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- 技量よりも“見栄”が優先される!? 呼称を変えても結局「ホワイト(レギュラー)ティー」を選択してる人が多いワケ
ティー位置の名称で「シニア」や「レディース」という単語を使わなくなってきています。ですが、それによって多くのゴルファーが自分の技量に合った位置を選択するようになったのでしょうか。
呼称を変更しても選ぶティー位置は変わらない
大手ゴルフ場運営会社のアコーディア・ゴルフからプレスリリースが届きました。リリースのタイトルは「ゴルフの固定概念を変える『Tee IT Forward』を全ゴルフ場で推奨」です。
「Tee IT Forward」とは誰もがプレーしやすいゴルフ場を目指し、ドライバーの飛距離や個々の技量に合わせて好みのティーイングエリアを選べるように、距離が異なる4種類のティーマークを設置する施策でした。
具体的にはドライバーの飛距離の目安が280ヤード前後のブルーティー、240ヤード前後のホワイトティー、200ヤード前後のグリーンティー、160ヤード前後のレッドティーを設置することで、年齢や性別に関係なく気軽にゴルフを楽しんでほしいそうです。
近年はレギュラーティー、シニアティー、レディースティーという呼称を廃止し、ティーマークの色を呼称にするゴルフ場が多くなりました。レギュラーティーと呼称すると、それ以外のティーがイレギュラーな印象を与えてしまいますし、シニアティーと呼称すると「何歳からシニアなんだ」という議論が必ず巻き起こります。レディースティーという呼称は女性以外のゴルファーが使いづらい雰囲気がありました。
呼称を変えることでイメージが変わりますし、ティーイングエリアの選択肢が増えるのもすごくいいことです。従来はレディースティーといっても女性にまったく優しくないゴルフ場もありました。ドライバーの飛距離の目安が160ヤード前後のレッドティーと設定することによって、160ヤード地点から2オンが狙えるパー4、3オンが狙えるパー5という適切なセッティングになり、本来のゴルフの楽しさが味わえるようになります。
ホワイトティーが長すぎるコースがある
一方で、ゴルファーが実際にどのティーからプレーしているか観察していると、女性はレッドティーでプレーされる方が多いですが、男性はドライバーの飛距離が200ヤード前後でもほぼ全員がホワイトティーでプレーしています。
筆者の周りには70代の男性ゴルファーも多く、「60代のときと比べてドライバーが飛ばなくなった」と嘆いていますが、それでもみなさんホワイトティーからプレーされます。その理由を訊いてみたところ、次のような答えが返ってきました。
「ホワイトティーだとパー4で2オンが狙えないホールもあるけど、3オン1パットのパーは狙えるし、ドライバーで若い人に置いていかれても、上がってみたらこっちの勝ちというのがジジイになってからのゴルフの醍醐味なのよ。そのためには若い連中と同じティーでプレーしないと真っ当な勝負にならないじゃない」
70代のゴルファーがそういう発想なのであれば、ホワイトティー自体をもう少し短くする必要があるのではないかと個人的には感じています。
先日ラウンドしたコースはホワイトティーの全長が6479ヤードで、パー4の最長ホールが430ヤードでした。430ヤードもあると、ドライバーが240ヤード飛んでも190ヤード残ります。しかもグリーンを狙うショットは池越えで、キャリーで180ヤード打たないとグリーン手前の傾斜に当たって池に転がり落ちてしまいます。一緒に回った4人ともドライバーが会心の当たりではなく、全員が2オンを諦めました。
パー5の最長ホールも580ヤードだったので、ドライバーが240ヤード飛んでも残り340ヤード。2打目のフェアウェイウッドが200~220ヤード飛んでも、まだ120~140ヤード残ります。このホールもパーオンした人は1人もいませんでした。そもそもアマチュアのパーオン率なんてたかが知れているので、ナイスショットが2~3回続かないとパーオンしないホールは距離が長すぎると感じます。
ゴルフで1ラウンドを自分の年齢と同じか、それ以下のスコアでホールアウトすることをエージシュートといいます。一般社団法人日本エイジシュートチャレンジ協会の基準によると、エージシュートのプラチナ認定は男性6100ヤード以上、女性5000ヤード以上、ゴールド認定は男性5400ヤード以上、女性4500ヤード以上だそうです。
そういったことを考慮すると、ホワイトティーは6100~6200ヤード、グリーンティーは5400~5500ヤード、レッドティーは4500~4600ヤードくらいが適切ではないかと思います。大手ゴルフ場運営会社だけでなく、ゴルフ場業界全体で距離を統一するように取り組んでほしいところです。
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