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- ゴムティーをベコンベコン! 練習場での“ティー打ち”素振り ゴムを傷めない? そもそも効果あるの?
ゴルフ練習場に行くと、球を打たずにゴムティーを打っている人をたまに見かけます。球数を節約しつつ、ただの素振りではなくボールに見立てたゴムティーを打つことで、少しでも実戦に近い練習ができそうですが、効果のほどはどうなのでしょうか? また、直接打つことでゴムティーを傷めてしまい、練習場の迷惑になることはないのでしょうか?
劣化は経費に織り込まれているので迷惑ということはない
練習場でゴムティーを打つ素振りをしている人をよく見かけます。
でもそのたびに、かつてあるツアープロが「あれはゴムティーを傷めるのでやらないほうがいい」と言っていたのを思い出します。ゴムティー打ちは練習場にとって迷惑なのでしょうか? そして、そもそも練習効果はあるのでしょうか?
レッスンの現場にいるインストラクターや練習場の本音を話してもらうため、都内のインドア練習場と埼玉県の屋外ゴルフ練習場に勤務する日本プロゴルフ協会A級ティーチングプロに聞きました。
「ゴルフ場併設のレンジやインドア練習場ではゴムティーが主流です。ティーばかり打てばそれだけ傷んでいくのは確かですが、練習場運営の経費に含まれているものですから、迷惑という認識はありません。ダメージだけを考えると、ゴムティーを強く叩くと練習マットも切れてしまうことのほうが大きな損傷につながりますね。ターゲット方向に亀裂が入り、ゴムティーを差し込む穴からティーが抜けて飛んでいくことがあります」
「いっぽう屋外練習場ではオートティーアップ機の設置が大半のため、ゴムティーを打つ練習をしようと思っても最初くらいしかできません。それでも、はめ込み式のゴムティーよりオートティーアップ機に内蔵されているゴムティーの方が消耗は早いですね。私の勤務する練習場では各打席のマット下にスーパーロングという全長10センチのティーを機械にはめ込み、1階打席で50ミリ、2階打席、3階打席は45ミリまでティーアップ高調整の制限を設けています。ゴムティーへのダメージは、どうしてもマット上に出る部分に集中するため、上の方が切れやすくなります。ゴムティーを打つ素振りによる傷みは、ほとんどないと言えるんじゃないでしょうか」
オートティーアップ機から取り外した状態のゴムティーを今回初めて見せてもらいました。本体はしっかりした厚めのゴム、上の方はやや薄くなっています。上方2センチくらいは、はめ込み式のゴムティーくらいの厚さです。
「全体的に厚みがあるため、ボールを打つのと一緒にゴムティーを打っても、ゴムがヘナっとすることはありません。ただ、それだけに、悪いスイングで打つとインパクト時の抵抗が大きく、手応えも悪くなります。男性ゴルファーがあえてティー目がけて力一杯叩き続ければ消耗は早いでしょう」
インパクトが点になってしまいフォローが出なくなる弊害も
ところで、ゴムティーを打つ素振りをしている人は、どんな課題や目的を持ってその練習を行なっているのか気になります。そもそもゴムティー打ち練習でスイングや打ち方をよくする効果はあるのでしょうか。先のティーチングプロは言います。
「私個人は、ゴムティーを叩く練習にプラス効果は感じません。むしろ弊害の方が心配です。アイアンでもドライバーでも、『ティーを打つ』ことを意識するとインパクトが“点になり”、10人が10人ボールに当てにいってしまうからです。その結果フォロースルーが出なくなり、上からクラブが入ってテンプラになるか、打球は上がらなかったとしても飛びません。スイングで大事なのはインパクトの後です。ボールを打った後、フォロースルーで腕とクラブをしっかり振り抜くようにしましょう」
「また、サンドウェッジでゴムティーを打つことにより、バンカーショットの練習をしているつもりの方もいます。ゴムティーを打つのとボール下の砂にクラブを入れるエクスプロージョンとを同じ打ち方ととらえているのかもしれません。しかし、実際のバンカーショットではボールが地面(砂の上)にあり、クラブは地面のさらに下へ入れていかないとなりませんので、ティーを打ってもバンカーショットの練習にはなりません。ティーを打つのとクラブを地面の下へ入れるのとでは、スイングの高さが全然違うからです」
「ただ、クラブヘッドの軌道確認にはなるでしょう。例えば、ドライバーショットはアッパーブローに打つイメージですが、実際はほぼレベルスイングです。いい感じでゴムティーに薄く当たれば、レベル軌道で振ることができたと言えます」
今まで“ゴムティー打ち”の練習を一生懸命してきた人は、ガッカリしたかもしれません。これからは軌道の確認にとどめ、“ゴムティー打ち”に変わる効率のいい練習方法を見つけてレベルアップに励みたいものです。
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