雨や汗で服がぬれた状態でのレストラン利用は避けるべき
スループレーの場合を除き、通常は前半9ホールを終えた後、昼休憩を兼ねてレストランで食事をとることが一般的です。ゴルフ場でのランチを楽しみにしているゴルファーも多いですが、当然ながらレストランにも守るべきマナーがあります。

特に慣れていないビギナーは、知らず知らずのうちにマナーに反している行動をとっている可能性も。「こんな人はちょっと…」と思われないためにも、レストランではどのようなことに気をつければいいのでしょうか。
ゴルフのマナー講座も行っている、有馬カンツリー倶楽部代表取締役の谷光高氏は、以下のように話します。
「マナー違反と言っても、大切なのは常識的な範囲内で利用することです。例えば、雨などで服がびしょぬれのまま席に座るようなことは、やはり控えてほしいなと思います」
「汗も同じことが言えますが、次に座る人のことも考えて、多くのお客さまに快適にご利用いただくためにも、席をぬらさないように意識していただけるとうれしいです」
前半のプレーを終えてクラブハウスに戻ってきたら、すぐに食事をしたい気持ちを抑え、まずはシューズやウエアについた汚れを落とし、状況に応じてはレストランへ行く前にロッカーで着替えるといった配慮も必要でしょう。
また、帽子をかぶったままの食事もマナー違反です。プレー後の帽子には飛び散った芝や汚れがついている場合があり、かぶったそのままの状態で食事をしてしまえば料理の中に入ってしまう可能性も。
たとえ脱帽したとしても、テーブルの上に帽子を置く行為もマナー違反です。入り口に設けられた帽子掛けにかけるなどして、レストラン内を清潔な状態で利用するように心がけておきましょう。
レストランの雰囲気によってマナーの定義は変わる?

レストランにはたくさんの利用者がいるため、ゴミや汚れなどの衛生面だけではなく、騒がしさなども問題になることがあります。ハーフを終えてレストランの席についたらリラックスして食事をとりたいものですが、ゴルフ場の実態について谷氏に詳しく話を聞きました。
「例えば4人1組の場合、その4人の中でワイワイ楽しく会話をするぶんには、最近ではそこまで注意される対象にはなっていないことが多いです。いわゆる“名門”といったコースであれば注意されることもあるかもしれませんが、一般的なゴルフ場では普通のレストランのマナーと一緒だと思います」
「一つの例え話ではありますが、ゴルフ場のレストランがカジュアルなカフェのようなスタイルだったら、ドレスコードや静かにしようなんてマナーは合いません。逆に、ホテルライクなレストランだと、当然静かな雰囲気でドレスコードもしっかり守る必要があると思います」
「つまり、ゴルフ場のレストランがつくり出す雰囲気によって、マナーなども必然的に定められていくのかなと思います」
また、昼休憩が終わるとゴルファーは後半のホールに向かいますが、谷氏に「レストランに長居して、後半のスタート時間に遅れるような人はいましたか?」と聞くと、こんな答えが返ってきました。
「逆ですね。お昼の休憩時間が長すぎとゴルフ場側が怒られることがありました。これは、なるべく早くスタートしたいお客さまが多いためです」
「特にコロナ禍はアルコールもストップをかけていましたし、会話もろくにできない環境だったので『何して時間をつぶせばいいんだ』みたいなこともありました。ですが、スタート時間なのにまだ行かないというお客さまは基本的にいないですね」
ゴルフ場で見かける迷惑行為の多くは、他人への配慮が足りないことが主な原因です。特に多くの利用者が集まるレストランは、衛生面に気を使うことはもちろん、他のグループや次の利用者のことも考えてランチタイムを楽しむよう心がけましょう。