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- ゴルフ場で“高級ホテル並み”は無理があった!? 靴磨きに懐石料理… 今では“絶滅寸前”のサービスには何がある?
コロナによって“第4次ゴルフブーム”が話題となりましたが、長期的な視点で見れば、ゴルフ場の経営はバブル経済の崩壊を機に低迷した状態が続いています。なかには、この30〜40年の間でゴルフ場から次第に姿を消していったサービスも多くあるそうです。
接待ゴルフならではのサービスはほぼ絶滅
コロナによって“第4次ゴルフブーム”が話題となり、若い世代などを中心に新規ゴルファーが増えました。しかし長期的な視点で見れば、ゴルフ場の経営はバブル経済の崩壊をきっかけに低迷した状態が続いています。なかにはこの30〜40年の間で、ゴルフ場から次第に姿を消していったサービスもあるそうです。

今となってはあまり見られなくなったゴルフ場のサービスには、どのようなものがあるのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「今から数十年前は接待ゴルフが今よりも盛んに行われていたので、足元から身なりを整えたり、接待を受ける人の気分が良くなるよう、靴磨きのサービスが多くのゴルフ場で実施されていました。しかし、現在ではごく一部のコースを除いてほとんど絶滅状態であり、残っているところでも“メンバー専用”など、対象者を限定しているのがほとんどでしょう」
「また、帰り際の“お見送り”もなかなか見られなくなった光景ではないでしょうか。とくに自動精算機が一般的となってからは、フロントのスタッフと対面で会計する機会が減り、視線を合わせながら『ありがとうございました』と言われることも少なくなってしまいました」
「かつては正社員として雇用されていたキャディーがコースに何十人といたため、一日一緒に回ったキャディーがわざわざクラブハウスの玄関まで来て見送ってくれることもありました。しかし、今ではキャディー自体の数も減ってきており、個人的には『寂しい雰囲気になったな』と感じています」
過去には接待ゴルフやコンペで団体が来場した際にパーティーが開催できるよう、懐石料理やフルコースを用意するゴルフ場もあったそうです。しかしレストランにも合理化のテコ入れが入っている昨今は、そういったゴルフ場は皆無に近いでしょう。
ほかにも、プラスチックや紙資源の使用を削減する一環で、グリーンフォークやボールマーカーの無料配布を廃止したり、スコアカードをなくすことはできないものの、電子化してカートナビやスマホなどに記録するといった動きも進んでいます。
ちなみにサービスではありませんが、規定を超える重量のキャディーバッグを持ち込んだ際や、雨が降った日には割増料金が適用されていました。乗用カートの普及前はキャディーがプレーヤーのバッグを担いでいて、重量割増の場合は1000〜3000円程度、雨天時は1ラウンドにつき1000円程度の追加料金をプレーヤーから徴収していましたが、バブル崩壊以降は廃止されるようになっていきました。
サービスの中には「なくすべき」ものも
一方で飯島氏は、「昔ながらのゴルフ場のサービスには、むしろなくしていった方がいいものもある」と話します。
「メンバーの同伴や紹介を受けたゲストなど、一部の来場者の中にはそのゴルフ場のドレスコードに適さない服装の人が来る可能性があります。そのためクラブハウスの玄関付近にレンタル用のジャケットを吊り下げていたコースも珍しくなく、今でもまれながら見かけることがあります」
「しかし、フロントで受付を済ませたら、すぐにロッカールームでウエアに着替えてしまうのが一般的です。移動する距離も数十メートルほどしかないのにカッチリとしたドレスコードを設定するのは、よく考えてみればおかしな話だと思うはずです」
「海外のゴルフ場は『エリアごと』にドレスコードのレベルを切り替えるのが常識で、待機場所として使われるような空間は“カジュアル”に、対してレストランでは“フォーマル”にと、柔軟な対応が取られています」
「日本の場合は『分かりやすさ』を優先した結果、全館でジャケット着用としている傾向が強いですが、かえって空間の雰囲気と服装が合っていないという事態を招いているのが現状でしょう」
これからは「若い世代にどれだけゴルフ場を魅力的に感じてもらえるか」がカギとなってきますが、ドレスコードに代表される堅苦しいイメージが払拭(ふっしょく)されないと、人気低迷につながる恐れもあります。
ゴルフ場のサービスは時代の変化を受けて「変わったもの」と「変わらないもの」に大別されますが、「変わらないもの」の中にも「今こそ変えるべきもの」が含まれているといえるでしょう。各地のゴルフ場がこの「変えるべきもの」を的確に判断し、柔軟に改善していけるかどうかが今後はカギになっていくといえそうです。
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