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- 練習グリーンと本番グリーンの速さが全然違う気が… なぜ「スピードの違い」が起こってしまうの?
ラウンド前に、練習グリーンでパッティングの最終調整をする人は多いはずです。しかし、いざコースに出てみるとボールの速さや転がり方が違うと感じたことがあるかもしれません。
練習グリーンはコース内のグリーンより軽視されている?
パットの良し悪しはスコアに大きくかかわるため、ラウンド前に練習グリーンでパットの調整をする人も多いはずです。ところが、いざコースを回っていると「練習グリーンとコース内のグリーンでは速さや転がり方が違う」と感じたことはないでしょうか。
練習グリーンとコース内のグリーンで、コンディションが違うことはあるのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「ごくまれにではありますが、練習用と本コースでグリーンの状態が異なる場合はあります。本来であればグリーンキーパーをはじめとするコース管理者の責務上、どちらのグリーンも分け隔てなく同じ品質に仕上げなければならないのですが……」
「多くのゴルファーは、ラウンド前やハーフターンで一度上がってきた際に練習グリーンに立ち寄り、パッティングのストロークやフィーリングを確認。ボールの転がるスピードや、コンパクションなどをチェックしたいはずです」
「そのため、コースに出てみたら全くコンディションが違っていたというのは、実際はあってはならないことだと思います」
「しかし練習グリーンは、本コースのグリーンより芝にかかる負荷が大きくなりがちなのも事実です。練習グリーンは時間を空けずに何人もの体重がかかることで傷みやすく、本コースと同じ品質を維持するのが難しいという側面があります」
「とはいえ、ゴルフ場は『一人でも多くのゴルファーにリピーターになってもらえるよう、常に良質な芝を場所に関係なく提供する』ことが最優先です。このような違いは、可能な限りなくしていくことがベストでしょう」
飯島氏によると練習グリーンのコンディションが下がりがちな背景には、「グリーンの数の捉え方」に問題がある可能性が高いようです。
コース内に設置されているグリーンが18面、練習グリーンがアウトスタート向けとインスタート向けにそれぞれ1面ずつ、合計で20面設けられているゴルフ場があるとします。これらのグリーンは「ひとまとまりで20面」と捉えることもできますが、「18面+2面」と捉えることもできます。
前者のような考え方なら、諸々のメンテナンスを「一気に同じようにやろう」という気持ちが芽生えやすいでしょう。後者では、「練習グリーンはついでにやっておこう」という気持ちになってしまうかもしれません。
突き詰めていくと、コース管理者の頭の中にある「仕事の方針や向き合い方」が、グリーンの状態に現れているともいえます。
グリーン以外にもある! 練習用とコース用の大きな違い
さらに、飯島氏は「グリーン以外の面で見ても、練習用と本コース用とで環境が異なるゴルフ場も多い」と話します。
「アゴが深く突き出しているバンカーのことを、日本では設計者の名前を取って『アリソンバンカー』と呼びます。難易度が高めのコースに設置されていることが多いです」
「しかし、なかにはコース内にアリソンバンカーがないにもかかわらず、練習エリアだけに設けているゴルフ場も存在します」
「いわゆる『プラクティスゾーン』と呼ばれる練習エリアは『コースの縮尺模型』として、実際のコースの一部を切り取った姿であるべきだと思います。私自身、『ゴルフ場の経営コンサルティング』という仕事をするなかで、プラクティスゾーンのあるべき姿について何度も指導してきましたし、今も現在進行形で続けています」
「練習用と本コースでグリーンの状態が異なるゴルフ場は良くない」と一概にはいえませんが、よりスムーズに違和感なくラウンドを楽しめるのは、二つの状態をそろえているゴルフ場のほうかもしれません。
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