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- 「フェースを開く」ってどういう構えのこと? アマチュアの間では間違って伝わっている!?
「フェースを開く」という言葉を聞いたことがあると思います。具体的にどのような構えを指し、どんな効果があるのでしょうか。
「フェースを開いて打つ」とミスに対する保険にもなる
ショットをするとき、リーディングエッジ(フェースの歯の部分)は目標方向を示す線に対して垂直にするのが基本ですが、右利きの場合、それを時計回り、右方向に向けることを「フェースを開く」といいます。逆に反時計回り、左方向に向ければ、フェースを閉じることになります。

特にアプローチでは、フェースを開いて打つ or 閉じて打つ、というテクニックを頻繁に使います。その中で、フェースを開いて打つのは、具体的にどのような場合なのでしょうか。現役のシニアツアーゴルファーで、ゴルフスクールも経営している梶川武志プロは次のように語ります。
「私はアプローチショットの場合、いつも30度くらいフェースを開いて打っています。フェースを開くとロフトが寝るので、フェースにボールが乗っている時間が長くなり、スピンの量などのボールコントロールがやりやすくなるからです」
「そして、ピンがグリーンの奥にある場合は、ハンドファーストに構えて低めのボールを打ち出します。するとランが出やすくなるので、ピンに寄せやすくなります」
「逆にピンが手前にあって、ボールとピンの間にラフやバンカーなどがあるときは、シャフトを正面から見て地面と垂直にします。そしてボールをやや左足寄りにおいて、ハンドレート気味で打ちます。するとスピンの効いた高めのボールが打てます」
梶川プロはなぜ、アプローチでフェースを開いて打っているのでしょうか。理由は、ウェッジ独特の機能を生かしたいからだと語ります。
「ゴルフクラブにはバンス(バウンス)というソールの膨らんでいる部分があり、これによってリーディングエッジが地面に刺さりにくくなったり、潜りにくくなったりします。そしてフェースを開くと、よりバンスをうまく利用できるのでミスを軽減できます」
「特にアプローチでは、ミスをしたときの“保険”としてバンスを利用することを覚えれば、より安心してアプローチショットを打てるようになります」
「ゴルフでもアプローチでチャックリやザックリのミスは結構多いですし、プロでもやってしまいます。しかし、プロは保険としてバンスをうまく利用しているので、大きなミスにはなっていないのです」
間違った構え方をしないように注意
一方で梶川プロは「フェースを開くときに間違った構え方をしてしまうアマチュアが多い」と注意点を挙げています。
「間違った構えをしてしまう中で最も多いのは、通常のフェースの向きでグリップをしたままフェースを開いてしまうことです。すると手首まで回転してしまうので、正しいショットができません」
「アドレスで通常どおり構えたら、握りをゆるめてクラブのシャフトだけを回転させます。適切な角度にフェースが開いたら、その状態でクラブを握り直します。すると通常の握り方で、フェースだけが開いた状態になります」
梶川プロは試合では58度のウェッジを使っていますが、状況に応じて開く角度を微妙に変えているといいます。たとえば、フェアウェイ・ラフ・バンカーのどこから打つのか、ピンの位置はどこか(落としどころはどこか)、ボールのライはどうなっているかなどを総合的に判断しつつ、開く角度と打つ強さを調整しています。
アマチュアには、ここまでの微調整は難しいかもしれません。しかし、開く角度で飛距離がどう変わるのか、ボールの高さはどうなるのかを練習場で把握しておくと、本番のラウンドでフェースを開いたショットにトライしてみようという気持ちになるかもしれません。
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