すみやかに受付に相談
練習場では、初ラウンドを控えるビギナーから上級者まで、さまざまな人が練習をしています。
練習打席は板で仕切られて横一列に並んでいるので、隣の打席で練習している人との距離は、そこまで遠くありません。普通に練習しているぶんには、危険を感じることはありませんが、まれに天井や仕切り板にボールを当ててしまう人がいます。

天井に当たると大きな音がなるので、びっくりするだけでなく「もしかしたら、こちらにもボールが飛んでくるかもしれない……」とヒヤヒヤした経験がある人もいるかもしれません。
隣の人が危険球を連発していた場合、どのように対応するのが正しいのでしょうか。東京・世田谷区の「千歳ゴルフセンター」代表取締役で、公益社団法人全日本ゴルフ練習場連盟会長も務める横山雅也氏は、以下のように話します。
「もし危険球が2、3回続くようであれば、すみやかに受付に相談していただければ、打席を変えるなどの処置をしてくれるはずです」
「コロナ禍で新規が増えたタイミングで、危険球を打ってしまう事例は増えたように感じています。ビギナーや全くの初心者は勝手が分からず、『とにかくフルスイングをする』『ティーをかなり高めに設定している』というときに起こる印象です」
「ただ実際にボールが隣の人に当たったという事例は、ほとんど聞いたことがないので、各施設数十年に一度あるかないかぐらいの確率だと思います。仕切り板もありますし、普通に練習しているぶんには問題ありません」
遠くに飛ばそうとティーを高く設定しがち
では、なぜ危険球が出てしまうのでしょうか。クラフトマン兼レッスンプロの関浩太郎氏は、以下のように話します。

「基本的には『ティーが高すぎる』『ヘッドのトゥ部分』に当たると危険球が起こりやすいです」
「まずティーの高さに関しては、ビギナーがやってしまいがちなのですが、とにかく遠くに飛ばそうと高く設定しています」
「シャクリ打ちをしていることも要因のひとつですが、クラブヘッドからボールが半分ぐらい出るように設定すれば、天井に当たるような極端なテンプラは防ぐことができるはずです」
「また、クラブヘッドのトゥ部分に当ててしまう人は、クラブのリリース(手首の返し)ができていないケースが多いです」
「本来であれば、体からクラブを遠ざけるようにスイングしなければならないところを、体に巻きつけるようにスイングしてしまうことにより、スイングの軌道が極端に内側を通りトゥ側に当たります」
「シャンクが起きてしまったとしても、斜め45度に飛ぶぐらいなので、隣の人に危険が及ぶことはないと思います」
ティーの高さが合っていないことやスイングが身についていないと危険球を打つことがあります。打球が当たる事例自体はほぼありませんが、危険球を連発する人がいたらに直接注意すると口論に発展する可能性もあるので、見かけた際はフロントに対応をお願いするようにしましょう。