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そんな馬鹿な! 世の中には“ワンオンしない方がいい”パー3があるって本当!? “レダン”とは何か説明できたらゴルフ通
パー3のホールは、ティーショットで直接グリーンを狙ってワンオンさせるのが定石ですが、形状によってはワンオンさせない方がいいホールも存在すると言います。
「世界一真似されているホール」はワンオンすべきでない!?
一般的な18ホールのゴルフ場の場合、フロントナインとバックナインにそれぞれ2ホールずつ、計4ホールのパー3が含まれています。ティーショットを直接グリーンに打っていくのが定石ですが、ワンオンを狙わないマネジメントが好結果に導く形状のホールも存在すると言います。

どのようなパー3においてワンオンしない方が良いスコアになる可能性があるのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルタントで、日本を代表するゴルフ場設計家である加藤俊輔氏の薫陶を受けた飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「パー3に限らず、パー4やパー5のホールでも基本的には規定打数から2を差し引いた打数でグリーンに乗せ、最後の2打でカップインさせることによってパーを狙えるように設計されているため、パー3においては『1オン2パット』というプランを考えるのが通常です」
「しかし、なかにはティーイングエリアから直接グリーンを狙うのではなく、あえてグリーンの脇や手前にティーショットを落とし、2打目でグリーンに乗せた方が、かえってパーを狙いやすくなるような形状になっているパー3が存在します。そうしたパー3は俗に『2ショット・パー3』と呼ばれることもあります」
「代表的なのが、スコットランドにある『ノースベリックGC』の15番ホールで、『レダン』(要塞)という愛称が付けられています。距離は約190ヤードと、パー3としては平均よりやや長いくらいのイメージですが、グリーンはティーイングエリアに対して左斜め45度の方向を向いており、グリーン面は右手前から左奥へと傾斜しています」
「また、その左手前にはスコットランド特有のアゴの高いバンカーが、右手前には小さなバンカーが3つ連なっていて、ワンオンを狙おうとするとバンカーにつかまったりグリーンの傾斜に流されてしまう恐れがあります。ですから、あえてグリーンの手前に落としてアプローチでピンに近づける、もしくは一度グリーンをオーバーして折り返すのが最も安全な攻略方法と言われ、レダンは『世界で一番参考にされているホール』の異名を持ちます」
レダンはその戦略性の高さから数多くのゴルフ場設計家たちに影響を与え、特に米国におけるゴルフ黎明期を支えたチャールズ・B・マクドナルドが手掛けた「ナショナルゴルフリンクス・オブ・アメリカ」の4番ホールは、“本家”レダンの要素をふんだんに盛り込んだホールとして有名です。
他にも、マスターズを開催する「オーガスタナショナルGC」で「アーメンコーナー」の一つに数えられている12番ホールもレダンをヒントに造られたパー3として知られ、距離が短いにもかかわらず、毎年、世界のトッププロが悩まされています。
さまざまな攻略法から正解を導き出せるかが問われる
ノースべリックは多くの有名リンクスコースと同様、自然の地形に徐々に手を加えて形作られていったため設計家の個人名は出てきませんが、世界の名物パー3の“ひな型”ともいえるレダンからはどのような意図が読み取れるのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「レダンやそれを参考にして造られたホールには、『グリーンが斜めに配置されている』『大小さまざまなガードバンカーがある』などの特徴が挙げられますが、パッと見そこまで奇抜なデザインをしているという訳ではありません」
「だからこそ、初見のゴルファーはいつも通りのワンオンを狙うコースマネジメントをしようとして自らの首を絞めてしまう結果に終わり、反対にそのホールの“真の姿”を知っているゴルファーは2ショットで刻んでピンそばに寄せ、最後の1パットでパーを取りにいくことができるのです」
「決して、プレーヤーのリズムを乱してやろうという気持ちで造られたホールではありませんが、さまざまなルートが考えられ、それらの中には正解と不正解があります。見事に正解を導き出せた者にのみ褒美が与えられるのです」
国内のゴルフ場でも、例えば千葉県の「太平洋クラブ八千代コース」18番はパー3で、118ヤードと短いながらも戦略性が高いレダンの要素が盛り込まれたホールとなっています。
「パー3はワンオンさせるもの」という固定観念を捨ててみると、コース攻略をもっと自由に楽しめ、考えることの重要性にも気づくでしょう。あなたの“ゴルフIQ”はめざましく成長するかもしれません。
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