練習場のゴムティーのS、M、L、LL…今どきのドライバーにはどの高さ？　アマチュアはコースと高さが違う!?

　自動ティーアップ式の練習場は別として、多くの練習場ではいくつかの種類のゴムティーから好みの高さを選ぶことになります。高さの種類はS、M、L、LLなどがあり、これはかなり昔から変わっていません。果たして、今どきのドライバーにもこの高さは適正なのでしょうか？

　多くのプロゴルファーを指導してきた南秀樹コーチが主宰する「3.7.3（ミナミ）ゴルフアカデミー」（香川県）の坂口悠菜コーチは、LLがおすすめだと言います。

「最近のドライバーのヘッドはディープフェース（フェースの天地が長い）よりもシャローフェース（フェースの天地が短い）が多いこともあり、基準になるのはLLかと考えています。メーカーやドライバーのタイプによって多少違いはありますが、Lだと低過ぎるし、3Lだとボール1個分出るくらいになってしまうので、目安はアドレスでヘッドをセットしたときに、ボールがフェース上部からボール半個くらい出るのが適正です。高すぎるとあおり打ちになりやすく、低すぎると打ち込みやすくなる傾向があるので、ティーの高さって本当に重要なんです」

　坂口コーチは日々のラウンドレッスンなどを行う際に練習場とコースでティーアップの高さが変わっているアマチュアが多いことを実感しています。

「練習場でのティーの高さとコースでのティーの高さが同じなっているのかどうかはとても大切なことなんですが、私が見る限りでは練習場よりもコースの方が高くなっている傾向があります。原因は景色です。コースは林や池、打ち下ろしや打ち上げなど目に入ってくる情報が多くて、それに対して練習場ではプレッシャーを感じる要素が少ない。さらに、同伴競技者よりも飛ばしたいなどの気持ちの面でも、練習場と異なる要素が加わります。真っすぐに打ちたい、当てたい、飛ばしたいといったメンタル的な要素が、ティーアップを高めにさせているのだと思います」

　アマチュア心理としては、ティーアップの高さは高いほうが安心感があるため、コースではティーを高くしてしまいがちなのではと分析する坂口コーチ。なら、コースで打つことを想定して高めのティーアップで練習したらいいのではと思ってしまいますが、一律に高くすることは危険だと指摘します。

「練習場での練習法としては、コースで打ち上げが苦手な人は低めのティーで練習してほしいですね。打ち上げホールが苦手な人は、球が上がらず上から打ち込んでいると思いがちですが、実は逆で、下からかち上げているのが理由。その原因は高過ぎるティーアップにあります。そういう人はコースではもっと高くしてしまっているはずなんです。だから気持ち低めのLくらいで練習するのがいいと思います」

「反対に打ち下ろしホールが苦手な人は高めのティーアップで練習してください。打ち下ろしホールは高く上げる必要がなく、できれば目線の高さに球を出していきたいのでティーを低くする人が多いと思いますが、低いと打ち込むリスクもあります。そのため練習場では高めのティーアップで、フェースの下のほうにボールをセットして、そこで打つ練習をしてください。それができると飛距離が少し落ちますが、通常のティアップの高さで低く抑えたボールを打つことができます。着弾までの時間が早くなるので、打ち下ろしのホールには最適なボールになります」

　ちょっと高いな、これだと低過ぎるかな、と思いながら練習し続けるのは上達の妨げになります。練習場で効果的な練習をするためには、ティーの高さに気を配ってみてはいかがでしょうか。