- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ツアー
- 「ホテルでギャン泣きしました」 通算4勝目・桑木志帆を変えた昨季の失意 「15キロ減量」も功奏す
国内女子ツアー「Sky RKBレディスクラシック」で桑木志帆(くわき・しほ)が今季初優勝、ツアー通算4勝目を挙げた。
「3日間で一番緊張した」ウイニングパット
◆国内女子プロゴルフ
Sky RKBレディスクラシック 5月15~17日 福岡雷山ゴルフ倶楽部(福岡県) 6490ヤード・パー72
「めちゃくちゃうれしいです。ずっと勝てなかったけれど成長しているのを感じていたので、今は安心しています」
桑木志帆が今季初優勝を手にし、ツアー4勝目。2024年「JLPGAツアー選手権リコーカップ」以来、約1年半ぶりの勝利に笑顔がはじけた。
大会最終日、10アンダーの首位タイから出た桑木は、前半から猛チャージ。2番パー5でこの日最初のバーディーを奪うと、4番まで3連続バーディー。8番、10番、11番でもスコアを伸ばし、一時は後続を大きく突き放す独走態勢に入った。

後半、同じく最終組のウー・チャイエンが猛追を見せ、プレッシャーから「少しずつ距離が合わなくなったり、思った通りに打てなくなっていた」と振り返るが、16番のショートホールでは右に落とすピンチを20ヤードの絶妙なロブアプローチでパーセーブ。「最後まで耐えたのが良かった」と、17番までに6バーディー、1ボギーのゴルフを展開。通算15アンダーで単独首位を死守した。
1打差の緊迫した状況で迎えた最終18番パー5。2オンに成功したウーに対し、桑木は2打目を奥に外してしまう。3打目のアプローチも寄せきれず、緊迫した空気がグリーンを包んだ。しかし、ウーがまさかの3パットでパー。プレーオフを覚悟していたという桑木に、約60センチのウイニングパットが巡ってきた。
「この3日間で一番緊張した」。しびれるパットをきっちりと沈めて通算15アンダーで優勝。トーナメントコースレコードを更新し、劇的な幕切れで栄冠をつかみとった。
「太りすぎてヒザと腰にきた」肉体改造に着手
24年は「資生堂レディス」でのツアー初優勝を皮切りに年間3勝を挙げ、メルセデス・ランキング6位と大躍進を遂げた。しかし、さらなる飛躍を期待された昨年は、15試合でトップ10に入りながらも、あと一歩が届かず未勝利に終わった。「上位争いをしすぎて、逆に優勝に対する意識が低くなっていた」と当時の苦悩を明かす。
勝てない焦燥感の中で、彼女はストイックに自分を追い込んできた。
「太りすぎて、試合のアップダウンでヒザと腰にきた」ことをきっかけに、昨年の開幕前から本格的な肉体改造に着手。揚げ物やジュース、お菓子を完全に断ち、コーヒーもブラックに変えるなど食事管理を徹底し、なんと15キロもの減量に成功した。「疲れにくくなり、体のキレも増した」と、その努力は今季の強固なスタミナの礎となっている。
「予選落ちしたら絶対に泣いていた」
その裏には、人一倍激しい悔し涙があった。「予選落ちしたら絶対に泣く。車やホテルに帰って泣いていた」と振り返る。
特に一番つらかったのは、昨年挑んだ海外メジャー「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」でのことだ。2日目に猛チャージをかけながらも、後半に崩れて1打足らずに予選落ちを喫した。
「ホテルに帰るまで我慢してギャン泣きしました。悔しくて……」
しかし、一晩泣き明かせば「寝たら忘れる」と、翌朝には前を向く強さがあった。「ロブアプローチとか、新しい技ができるようになった」と、海外メジャーの分厚い壁に跳ね返された経験をバネに技術を磨いた。
一方で、こんな天然な一面も。「ラフに入ったときに、素振りするじゃないですか。これ、最初は何のためにやってるか分からなかったのにやってたんです……。芝の抵抗を感じるものらしくて。やばいですよね(笑)」。
会見場は笑いに包まれたが、そんな恥ずかしさも学びのうち。海外メジャーでの悔しさを糧にし、「昨年よりも一番変わった」というコーチと磨き上げた徹底的なマネジメント力を武器に、ひと回りもふた回りもタフになった。
「全米女子オープンでネリー・コルダ選手と写真を撮りたい」
今大会前、「1日5アンダー、トータル15アンダー出せたら優勝できる」と目標を設定していた。
プレッシャーのかかる最終日に、その想定を寸分違わず現実のものにしてみせた。「あらかじめ定めた目標のスコア通りに回れたのは初めて。冷静にプレーすれば結果はついてくると思えた」と、苦しんだ1年半を経て、本物の自信をつかみ取った。
トータルドライビング(ドライビングディスタンス順位とフェアウェイキープ率順位を合算した値)もツアー2位。飛距離と精度の高さも成長の証だ。
この優勝により、大会前の世界ランク79位から上がるのは確実。5月25日付けの同ランク75位以内に入れば海外メジャー「全米女子オープン」(6月4~7日)の出場資格が得られる。
「(全米女子オープンで)とりあえずは予選通過したい。でも、大好きなネリー・コルダ選手と写真を撮りたいです」と目を輝かせる。苦い涙を流した海外メジャーへ――。次はツアー4勝目の勲章と、さらに研ぎ澄まされたゴルフ携えリベンジに挑む。(福岡県糸島市/金明昱)
最新の記事
pick up
ranking











