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- 割り増し料金でも選ぶ人が激増!? ゴルフ場の「クーラー付きカート」導入が加速する本当の理由
猛暑対策として急速に普及が進むクーラー付きカート。快適性の高さから導入するゴルフ場が増える一方で、設備投資の負担は小さくありません。将来は“特別なサービス”ではなく、標準装備になるのか。現場の声から今後を探りました。
スタンダードな設備になる可能性が高い
今夏にゴルフ場で存在感を増している設備があります。乗用カートに取り付けられた送風機やクーラーです。
大手ゴルフ場運営会社のPGMが「Cool Cart」(クールカート)を導入したことをきっかけに、既存のカートに後付けできる送風機やクーラーの開発が急ピッチで進んでいます。ゴルフ場関係者に話を聞くと、「今夏はクーラーの営業がすごい」といいます。
確かに、クーラー付きカートを一度でも利用すると、その快適さはすぐに分かります。炎天下でティーショットを打ち終えた後、カートに涼しい風が吹いていると、体への負担はかなり違います。
その一方で、18ホール営業のゴルフ場には50~60台前後の乗用カートがあります。そのすべてにクーラーを設置するとなると、大きな設備投資になります。

クーラー付きカートは今後、ゴルフ場の標準設備になっていくのでしょうか。それとも、一部のゴルフ場だけが導入できる付加価値サービスにとどまるのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
「最終的にはスタンダードな設備になるんじゃないかとボクは思っています。現在は既存のカートに後付けするスタイルが主流ですが、そのうちカートメーカーさんが標準装備したカートを販売するのではないかと予想しています」
「夏場のクーラーだけでなく、冬場は温風が出たり、シートヒーターが搭載されていたり、そういうタイプが近い将来、スタンダードになっていくんじゃないかという気がします」
もっとも、すべてのゴルフ場がすぐに導入できるわけではありません。
「やっぱり、ある程度のコストがかかりますから、うちは今のところ様子見ですが、乗用カートは古くなったら買い替えなければなりません。そのタイミングでカートがどのような進化を遂げているかによって、判断することになるでしょう」
高い料金を取れる必須アイテムになる
興味深かったのは、「クーラー付きカートは今のところ、客単価が高いゴルフ場が積極的に導入している印象がありますが、将来的にはどうなると思いますか」という問いに対する答えでした。
「うちの近隣ではむしろ、客単価が低いゴルフ場が導入し、平日6000円くらいで営業していたコースが、クーラーを付けて6500円とか7000円で販売しているんですよね」
「今までは『夏場は料金を下げないとお客さんが入らない』というイメージがありましたが、そうじゃなくて『付加価値をつけてプレー料金を高くする』という発想にシフトチェンジしているのでしょうね」
もちろん、現時点では資金力のあるゴルフ場グループが先行しています。ただ、関係者によると中小のゴルフ場でも導入が始まっており、「うちは今のところ、そこまではできませんけど、将来的にはそういう方向になるのではないか」と話していました。こうした動きが広がれば、クーラー付きカートは特別な設備ではなくなっていく可能性があります。
話を聞いていて思い浮かんだのは、住宅用エアコンの普及でした。かつては自分で購入して取り付ける家電でしたが、今では賃貸住宅でも「エアコン付き」が当たり前になっています。
近年は夏の暑さによって高校野球の試合開始時間が見直され、サッカーのワールドカップでは「ハイドレーションブレイク」(飲水タイム)が導入されました。ゴルフは野球やサッカーほど激しい運動ではありませんが、炎天下で長時間プレーするスポーツです。涼しく快適にプレーできる環境を望まないゴルファーは少ないでしょう。
クーラー付きカートは、まだすべてのゴルフ場で見かける設備ではありません。しかし今回の話を聞くと、高級コースだけの特別なサービスというよりも、プレーの快適性を高める新しい標準装備に移行する途中なのかもしれません。
文・保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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