いわれてみれば確かに謎… グリーン上の旗竿が「ピン」と呼ばれる意外な理由とは? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

いわれてみれば確かに謎… グリーン上の旗竿が「ピン」と呼ばれる意外な理由とは?

グリーン上のカップに刺さっている旗竿のことを「ピン」と呼びますが、このように呼ばれるようになった理由とは何なのでしょう。

女性が身に付ける帽子の「留め針」に似ていた

 ゴルフ場には、100ヤード台のパー3から500ヤード以上あるパー5まで様々な距離のホールがあります。一方で、カップの直径は108ミリメートルと定められていますので、ティーイングエリアやセカンド地点からカップそのものを確認することは困難です。

 そのため、カップに「ピン」と呼ばれる旗竿を刺すことで、グリーンのどこを目指してショットを打てばよいか一目で分かるようにしているわけです。

メリオンゴルフクラブ(米国・ペンシルベニア州)のウィッカーバスケット 写真:Getty Images
メリオンゴルフクラブ(米国・ペンシルベニア州)のウィッカーバスケット 写真:Getty Images

 普段から何気なく使っているかもしれませんが、なぜカップに刺さっている旗竿のことを「ピン」と呼ぶのでしょう。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように説明します。

「一般的にカップに立て付けられたものを『ピン』と呼びますが、正しくは竿と旗の部分を合わせて『ピンフラッグ』といいます。カップがグリーン上のどの位置にあるのか、遠くからでも判別しやすくするとともに、旗や竿がしなることで風の向きや強さも把握できるようになっています。

 ピンという呼び名が生まれた理由には諸説ありますが、近代ゴルフ発祥の地であるスコットランドを含めたイギリスにルーツがあるといわれています。一つは、1800年代の終わりごろから、激しい雨風にさらされ続けることで旗がボロボロになり、カップの位置が分かりにくくなってしまうことを防ぐために『ウィッカーバスケット』と呼ばれるワラやヤナギ、籐の木などで編まれたかごを代わりに竿の上部に設置していたというものです。

 その見た目が、女性の身に付ける帽子の留め針によく似ていたことから『ピン』と名付けられたのではないかというのです。他にも、スコットランドの漁師がロブスターを捕えるための仕掛けに用いられる竹かごを、同じく竹で作られた竿にかぶせてカップに刺したとことから、同様に『ピン』と呼ぶにようになったという説も存在します」

 この竿の上に取り付けられたかごには、意外な活用法もあったようです。

「旗の代わりに付けられた『かご』には、ランチボックスとしての機能があったともいわれています。海外では、前後半の間に昼食休憩を挟まないスループレーが原則となっています。そのため、ゴルファーはスタート前に途中のホールのかごにサンドウィッチなどの軽食を入れてほしいとゴルフ場にお願いをしておき、そのホールが終了した時に中から軽食を取り出して、ラウンド中に食べていたというのです」

 現在では、世界中のほとんどのゴルフ場で旗と竿を組み合わせたいわゆる「ピンフラッグ」が使用されていますが、アメリカのペンシルベニア州にあるメリオンゴルフクラブでは、1912年の開場以来110年以上もの間ずっとウィッカーバスケットを採用し、そのゴルフ場を象徴するものとなっています。過去には何度も全米オープンの開催地に選ばれていますが、やはりその際もウィッカーバスケットでプレーが行われました。

 日本では、兵庫県の吉川インターゴルフ倶楽部・MECHAで2007年からウェッカーバスケットが設置されていて、伝統的なピンの姿を見ることができます。

プレーの際には「ピン」の長さに注意しよう

 他にも飯島氏は、ピンについて面白いルールがあると話します。

「ピンには『何メートル以上でなければいけない』や反対に『何メートル以下でなければいけない』といった長さに関する制限は特に決められていません。そんな中でピンの長さは大きく分けて、7フィート(およそ2.13メートル)のスコティッシュスタイルと、8フィート(およそ2.43メートル)のアメリカンスタイルが存在し、日本のゴルフ場は基本的に後者を取っています。

 長さの違いは、プレーに影響する場合もあるので覚えておくとよいでしょう。例えば、アメリカンスタイルの長いピンに慣れた人が、スコティッシュスタイルの短いピンのコースに行くと、同じ距離でもピンが小さく見えるぶん、遠くにあると錯覚することがあります。

 その他、打ち上げの砲台グリーンなど、カップの場所が分かりにくいことを理由に、どちらにも属さない非常に長いピンを特注で作っているところもあります。また、より視認性を高めるために、両端を細く、中央を太くした『トーナメントポール』と呼ばれる特殊な形状のピンも存在します」

 カップも当時は、水道管を代用するなど、身近なものをベースにしていたといわれます。先人たちが知恵を絞り、さまざまに創意工夫を重ねてきたことで、現代のゴルフの姿が確立されたのです。

【写真】グリーンスピードってこうやって測っている! 「スティンプメーター」を使った計測の手順

画像ギャラリー

1.金属製「スティンプメーター」の端の方にある穴にボールをセットする。「スティンプメーター」はV字にへこんだレールになっている
2.ボールがセットされた方の端をゆっくり持ち上げていく。一定の高さ(角度にして約20度以上)に上がり、ボールがレールを転がり始めたら手を止める
2.ボールがセットされた方の端をゆっくり持ち上げていく。一定の高さ(角度にして約20度以上)に上がり、ボールがレールを転がり始めたら手を止める
2.ボールがセットされた方の端をゆっくり持ち上げていく。一定の高さ(角度にして約20度以上)に上がり、ボールがレールを転がり始めたら手を止める
3.ボールがどれだけ転がったかを計測する。ボールが「スティンプメーター」を出てから止まった位置までの距離がグリーンスピードの指標となる
4.距離の計測は、メジャーを用いるか、「スティンプメーター」を物差しとして使うこともできる。距離をフィートで表した数値をそのままボールスピードとして表示する
数字だけ知ったところで、何フィートでどのくらいの速さかの感覚がなければ“ただの数字”(写真はイメージです)
これがグリーンキーパー御用達の計測器「スティンプメーター」。USGAの認証マークがついており、世界中のコースが同じ基準で計測されている
これがグリーンキーパー御用達の計測器「スティンプメーター」。USGAの認証マークがついており、世界中のコースが同じ基準で計測されている
メリオンゴルフクラブ(米国・ペンシルベニア州)のウィッカーバスケット 写真:Getty Images

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