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- 寒暖差が激しい季節…気温によって飛距離ってどのくらい変わるの?
春の陽気の日があったかと思えば、スタート時間は凍えるような寒さの日もあるこの季節。寒暖差が激しいと飛距離にどれほど影響するものなのでしょうか。
冬にボールが飛ばないのは物理的要因と身体的要因がある
寒暖差が激しいこの季節、寒い日はボールが飛ばないと感じるゴルファーは多いはずです。なんとなく季節や気温が影響していると知ってはいるものの、具体的にどのくらい影響があるのか分からず、「実はスイングが崩れているのではないか」と不安になる人もいるかもしれません。
現役のシニアツアー選手でゴルフスクールも経営している梶川武志プロは、「飛距離が落ちるのはスイングが悪いからではなく、気温の影響で物理的にボールが飛ばない状態になっているからです」と話します。
「気温が低いと物理的にボールそのものの温度が下がる、そして空気の密度が上がって抵抗力が増える、という2つの現象が生まれます。この両方の要因でボールの飛距離は必然的に落ちます。ボールの温度が25度から5度程度に下がると、ドライバーのボール初速が1~1.5m/sくらい落ちるというデータがあります。この初速の減少だけで数ヤード(ボール初速×4が飛距離といわれているので4~6ヤード)は飛距離は落ちてしまいます」
「さらに、気温が低くなるほど空気の密度が高くなってくるので、空中でのボールへの抵抗が増えてきます。4度の温度変化で1ヤードの変化があると聞いているので、20度の温度変化で5ヤードの違いが生まれます。つまり、両方を合せると気温の変化で10ヤード近くは飛距離が落ちてしまう可能性があります」
シニアプロは気温3度の日で15~20ヤード飛距離が落ちた
さらに身体的な要因も関係していると梶川プロは語ります。
「寒い日はゴルフウエアも厚手のものを着込むので体の動きが悪くなります。すると、着込んでいるウエアの影響でトップの位置が浅くなり飛距離が落ちてしまいます。最近は薄くても暖かい素材のウエアが多く販売されているので、あまり着こまないように注意をしています」
「カートで移動をするときは必ず保温用の手袋を着用するようにしています。ショットのときに、手先が冷えているとしっかりとグリップができなくなり、コントロールが難しくなるばかりではなく、飛距離にも影響があるからです」
「また、寒い日は体が固まりやすくなるので体の回転が不十分になります。ショットの前にティーイングエリアで待っている時などは、小刻みに体を動かすようにしています。ショット時はルーティンがあるので素振りを多くすることはしませんが、体を常に温めておくようにすることは大切です」
実際に梶川プロにラウンドをしてもらいどの程度の影響があるのか実証してもらいました。
当日の気温は3度で天候は曇りなので、かなり寒い状況です。そしてGCクワッドという測定器を使用して正確な数値を測りました。
梶川プロのドライバーのヘッドスピードは通常47m/s強なのですが、この日は45m/sで2m/s程度落ちています。これは寒さによる体の固さからヘッドスピードが落ちているのです。
加えて寒さによるボール温度の影響によりドライバーショットのボール初速は通常の66m/sから63.6m/sに落ちてしまいました。そして、寒さによって空気抵抗が大きくなっているため、全体では15~20ヤード程度、飛距離が落ちました。
また、ユーティリティーを使ったショットは、GCクワッドで計測したキャリー(打った地点からボールが落ちた地点までの飛距離)は188ヤードなのですが、実際は180ヤードで8ヤードも飛距離がダウンしましたし、ショートアイアンでも4~5ヤード程度飛距離が落ちるという結果になりました。
寒い日のゴルフではあきらかに飛距離が落ちるので、飛距離が出ない前提でコースの攻略をしてスコアをまとめるようにしましょう。
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