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- プロが使っているクラブと市販のクラブはどう違うの? 本当の“プロ仕様”はアベレージゴルファーでは使いこなせない!?
プロゴルファーはメーカーと契約を結んでクラブやボールなどさまざまな道具のサポートをしてもらいますが、「自分が持っているクラブと何が違うのだろう?」と思ったことがある人もいるかもしれません。
プロ仕様と市販モデルは、名前が同じでも中身は全くの別物
トーナメントに出場するプロゴルファーは、メーカーと契約を結んでクラブやボールなどさまざまな道具のサポートをしてもらいつつ、二人三脚で戦っています。

トーナメントを見ていて「ツアープロはどんなクラブを使っているのか」「デザインは市販品と見分けがつかないけど、自分が持っているクラブと何が違うのか」などの点が気になる人もいるかもしれません。
では、プロ仕様のクラブと市販モデルのクラブとでは、具体的にどのような部分が違うのでしょうか。レッスンプロ兼クラフトマンの関浩太郎氏は、以下のように話します。
「まず、プロゴルファーには『腰の回転や腕の返しが速くて、ボールがつかまり過ぎてしまう』という悩みを抱えている選手が多くいます」
「一般のゴルファーが到底再現できないほどヘッドスピードも速いので、シャフトに関してはそう簡単にフェースが内側へ閉じることがないように、さらにヘッドスピードの影響でシャフトが必要以上に上を向いてボールが高く上がり過ぎるのを防ぐためにも、非常に硬く、かつ重めに作られています」
「その反対に、アベレージゴルファーは『ボールがつかまらない』『高く上がらない』といったことで悩みがちですから、もしもプロ仕様のクラブを使ったらものすごくスライスしたり、全く飛距離が出なかったりするでしょう」
「また、市販モデルのヘッドは重心深度が深くてミスヒット時の寛容性を確保していますが、 プロ仕様はスピン量を抑えるために浅くしているケースも多くなっています」
「ほかにも、トーナメントプロは開発チームと手を組んで綿密なミーティングや調整を重ねて世界に1本だけの特別なクラブを作り出し、科学的な側面からも勝率を高める努力をしています」
基本的に、プロ仕様のクラブは市販モデルと名前が同じであるものも多いですが、中身は全く異なると言っても過言ではないのです。プロが満足のいくクラブを生み出せるよう培ってきた技術を応用して作られたものが、私たちが普段お世話になっている市販モデルのクラブといえます。
なかには「もともと契約しているプロからの要望で作られたが、のちに市販化されて広く普及した」というクラブも存在し、その代表的な例がアプローチウェッジ(AW)です。
かつて、ウェッジはサンドウェッジとピッチングウェッジの2種類しかありませんでしたが、ジャンボ尾崎こと尾崎将司が「それらの間を取るロフト角のクラブが欲しい」とブリヂストンへ要望を出したことにより、「ピッチングサンド(P/S)」の名前で生まれたのがきっかけとされています。
ツアープロのクラブセッティングはアベレージゴルファーも参考にできる?
では、プロゴルファーが使っているクラブから、アベレージゴルファーが参考にできるポイントはあるのでしょうか。関氏は以下のように話します。
「ツアープロの界隈では、選手のクラブセッティングが話題に取り上げられることもよくあります。しかし、そもそもコースのコンディションや目標スコアがアベレージゴルファーとは全く異なるので、セッティングを知ったとしてもそのまま自分に生かせるわけではありません」
「たとえば、アベレージゴルファーのなかにはパープレーを目指している人もいますが、ツアープロの場合は常にアンダーパーで回らないと試合で勝てません。よって、パー5の2打目など長い距離からでもグリーンを直接狙えるよう、3番ウッドなど長いクラブも入っていますが、アマチュアには必ずしも必要ではないです」
「また、一般営業のゴルフ場では、カップは通常グリーンの中央近くに切られており、ボールを転がすようなアプローチでも対処できるのに対し、トーナメントになるとかなり端にカップが寄せられるため、ウェッジを使った超短距離のアプローチの正確さが求められます」
「特に、深いラフからすぐそこにあるカップを狙おうとする際、普通のウェッジを使うとちょっとでも加減を誤ると簡単にオーバーしてしまうので、“60度”のロブウェッジといったロフト角が非常に大きなウェッジを入れている選手もいます。しかし、ビギナーやアベレージゴルファーがそういったクラブを使う機会はまずないでしょうから、道具の面で参考にできる点は少ないと思います」
私たちが普段使ったり用品店で見ているクラブが「一般の乗用車」だとしたら、ツアープロが使っているクラブは「レーシングカー」と表現しても過言ではありません。試合自体はテレビでも気軽に見られますが、彼らは熾烈なランキング争いでの生き残りを懸け、道具なども含めて別次元のゴルフをプレーしているのです。
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