「苦手な距離を残さない」と「得意な距離を残す」は同じ? 全然違う? ゴルフで重要なメンタルコントロール術

「苦手な距離を残すな」とアドバイスを受けることがありますが、具体的にはどういう意味なのでしょうか。

「苦手な距離がある」は「得意な距離がある」に置き換えよう

 プロはレイアップをする時、「次に攻めやすいところに落とす」「自分が得意とする距離を残す」などを基準にして、ボールの落とし場所を決めています。

苦手→得意に「考え方」を変えてみる 写真:PIXTA
苦手→得意に「考え方」を変えてみる 写真:PIXTA

 現役のシニアツアープロで、ゴルフスクールを経営している梶川武志氏も「自身のシニアの試合では、このような発想でコースマネジメントをしている」と話します。「苦手な距離を残すな」というアドバイスについては、次のように述べています。

「『得意な距離を残す』というのは理解できますが、『苦手な距離を残さない』というのは少し違うと思います」

「たとえば『7番アイアンは得意だが、9番やピッチングは苦手』という人はあまりいないでしょう。したがって9番やピッチングの距離ではなく、7番アイアンの距離を残すという発想もないはずです。対して、アプローチなどではハーフショットは苦手で、フルショットの方がコントロールしやすいという人は一定数います」

「ウェッジのフルショットで100ヤードの飛距離を持っている人が、ハーフショットになる50ヤード程度を避けて、あえて100ヤードを残すという選択肢をとることはあります」

「もちろん、100ヤードより50ヤードの方がグリーンに近いので乗せやすいのは間違いありません。しかし50ヤード地点が深いラフなどのハーフショットだと、ミスをしやすい状況の時などに、あえて得意なショットができる状況を作ります。『得意な距離を残して次のショットを楽にする』という発想です」

ゴルフは「ミスを繰り返すスポーツ」だからこそ「考え方」がカギ

「苦手な距離を残さない」と「得意な距離を残す」は同じ解釈のように感じますが、具体的にはどのように違うのでしょうか。梶川氏によると「コースマネジメントの姿勢とメンタルのコントロールに関わってくる重要な違いがある」そうです。

「私は『得意な距離を残す』というポジティブな考え方はとても大切だと考えていて、『苦手な距離を残さない』というネガティブな発想はしないようにしています」

「ゴルフは、ポジティブな考え方をする方がミスが減るからです。ティーショットで『OB方向に打たない』という発想と『安全地帯に打つ』と考えるのとでは、メンタルのコントロールで大きな違いが出てきます」

『OB方向に打たない』という思考ではOBを意識してしまいますが、『安全地帯に打つ』とだけ考えてショットすると、打つ瞬間は目標方向だけを見ているので、OBのことは意識しなくなります」

「もしもミスショットをしてOBに入れてしまっても『OB方向に打たない』と考えていた場合は『注意していたのにどうして?』とがっかりしますが、『安全地帯に打つ』としていた時は『狙った方向に打てなかった』とあきらめがつきます」

 ゴルフは「ミスを繰り返すスポーツ」ともいわれており、ゴルフで生まれるミスの多くはメンタルから生まれてきます。「〜しない」から「〜する」と発想を変えるだけでも、上達しやすくなるかもしれません。苦手を避けるようにするよりも、得意な部分を意識するようにしてみてはいかがでしょうか。

【写真解説】難しいけど上達する! プロもやってる「片手打ち」練習の正しいやり方

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右手打ちは、手首と右肩とヘッドの大きな三角形をイメージ。この形を崩さないようにスイングすると、手首の角度をキープできる
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左手打ちは、左肩支点ではなく左手首支点で振る。ヘッドの重さを利用しながら手首を返し、スイング中にヘッドが手首を追い越す瞬間を作るとヘッドを走らせることができる
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左手打ちは、左肩支点ではなく左手首支点で振る。ヘッドの重さを利用しながら手首を返し、スイング中にヘッドが手首を追い越す瞬間を作るとヘッドを走らせることができる
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右手にはクラブ軌道をコントロールする役割、左手にはクラブを引っ張る役割がある。スイングを安定させるには、それぞれの腕を正しく使うことが重要
左手はリードアームといわれ、クラブを引っ張る役割がある。ダウンスイングからフォローにかけて、左手首を支点にしてヘッドの運動量を上げる
苦手→得意に「考え方」を変えてみる 写真:PIXTA

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