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- ゴルフ人気が上昇中なのに今すぐ「ゴルフクラブ」が買えない!? なぜ?
新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、一時大きな影響を受けたゴルフ市場ですが、2020年の後半から風向きが変わってきました。“3密”を避けられるスポーツとして世界的に支持が拡大しました。新たにゴルフを始めるゴルファーも増加するなか、いまゴルフクラブが手に入らない状況が生まれているといいます。その理由を調べてみました。
コロナ禍でのゴルフ市場の減少から世界的な支持拡大へ
「ゴルフクラブが足りない」、ショップで自分の好きなクラブを注文してもすぐに手に入らない状況が起こっています。これは一体どうしてなのでしょうか。
米国の市場調査会社「ゴルフ・データテック」によると、世界の主要なゴルフ市場は2020年5月まで、年初ベースで15%~50%減少しています。
日本でも矢野経済研究所が、2020年9月に8月時点で2020年のゴルフクラブ、用品、ボール、ウェアなどのゴルフ市場を予測した時に、メーカー出荷ベースで前年の87.3%の大幅減少と予測していました。
しかし、2020年の後半になってゴルフに対する風向きが、向かい風から追い風に180度変わりました。
コロナ禍の中で、ゴルフが屋外で3密を避けられるスポーツとして、世界的に支持されてきたのです。
前述のゴルフ・データテックによると米国では、2020年の春の終わりから夏の初めにかけてゴルフの勢いが増し、ゴルフ場がすぐに満員になり、新規参入者も増えて、ゴルフのラウンド数が急激に増えていったとのこと。
それは数字にも如実に表れていて、米国の2020年のラウンド数は前年比13.9%と急増、1988年の調査開始以来、最大の上げ幅を記録しています。
それに伴い、ゴルフ用品の売上も前年比10.1%増の28億1000万ドルで、過去3番目を記録しました。
日本でもゴルフ練習場の入場者数が今年の上期では前年の10%以上増えて、若者や女性の新規参入者も目立ってきています。
矢野経済研究所によりますと、ゴルフへの新規参入者が約60万人生まれたとの調査結果も出ています。
需要の急増に供給が追い付かない理由とは
このようなゴルフの世界的な追い風を受けて、ゴルフ用品の需要が急増しています。にもかかわらず、ゴルフクラブの供給が追い付かない状況が見られます。
その背景となっているのがゴルフクラブの部品、特にグリップやシャフトの供給が間に合わなくなっているというのです。
その理由はというと、コロナ禍による昨年のゴルフ需要の減少で、ゴルフクラブの生産が縮小され、それに伴い、ゴルフクラブの部品の生産も縮小されました。
現在、ゴルフクラブ部品の生産拠点は中国、台湾、東南アジアにシフトしていますが、需要が回復しても、ワーカーも含め縮小した生産体制を元に戻すのに時間がかかっているのです。
その中でも特に供給不足となっているのがグリップ。そのグリップの供給がどうなっているのか、ゴルフグリップの世界NO.1メーカーで、世界のシェアが50%を超える「Golf Pride(ゴルフプライド)」のブランドを持つ米国フェィウィックの日本法人「日本フェィウィック」のゴルフ営業部長である里見孝人さんにお話を伺ったところ、グリップが品薄になったのは2020年の秋からだといいます。
「去年の第3四半期から、米国、日本、ヨーロッパを含めて、全世界で同時多発的に需要が急増しました。2020年の9月頃から、当初予定していた新商品の立ち上げによる需要増は予測されていましたが、新商品のクラブも予想以上に売れ、ゴルフブームもあわせて、パーツであるグリップも急速に需要が高まりました」(里見さん)
そのため、2020年の夏場までは3~4か月分の在庫はあったものの、その後の急激な需要増に十分に対応できず、現状では在庫もなく、各メーカーやショップからの要望に対応できない状況になっているというのです。
通常、グリップ生産のリードタイムは3か月程度かかるそうですが、「グリップの品番によっては納期まで1年近くかかるものも出てきています」(里見さん)といいます。
現在ゴルフプライドでは、台湾とタイの2か所を生産拠点としてフル生産で世界の需要に対応。通常では船で輸送するグリップを、特に北米向けには航空便で輸送するなど、納期短縮に努めているということです。
全世界のグリップの需要は、クラブ生産用と店頭販売合わせて5000万本から6000万本。そのうち米国で約2500万本、日本では約1000万本の需要があると言われています。
コロナ禍の中、ゴルフ市場へ吹く追い風を継続させるためにも、ゴルフ部品メーカーの需要に応える努力が必要とされてます。
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