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- 「コーライ」「ベント」「バミューダ」… ゴルファーにとって一番難しいグリーンって一体どれなの?
日本では主に「コーライ」「ベント」「バミューダ」の3種類の芝がグリーンに使用されていますが、この中で最も難しいのはどれなのでしょうか。
難しく「設定」しやすいのはベント
日本のゴルフ場のグリーンに使われる芝は、長らく「暖地型」に分類されるコーライ芝がメインでした。ところがここ数十年の間で、滑らかな転がりが楽しめる「寒地型」のベント芝がスタンダードとなっています。

また近年の酷暑に耐えられる芝として、本来は九州以南のゴルフ場で使用されてきたバミューダ芝を採用するコースも、関東でも少しずつ増加傾向にあります。
そのため国内のゴルフ場には「コーライ」「ベント」「バミューダ」の大きく3種類の芝のグリーンが存在することになりますが、この中で一番難しいのはどれなのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。
「コースセッティングの観点から見ればコーライやベント、バミューダといった種類に関係なく、ボールの置かれた状況に応じてそれぞれ難しいと感じる点はあると思います」
「まず、コーライ芝に関しては葉が大きく芝目も強いため、逆目の場合はボールが転がった時に芝から受ける抵抗が非常に大きくなります。ラインに対して横方向に伸びている場合もしっかり読み切らないと、想定していたラインから外れてカップインを惜しいところで逃してしまいます」
「最近はベント芝のグリーンが主流となっていますが、ベントに慣れている人がコーライのグリーンに同じやり方でチャレンジしようとすると、カップの直前で急に失速したり曲がったりして、かなり苦戦を強いられるでしょう」
「一方でベント芝は葉が小さくてボールが受ける抵抗も少ないので、思った通りのラインに沿って転がってくれるため、多くのゴルファーに人気があります。しかし、刈り込み次第ではトーナメント仕様にまでスティンプ(速さ)やコンパクション(地面の硬さ)のレベルを上げることができるため、そうなるとビギナーなどスキルが高くない人にとっては、速すぎて難しいと感じるはずです」
「近年になって増えてきているバミューダ芝は、葉が大きくて芝目が強いにもかかわらずスピードや硬さもそれなりに高いことから『コーライとベントの両方の特徴を持っている』といえます。さらに『下り傾斜と順目』ではベント並みに速いのに対し『上り傾斜と逆目』だと、同じ芝種とは思えないほどボールの転がりが重くなるのも特筆すべきポイントです」
そして、飯島氏は「管理の視点から見て一番難しくできるのは、葉先がアップライトで密集度も高く、スティンプやコンパクションも自由に調節しやすいベント芝、とりわけ『777(トリプルセブン)』をはじめとした『第5世代』と呼ばれるクラスの芝である」と話します。
ゴルファー的には「コーライ」が最難関?
では、ゴルファーの立場から見て最も難しいと感じるグリーンは、どの種類の芝を使ったものなのでしょうか。レッスンプロの山本昌夫氏は以下のように話します。
「一般的なゴルフ場であれば、芝目が強くて抵抗も大きいコーライ芝の方が難易度は高いと思います。今では日本のゴルフ場の多くがベント芝になっているので、アマチュアはもちろん、プロでも経験が少ない人には攻略しにくい芝だといえます」
「個人的にコースレッスンはコーライグリーンの割合が高い河川敷のゴルフ場をよく利用しますが、プライベートにおいてはコーライグリーンのコースに行く予定がないのなら、わざわざコーライ芝への耐性を持とうと練習する必要はないでしょう」
ちなみに、難しいバンカーが多いことで知られる山梨県の河口湖カントリークラブは、グリーンも難しいといわれています。富士山の稜線の途中にコースが作られている関係で、ほぼ全てのグリーンが「受けグリーン」となっているだけでなく、下りパットは順目となるため、「ベント芝なのに芝目を考えなければならない」のが背景にあるそうです。
グリーンは芝の種類はもちろん、ゴルフ場の置かれた環境によって違い、さらに同じグリーンでも日によって状態がどんどん変わります。「最も難しいグリーン」は、ゴルファーによって変わるものなのかもしれません。
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