「ゴルフをつなげる30人」ってなんだ? ゴルフ業界内外の識者が語り合うイベントに参加してみた!

2023年11月にプレイベントとしてスタートした「ゴルフをつなげる30人」という取り組み。先日、第1期最終発表会が行われたので参加してきました。

ゴルフ業界の課題を語り合い、解決につなげる取り組み

「3月21日に『ゴルフをつなげる30人』第1期最終発表会がありますので取材に来ませんか」という誘いがあり、取材に行ってきました。

 事前に資料を送ってもらったところ、「ゴルフをつなげる30人」という取り組みは2023年11月にプレイベントが実施され、2024年1月にスタートしていました。

 ゴルフ業界内外で活動している多種多様なステークホルダー(事業社、協会、団体、個人、外部)が30人集まってゴルフ業界の課題を語り合い、課題解決につなげる取り組みのようです。すでに3回の対話が行なわれており、3月21日が最終発表会という位置づけになっていました。

「ゴルフをつなげる30人」第1期最終発表会の参加者 写真:佐々木つぐみ
「ゴルフをつなげる30人」第1期最終発表会の参加者 写真:佐々木つぐみ

 30人が集まって課題解決に向けて対話するという手法は元々、地域をつなげる30人という取り組みで実施されており、2016年に東京都渋谷区で始まりました。

 この手法が全国のまちの課題解決にも活用できるのではないかということで日本各地に広まっていきました。2022年には一般社団法人つなげる30人が設立されています。

 今回は「渋谷をつなげる30人」に参加したゴルフ関係者が、地域ではなくゴルフを軸に30人が集まって対話したらどのような議論になるのだろうと興味を示し、「ゴルフをつなげる30人実行委員会」を立ち上げました。そして26社30名の参加者を集め、「ゴルフをつなげる30人」第1期を企画しました。

 後援は公益財団法人日本ゴルフ協会。参加者の中には元SKE48の山内鈴蘭さんや、プロキャディーでゴルフ解説者としても活躍している杉澤伸章さんらが名を連ねており、企画の本気度がうかがえます。

日本のゴルフが大きく変わるきっかけになってほしい

「ゴルフをつなげる30人」第1期は30人が3つのチームに分かれて対話を積み重ねており、チームごとに発表が行なわれました。

 チーム名は「新しいゴルフのリーダーズ」「wkwk48(ワクワクフォーティーエイト)」「GaaS(golf as a solution)」の3チーム。チーム名自体にも参加者の思いが込められているようです。

「新しいゴルフのリーダーズ」は、「ゴルフがもっと気軽にできる世界を目指し、新しいゴルフの価値を創造する個の集合体」と自らのチームを紹介。

チームごとの発表を聞く参加者 写真:佐々木つぐみ
チームごとの発表を聞く参加者 写真:佐々木つぐみ

 興味を持っているのにゴルフをしない若者がたくさんいるので、ゴルフ場の18ホールを使っていろんなイベントを行ない、やったことがない人でも楽しめる企画を実行に移したいと語りました。

「wkwk48」は「ゴルフをやる中で仲間を見つけていきたい」メンバーと「自分たちがワクワクしている内容をみんなにもっと広めていきたい」メンバーが合体したチームと紹介。

 ビギナーでもすぐにゴルフが始められて楽しめる環境作り、ゴルフを楽しんでいる人が周りを巻き込める状況作り、ゴルフを楽しんでいる人がやめない仕組み作りが必要だと訴えました。

「GaaS」はゴルフを取り巻く環境を俯瞰(ふかん)で見渡し、「ゴルフの課題を解決する」のではなく、世の中の社会課題を「ゴルフで」解決することに着目しました。

 たとえば地域経済弱体化の問題も、ゴルフ場を起点にして地域にリーダーが生まれると、そこにコミュニティーが生まれ、文化が生まれ、地域活性化につなげることができるのではないかと提案しました。

 これらの発表を講評する役割を担っていたのが、日本ゴルフ協会専務理事の山中博史さん、森ビルゴルフリゾート取締役の林祐樹さん、矢野経済研究所フェローの三石茂樹さんの3人でした。

 山中さんはゴルフ業界の課題として「いろんな人たちがいろんなことをやってくれているんだけど、それを集約できていないのが一つの問題」と指摘。「ゴルフをつなげる30人」の取り組みが新たな第一歩となることを期待しました。

 個人的な印象として、このような民間の取り組みに日本ゴルフ協会が後援し、協会スタッフ2名が「ゴルフをつなげる30人」第1期メンバーとして参加していることが非常に画期的でした。

 失礼な言い方をすれば、以前の日本ゴルフ協会は「ゴルフは特権階級のスポーツ」だということを自ら宣言しているような組織でした。1924年の創設に関わった名門ゴルフ場の理事長や理事が役員を務め、一般ゴルファーを見下すような雰囲気さえありました。

 それが10年ほど前から本来の目的である「ゴルフ界の健全な発展と普及」を図る活動に真摯に取り組むようになりました。

 日本ゴルフ協会とゴルフに携わるさまざまな人たちが足並みをそろえてゴルフ業界の課題を本気で解決したいという思いを抱き、アクションを起こせば、新しい取り組みが次々と生まれるかもしれません。

「ゴルフをつなげる30人」第1期メンバーの今後のアクションに注目するとともに、第2期、第3期と継続的な取り組みになってほしいと感じました。

【画像】第1期メンバーとしてイベントに参加した山内鈴蘭 実際の投稿

この記事の画像一覧へ(2枚)

画像ギャラリー

「ゴルフをつなげる30人」第1期最終発表会の参加者 写真:佐々木つぐみ
チームごとの発表を聞く参加者 写真:佐々木つぐみ
1 2

最新記事