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- 文句を言う人はたったの3%!? 年会費値上げが続くゴルフ場が“大炎上”しない理由
相次ぐゴルフ場の年会費値上げ。利用者からは不満の声も聞かれるが、現場では大きなトラブルには発展していないといいます。そこには、ゴルフ場運営ならではの事情と“割り切り”の構造があるようです。
年会費値上げで大きなトラブルは発生していない
2026年に入ってから、ゴルフ場の年会費値上げの動きが目立っています。ひと昔前は3万円前後がひとつの目安とされていましたが、最近では5万円を超えるケースも増え、10万円台に設定するコースも見られるようになってきました。
こうした流れはゴルフ場に限った話ではなく、インドア施設でも同様です。電気代や人件費の上昇に伴い、月会費や年会費の引き上げが続いています。
一方で、値上げに対する受け止め方は単純ではありません。「コストが上がっているのは分かるけれど、値上げするならサービスの品質も上げてくれ」といった声も聞かれます。値上げの理由と納得感は、必ずしも一致しないということです。
では実際に、年会費の値上げはどのように受け止められているのでしょうか。ゴルフ場関係者に話を聞くと、その反応は大きく3つに分かれるといいます。

「値上げを受け入れてくれる人、抗議してくる人、何も言わずに退会していく人、この3つに分かれます」
割合としては、抗議してくる人と、何も言わずに退会していく人が、それぞれ3%くらいずつで、9割以上の人は受け入れてくれるそうです。
「今は何もかもが高くなっていますから、自分の仕事周りでもいろんな値上げが起こっていることを知っている人は、何も言わずに納得してくれます」
値上げそのものに対する是非というよりも、社会全体の流れとして受け止められている側面があるようです。
とはいえ、すべてが穏やかに進むわけではありません。一定数の抗議は必ず起きます。「抗議する人は、たとえ50円の値上げでも抗議します」と、値上げ幅や理由とは別の次元で、不満を表明する人がいるのも現実です。
年会費の値上げに踏み切る背景には、ゴルフ場の収益構造があります。ゴルフ場の収入は大きく分けて、施設利用料、年会費、名義変更料の三つに分かれます。その中で、比較的調整しやすいのが年会費です。
ビジターのプレー代を一気に引き上げると、来場者が大幅に減るリスクがありますが、年会費は「基本的に払ってもらえる」性質があるため、安定収入として機能します。
コース維持の必要経費が以前と比べて上がっている
さらに、ゴルフ場の維持には一定のコストが不可欠です。前出のゴルフ場関係者は次のように語ります。
「これくらいの金額をかけなければ、コースを維持できないというミニマムがあります。その最低ラインの金額が、以前よりもはるかに上がっています。値上げしないことで赤字になり、コースが存続できなくなるほうが問題です」
芝の管理や設備の維持、人件費などは簡単に削れるものではありません。値上げをしなければ経営が苦しくなり、最終的にはコースの閉鎖や売却といった選択に至る可能性もあります。
こうして整理してみると、年会費の値上げは「サービス向上のため」というよりも、「現状を維持するため」の意味合いが強いことが分かります。
利用者サイドから見ると、支払う金額が増えているにもかかわらず、前向きな変化が少ないと感じるのも無理はありません。ただ、ゴルフ場サイドから見ると、その値上げによってようやく現状を保っているという事情があります。
こうした値上げが大きなトラブルにつながっているのかというと、必ずしもそうではありません。抗議を受けることはあるものの、それが長期的な対立に発展するケースは多くないといいます。
理由はシンプルで、選択肢がはっきりしているからです。受け入れるか、退会するか。どちらかを選ぶ構造になっているため、不満があっても関係がこじれ続ける状況にはなりにくいのです。
もちろん、これは「問題がない」ということではありません。値上げによって不満が生まれているのは事実ですし、その不満が解消されているわけでもありません。ただ、それが大きなトラブルとして表面化しにくい構造になっているというだけのことです。
年会費の値上げは、既存会員の満足度を下げる要因になりますが、運営者と利用者の関係を決定的に壊すわけではない。その距離感の中で、多くのゴルフ場はバランスを取ろうとしているのかもしれません。
文・保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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