直前に「10組が5組に減りました」は勘弁して… ゴルフ場が教える“いいコンペ幹事”の条件とサービスを引き出すコツとは？

　春になると、冬の間はラウンドをお休みしていたゴルファーも活動を開始し、ゴルフ場がにぎやかになります。4～5月は寒さがやわらいで暖かくなるので、ラウンドには最適な季節です。この時期はコンペも数多く開催されます。

　ゴルフ場関係者と先日、「ゴルフ場にとってありがたいお客さん」をテーマに雑談をしていたところ、「幹事さんとスムーズにやりとりできるとゴルフ場としては一番ありがたいですね」という答えが返ってきました。

「春のコンペは昨年のうちからご予約いただくケースが多いのですが、予約の時点ではスタート時間と組数しか決まっていません。日程が近づいてきたら『3週間前に組数を確定させてください』とか『2週間前にメンバー表を送ってください』というやりとりをします」

「ところが一部の幹事さんは『もうちょっと待ってください』『今、確認中です』となかなか返事がもらえず、挙げ句の果てに『10組のコンペが5組になってしまいました』なんてことがあります」

「ゴルフ場としましては、10組が5組になることはダメージになりますが、3週間前にお伝えいただければ、空き枠になった5組分を他のお客様に販売することができます。それが2週間前とか1週間前ですと空いた枠を販売する期間が短くなってしまいます。そういったゴルフ場サイドの事情を理解してくださっているコンペの幹事さんは本当にありがたいですね」

「コンペの幹事さんの仕事は参加人数の把握だけではありません。参加費を取るのか取らないのか、その徴収は幹事さんが行なうのかプレー料金に含むのかなど。さらに、幹事さんが参加費を集めるなら受付（テーブルとイス）を用意するのか、スコアの集計方法はどうするのか、表彰式（パーティー）を開催するのかしないのか、表彰式の会場にコンペ賞品を並べるかどうかなど、多岐に渡ります」

「その内容によって、ゴルフ場も前日までに準備をしなければならないことがあります。そういったことが細かいところまで事前に決まっていると非常にやりやすいのですが、当日になってから急にお願いされたりすると、こちらも少ない人数でやりくりしていますから、対応に苦慮することがあります」

　ひと昔前は各ゴルフ場にコンペ担当の営業マンがいました。コンペを定期的に開催する企業や部署に足を運び、コンペの幹事を担当することが多い役職の人とコミュニケーションを取っていました。

　今はゴルフ場の予約方法が電話からインターネットに移行しているので、営業担当者は激減しました。それでもコンペ予約はインターネットより電話でのやりとりが主流だそうです。

「かつてはゴルフ場の営業担当者が大口のコンペを獲得するために、プレー料金を値引きしたり、昼食時のワンドリンクをサービスしたり、平日無料プレー券やゴルフボールなどのコンペ賞品を提供していました」

「そのなごりもあって、今でもコンペの幹事さんから『何かサービスしてよ』とお願いされることがあります。今はプレー料金の値引きは行なっていませんが、昼食時のワンドリンクサービスやコンペ賞品の提供は行なうことがあります」

「ただし、その際の条件はゴルフ場と直接やりとりすることです。予約サイトですと手数料を支払う必要があるので、それ以上のサービスは難しくなります。ゴルフ場に直接お電話いただければ、コンペの組数に応じてサービスさせていただくことが可能です」

「新型コロナウイルスの流行でコンペ需要は一時期、激減しましたが感染症法上の位置づけが2類から5類に移行した2023年5月以降は明らかに回復しています。一方で、コンペに慣れていないコロナ禍でゴルフを始めた人たちは、分からないことがあればゴルフ場にお問い合わせてほしいです」

　コンペに参加するのと開催するのでは、まったく別の知識や経験が必要になります。コンペに誘われるようになり、自分も開催する立場になった人は、インターネットで調べるだけでなく、ゴルフ場に相談したほうがスムーズかもしれません。