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- クラブハウスはいつまで“男性基準”!? まだまだ少ないゴルフ場の「女性用ロッカー」 何人分あるのが普通なの?
女性ゴルファーを見かける機会は、最近になって非常に増えました。ゴルフ場を訪れたいと考えている女性は多いかもしれませんが、ゴルフ場のクラブハウスの中にある女性用ロッカーは、まだまだ男性用よりも狭く、不便を感じる女性ゴルファーも少なくないようです。
ゴルフ発祥の地、スコットランドでの古い慣習が原因
コロナによる「第4次ゴルフブーム」に留まらず、ゴルフアパレルの多様化やSNSを介したプロモーション効果なども相まって、女性ゴルファーを見かける機会は非常に増えました。

コースデビューを控えている人の中には、「ゴルフは楽しみだけれど男性が多いイメージだし、クラブハウスも女性にとって利用しやすい環境なのだろうか?」と考えている人もいるかもしれません。
実際、ゴルフ場の女性用ロッカーは男性用よりも狭いとよく言われていますが、どのくらい差があるものなのでしょうか。 ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「その昔、競技ゴルフ発祥の地であるスコットランドでは、今では考えられないことですが、“Women and dogs not allowed(女性と犬はお断り)”、要するに『ゴルフ場はあくまでも男性のための施設だから、プレーヤーに近い女性であっても入ってはならない』というルールがありました。そして、クラブハウスも女性が入場することを想定していなかったので、館内の設備も基本的には男性用のものしか用意されていなかったのです」
「日本でもかつては男尊女卑の思想が強く、やはりクラブハウスは“男性基準”で作られました。高度経済成長期やバブル経済をきっかけにゴルフ場の建設が相次いで競技自体も大衆化が進みましたが、それでも接待などビジネスでの利用が多かったため、女性がプレーしたりクラブハウスに入る余地はありませんでした」
「現在でも、ゴルフ場来場者の男女比率はおよそ8:2となっており、男性が大多数を占めています。そのため、女性ゴルファーがいくら増えたといっても、女性用ロッカーを男性用と同数程度まで用意しようとするコースは多くありません」
「より具体的にいうと、一般的なゴルフ場における1日の来場者数は『4人1組×50』で200人程度とされ、多くのコースでは不測の事態に備えてロッカーはプラス数十台程度、余分に設けられています。そして、男性用ロッカーが200台だとすると、女性用ロッカーは多くても40台程度にとどまります」
日本にゴルフが伝わった当初は“お金持ちのたしなみ”という認識だったゴルフが、現在ではれっきとした“スポーツ”として定着しています。とはいえ、スコットランドで取り入れられていた古い慣習の一部が、なぜか日本のゴルフ場で中途半端に残っているのです。
女性用ロッカーを増やす対策とは
では、ゴルフ場は「女性用ロッカーが少ない」という問題について、どのように対応しているのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「基本的には増築という形で、男性用ロッカーの数はそのままに、女性用ロッカーだけを増やす工事が実施されます。ただ、デザインや動線に『後付け感』が残ってしまうことも少なくありません。そこで、ゴルフ場によっては男性用のスペースを削って女性用に充てたり、可動式のパーテションを設けて、その日の需要に合わせて境目を調節できるようにしているところもあります」
「また、女性はメイク直しをする人が多いため、ロッカールームには“パウダールーム”としての機能も求められます。圧迫感がないように洗面台周りに余裕を持たせるなど、『さりげない気配り』も今後は重要になってくるでしょう」
近年では、女性用ロッカーのリニューアルを前面に押し出しているゴルフ場も増えています。しかし単に「周りが改修しているからウチもその流れに乗ろう」というだけではなく、利用する女性目線に立った設計やデザインにすることも必要です。全国のゴルフ場で、女性が快適に過ごせるような環境づくりに着手する動きが見られることを期待したいものです。
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