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- 変化するゴルフ場の接客 ボールではなく「グリーンフォーク拭きましょうか?」に隠された真意とは?
キャディーつきプレーを選択すると、ボールだけではなく「グリーンフォークをお拭きしましょうか?」と声をかけられることがあります。汚れたフォークをキレイにするためですが、実はそれ以外にも意味があるような気もしました。
「グリーンフォークをお拭きしましょうか?」と声をかけられた
筆者は自ら好んでキャディーつきプレーを選択することはありませんが、誘われたコンペがキャディーつきの場合があるので、年に数回キャディーつきでプレーします。その中で先日、あるゴルフ場のキャディーさんから印象深い声かけをされました。
スタートホールのパー4でティーショットを左の林に打ち込み、2打目でフェアウェイを戻し、3打目でグリーンに乗せたときのことです。
グリーンに上がってボールをマークしたところ、キャディーさんから「ボールをお拭きしましょうか?」と声をかけられたので「お願いします」とボールを渡しました。
拭いてもらったボールを受け取った後、ボールが着地した地点を探しに行き、グリーンフォークでピッチマークを直していました。ピッチマークとはボールがグリーンに落下したときにできるくぼみのことです。
するとキャディーさんが再び近寄ってきて「グリーンフォークをお拭きしましょうか?」と声をかけられたのです。筆者はゴルフを始めて20年以上経ちますが、そのように声をかけられたことがありませんでした。
“えっ!? グリーンフォークをお拭きしましょうかって、どういうこと?”と思い、とっさに「大丈夫です」と断りました。
次のホールでもピッチマークを直しているとキャディーさんが近づいてきて「グリーンフォークをお拭きしましょうか?」といってきたので、「ボクは今まで『グリーンフォークをお拭きしましょうか?』といわれたことがなかったのですが、どうしてグリーンフォークを拭くのですか?」と聞き返しました。
すると「ピッチマークを直すとグリーンフォークに土や砂がつくので、そのままポケットに入れるとポケットの中が汚れてしまいます。だから『グリーンフォークをお拭きしましょうか?』とお声かけします」という答えが返ってきました。
“なるほど!”と思いましたが、こちらは普段セルフプレーがほとんどですから、グリーンフォークを拭くことなんてありません。無造作にポケットに放り込んでいます。
そして後半のラウンドが終了した時点で、ポケットの中のグリーンフォークやティーペッグを片づけるとき、ポケットをひっくり返して土や砂や芝草のカスを取り除きます。
今回もそれでまったく問題ないと感じたので、「ボクはグリーンフォークの汚れは気にしないので、ボールだけ拭いてもらえれば大丈夫です」と伝えました。
ピッチマーク修復のお礼を伝えるのも目的の一つかもしれない
したがって3ホール目以降は「グリーンフォークをお拭きしましょうか?」という声かけはなくなったのですが、この声かけには深い意味が込められている気がして、ゴルフ場サイドの意図を探りながらラウンドしていました。
筆者が今まで「グリーンフォークをお拭きしましょうか?」というセリフを聞いたことがなかったのは、キャディーつきプレーのゴルフ場はキャディーさんがグリーンフォークを持ち歩き、ピッチマークを直しまくっていることが多かったからです。
グリーンのコンディションはコースの評価を左右する大事な要素ですが、残念ながら昨今はピッチマークを直さない(直し方が分からない)ゴルファーが増えています。
キャディーさんが直さないとピッチマークが減らないので、1ホールにつき10個くらいずつ直している印象がありました。
ところが、このゴルフ場はキャディーさんがピッチマークを直している姿を一度も見かけませんでした。目土やバンカーならしはキャディーさんがしてくれましたから、ピッチマークを直さないのは意図的だと思います。
つまり、このゴルフ場は「ピッチマークを直すのはプレーヤーの役割です」というスタンスで営業を行なっています。
そのうえで、ピッチマークを直してくれたプレーヤーに対して「ピッチマーク修復にご協力いただき、ありがとうございます」という感謝の意を伝えるために、「グリーンフォークをお拭きしましょうか?」と声かけをするようにしたのでしょう。
昨今のゴルフ場業界は人手不足が常態化しており、紋切り型の接客が目立ちますが、このゴルフ場のようにキャディーがやるべきこととプレーヤーがやるべきことをしっかり吟味し、自分たちで考えて行動する姿勢は好感が持てました。
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