「設計者の意図なんか分からない」じゃダメ!? 上達に役立つコースレイアウトを意識したプレーとは?

ゴルフ場は「コースレイアウト」が優れていると高い評価を受けると言われることがあります。コースレイアウトとはどのようなものなのでしょうか。

ゴルフ場にはコース設計者の様々な思惑が隠されている

 18ホールで構成されるゴルフコース。各ホールは、距離や形状、起伏の大きさやハザードの数などデザインがすべて異なり、一つとして同じものはありません。ゴルフ場を設計する人が「コースレイアウト」と呼ばれる要素を意識して、多くのゴルファーに競技を楽しんでもらえるように工夫を凝らしているからです。

コースレイアウトもゴルフの楽しみの一つ
コースレイアウトもゴルフの楽しみの一つ

 設計者の腕の見せどころとなるコースレイアウト。具体的には、どのようなものなのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。

「一般的な18ホールのゴルフ場には、パー3とパー5のホールがOUTコースとINコースにそれぞれ2つずつの計8ホールあり、残りの10ホールがパー4となっています。コースレイアウトは、山間部や丘陵地などゴルフ場が建設される場所において、コースの設計者がその土地の特徴を生かしながら18ホールを配置していくことを指します。長時間にわたってプレーしていく間にゴルファーが単調で飽きないよう、メモラビリティー(各ホールが印象に残る個性)やショットバリュー(ナイスショットとミスショットの差)が明確に表れるようにしたり、土地の景観にマッチしたホールを造ったりしていきます」

「プレーしていると分かりにくいですが、演出という観点でホールを見てみると非常に細かい部分までよくできていることに気が付くでしょう。ですから、ゴルファー側もコースレイアウトを意識することによって、そのホールの面白さ、また『このホールは横風が吹きやすい』などコースマネジメントを向上させることができます」

 パー3、パー4、パー5の比率はOUTコースとINコースで同じになっていることが多いですが、どうしても地形的な制約が多い場合は「パー5がOUTコースでは3つあるのに対し、INコースには1つしかない」といったこともあるほか、規定打数の合計が通常の「72」ではなく「71」に設定しているところも存在します。

18ホールで一つの物語を描いている!?

 ゴルフが世界各地に普及してトーナメントの数が増えたことから、ゴルフコースは18ホール、パー72のスタイルが定着しています。しかし「18ホールで必ずパー72にしなければならない」というルールはないので、昔は8ホールや20ホールなど形態は今よりも多種多様でした。

 最近ではクラブの性能が向上し、ボールを遠くへ飛ばせるようになったので、パー5に相当する距離を持っているホールをパー4に設定し、規定打数の合計を「71」や「70」に設定した試合も開催されています。

 では、ゴルフ場の設計者はどのようなことを考えながらコースを作っていくのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。

「コース設計家は土地の特徴を勘案しながらプランニングを行い、およそ半年から1年をかけてゴルフ場全体のデザインを考えていきます。その際、1番ホールは気持ちよくスタートできるよう比較的難易度を低くしたり、プレーを進めるにつれて段々とバンカーなどのトラップを多くしたり、プレーヤー目線でも思案。14番ホールあたりから18番ホールにかけては『クライマックス』として特に印象的にすることで、1番から18番までで一つの物語を描くようなコースレイアウトがなされています」

 ストーリー性を持たせるのと同時に日差しの向きなども考慮され、1番ホールは東向き、18番ホールは西向きを避けることで朝日や夕陽が逆光となってボールの行方が分からなくなるのを防いでいます。戦略性に富むだけでなく、ゴルファーへの気配りも織り交ぜられるコース設計者は、特に優秀だといわれるようです。

 ところが、全てのゴルフ場がゴルファーに対して優しい作りをしているとは言い切れません。例えば、JGTOの最終戦が行われる東京よみうりカントリークラブの18番ホールは西を向いているため、夕方には西日を浴びながら打たなければならず、多くの選手たちを悩ませる「鬼門」的な存在として有名です。ただこの18番、もともとは18番ではなく、クラブハウスの位置が変更されたことや、トーナメントを開催したことなどで、18番として使われるようになったそうです。

 ゴルフ場は、ただ単純に切り開かれた場所にホールを配置するのではなく、プレーヤーの技術的側面を最大限に引き出し、時には心理的な部分にも問いかけるように造られています。言うなれば、コース設計者からの「挑戦状」と解釈することもできるかもしれません。

【写真】ゴルファーなら一度はプレーするべき!? 名匠・井上誠一設計のゴルフ場3選

画像ギャラリー

黒松の枝が自然のハザードとなっている難度の高いバンカーが特徴的な大洗GC 写真提供:加賀屋ゴルフ
グリーンサイドにバンカーが待ち受ける大洗GCの10番パー5  写真提供:加賀屋ゴルフ
コースサイドには風情ある小川が流れる日光CC 写真提供:加賀屋ゴルフ
リゾート感があり、絵になるホールが多いのも日光CCの素晴らしいところ 写真提供:加賀屋ゴルフ
龍ヶ崎CCで最も美しいと言われる12番パー3 写真提供:加賀屋ゴルフ
開放的なコースレイアウトだがいずれも戦略性に富み、同じようなホールはひとつもない龍ケ崎CC 写真提供:加賀屋ゴルフ
正面に太平洋を臨む大洗GCの16番パー3 写真提供:加賀屋ゴルフ
高いスキルが求められる龍ヶ崎CCの10番パー4 写真提供:加賀屋ゴルフ
コースレイアウトもゴルフの楽しみの一つ

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