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- 「飛び系アイアン」は確かに魅力的だけど… 基本がまだまだなビギナーの頃から使ってもその後の上達に影響はない?
アイアンの中には「飛び系アイアン」と呼ばれる飛距離性能に優れたものが存在します。では、ショットがまだまだ定まらないビギナーは「飛び系アイアン」と「通常のアイアン」のどちらを使うべきなのでしょうか。
ビギナーは最初から飛び系に頼らないほうが上達する
残りの距離に応じて番手を使い分けるアイアンには、操作性やミスへの許容度が異なる「マッスルバック」「キャビティ」「ポケットキャビティ」など、いくつかの種類があります。
また、中には「飛び系アイアン」と呼ばれるタイプのものがあり、通常のアイアンと比べて飛距離性能に優れていることから、「あまり飛ばせない……」と悩んでいるビギナーの中には興味がある人もいるかもしれません。
では、ビギナーは飛び系のアイアンと通常のアイアンのどちらを使うといいのでしょうか。レッスンプロの山本昌夫氏は以下のように話します。
「『飛び系のアイアン』を使うか『普通のアイアン』を使うか、最終的な判断は実際にプレーするゴルファーの一人一人が『自分のゴルフスタイルにはどちらが合うのか』を考えたうえで選ぶべきです」
「ただし、個人的には『本腰を入れてうまくなりたいのなら通常のアイアン』、対して『エンジョイゴルファーで、たしなむ程度にゴルフをしたいのなら飛び系アイアン』というふうに分けたほうがいいのではと考えます」
山本氏は「飛び系アイアン」の特徴にも触れつつ、次のように話を続けます。
「飛び系アイアンはソールが厚くロフトが立っているぶん、ボールを遠くまで飛ばすことができます。また、芯のエリアが広く取られていてミスショットにも強いため、一見するとビギナーに向いているクラブに感じられるかもしれません」
「しかし、何か特別なことをしなくても飛んでくれるので、自然と腕や腰の回転力が低下し、手や手首だけで打とうとする、いわゆる『手打ち』になりやすいデメリットがあるでしょう」
「スイングの基礎的な形をまずは身につけなければならないビギナーにおいて、最初から飛距離を大幅にアシストしてくれるクラブに依存していると、『体で打つ』ということを覚えにくくなってしまう可能性がある点は注意すべきです」
飛び系アイアンは通常のアイアンと比較すると、ロフトが2番手ほど立てて作られていて、例えば一般的な7番アイアンのロフト角が32度だとすれば、飛び系の7番は25度になっているのです。
そのため、飛距離も2番手ぶん遠くへ飛ばすことができ、通常の7番アイアンで150ヤードほどの人の場合、飛び系であれば170ヤード近くまで伸びるでしょう。
一方でバックスピンをかけるのが非常に難しく、グリーンオンしてもボールがなかなか止まってくれなかったり、芯の範囲が広い代償でヘッドが大きく、操作性や打感にあまり期待ができなかったりする点も、飛び系アイアンの注意点として挙げられます。
「ビギナーの頃はどうせスピンもかけられないから飛び系でもよいのでは?」と考える人もいるはずですが、スイングの基本を習得しつつテクニックを向上させていきたいのであれば、最初から飛び系を使うのは一旦立ち止まったほうがいいのかもしれません。
飛び系アイアンは「払い打ち」がクセになっているような人に向いてる?
では、飛び系アイアンはどのような人にオススメのクラブだと言えるのでしょうか。
まず、シニアの方でも「まだまだアイアンで飛ばしたい!」と考えている人は、飛び系のほうがオススメです。成人男性の場合、どのクラブにおいても10歳年を取るごとに飛距離が10ヤード程度ずつ低下していくと言われています。
例えば、20代の頃に7番アイアンで150ヤード飛ばせた人でも、70代になると100ヤード近くまで飛距離が落ちてしまうので、年齢を重ねてもスコアとともに飛距離を追い求めたいのであれば、飛び系を選択肢に入れてもいいでしょう。
そのほかにも、ほうきで床を掃くように打つ「払い打ち」をしがちな人にも向いています。基本的に払い打ちは、ドライバーやフェアウェイウッドなどのヘッドが大きめのクラブを使う際に適した打ち方とされていますが、飛び系アイアンは普通のアイアンよりヘッドが大きく作られているので、よりイメージに近いショットができるようになるはずです。
中には「飛び系アイアンは邪道」と考える人もいるかもしれませんが、ゴルファーそれぞれが目指しているビジョンによっては非常に便利なクラブにもなり得るでしょう。自分のプレースタイルとマッチするのであれば、飛び系アイアンはラウンド中の心強い味方となってくれそうです。
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