。だから、そのつぶやきを共有し、今後の参考にしていただきたいな、と思うのです。
前回とは反対に、女性が男性に対するつぶやきで最もよく聞くひとことをご紹介します。
「いま言われたって、できないよ……」
ラウンド中、頼まれてもいないのにレッスンを始めちゃう男性って意外と多いですよね。 とくにビギナーやアベレージレベルの女性に対して、一から十まで指導する男性もいたりして、さすがに私でも目に余るわ。
もちろん親切心だとは思うけれど、誰だってラウンド中にいろいろ言われると、混乱して余計調子が悪くなるもの。ヘタはヘタなりに自分で考えてプレーしたいし、それがゴルフの楽しみでもあるはず。
親切心も、度を越えるとただのおせっかい。女性が「ほっといてよ!」と、いいたくなる気持ちもよく分かるわ。
アドバイスするなら、聞かれたときにワンポイントだけ、がスマートな殿方の振る舞いかと存じます。
「あの人、言い方キツイよね…」男性の吐き捨てるような物言いにイラッ
もう一つ、女性のつぶやきで多いのが、男性のものの言い方について。
「そこ、どいて!」
「でべそだよ!」
「(パットが)つえーよ!」
言葉の使い方を知らないというか、言語力が乏しいというか、ぶっきらぼうに吐き捨てるような言い方しかできない男性って多いのよねー。
たとえ悪気はなくても、こういう言い方ってとても威圧感があるし、馬鹿にされているように感じてしまうのが女性なの。同じ内容でも言い方一つで受ける印象はガラリと変わるもの。例えば……
「そこ、どいて!」→「そこにいると危ないから、もう少し後ろに下がろうか」
「でべそ!」→「ちょっと前に出てるね(笑)」
「つえーよ!」→「あーちょっと強かったね、でもナイストライ!」
こんな風に、少していねいに、きちんと語尾をつけるだけで、やさしさを感じるはず。
「そんなこといちいち気にするなんて、めんどくさい」と思ってしまったあなたは要注意。女性からパワハラ系というレッテルを貼られてしまうかも。
女性は共感を重んじる生き物なの。
言葉を吐き捨てるのではなく、共感する気持ちを持って発言することで、「この人とまたゴルフしたい」「ステキな人と出会えた」、そんな風に思ってくれるのではないかしら。
男女それぞれがお互いの性差をくみ取って、ゴルフ場から少しでもイライラのつぶやきが減りますように。そしてゴルフという最高の社交の場がさらに昇格することを祈ってやみません。
かずこママ(Kazuquo)プロフィール
東京・銀座で10年。ゴルフ歴も10年目に突入! 老若男女、プロアマ問わずゴルファーも多く通う会員制バー「銀座Room」のママとして、カウンター越しに日本社会で頑張る皆様のお側に寄り添っております。企業の社内コミュニケーション研修などもしております。ベストスコアは81。著書『僕と母さんの餃子狂詩曲』(集英社クリエイティブ)発売中。インスタグラム「かずこママの愛の翻訳」@kazuquomama