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- 午前良かったのに午後ボロボロになるのはなぜ? ゴルフ好き名医が教える自律神経の整え方
午前中は調子が良かったのに、昼休憩を取って午後のハーフをスタートした途端、まるで別人のように当たらない、なんてことはよくあります。「おなかいっぱいで体が回らない」なんて言い訳を耳にしますが、実際のところは? 自律神経の名医で熱心なゴルファーでもある小林弘幸医師に聞きました。
原因:食事をきっかけに自律神経が急転換
ハーフが終わって「100切りは楽勝!」と意気揚々だった人が、18ホールを終わってみると「110も打っちゃった」……。ゴルフのラウンドでは、そういうことが間々あります。
後半の9ホールも調子を崩さず回るには、「昼食は“おにぎり1個”を守ることです」。自律神経の研究で知られる順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生は、そう教えてくれます。
午前中は調子が良かったのに、ランチをはさむと後半ボロボロ。こうなってしまうのは、体のしくみからいえば、むしろ自然なこと。食事を取ると眠くなることがあります。それは、口から入った食物を消化するため消化管に血流が集まるからです。ゴルフのラウンド中も同じ。昼食を取って消化管に血流を持っていかれた脳や体の働きは鈍くなります。頭がボーッとしたり、体が重くなったりするのはそのためです。
「食事を取ると、活動モードである交感神経は一気に優位になりますが、ほどなくリラックスモードの副交感神経が高まります。食事をきっかけに自律神経が急転換し、それに応じて血流や心拍や血圧も上下動するのです。体のなかで大きな変化が起きれば、ゴルフスイングにも影響があります。だいたいはリズムや軌道が変わってしまい、ボールに当たらなくなります」(小林弘幸先生)
せっかく前半いいスコアで回ったのに後半で大叩きしてしまうのは、昼食後に自律神経がアップダウンするのが原因だったのですね。
では、午後の9ホールで大崩れしないためには、昼食に何をどう食べたらいいのでしょうか。小林先生によれば「プロトーナメントのように、昼食なしで18ホールをスルーで回るのが理想ですが、なかなかそうもいかないと思います。昼食をはさむ場合はごく軽めに食事を取り、午後もパフォーマンスを維持しやすくすることが大切です。目安はおにぎり1個と、せいぜい味噌汁。メニューは何を選んでもいいでしょう」
ポイントは“腹8分目”より抑えた“腹6分目”です。おにぎり1個と味噌汁の分量をイメージして、ごはんや麺は残しましょう。あらかじめ注文時に「ごはん(麺)は半分にしてください」などと伝えると食品ロスにもなりません。朝食を抜いて昼食をガッツリ食べる派の人にはきついかもしれませんが、ゴルフの日は朝食をしっかり食べ、ラウンド中の昼食はあくまでも「軽くお腹に入れておく」程度にとどめましょう。
対策:食後は素振りだけでもいいので練習を
また、午後も調子を崩さないためには、食後の時間の使い方も大事だと小林先生は言います。
「スタートぎりぎりまで椅子やソファーで休むのはNG行動ですね。自律神経を午後のプレーに向けて整えるには、昼食を20分くらいで切り上げ、体を動かすのがベストです。練習場で7番アイアンとドライバー合わせて15球も打つと、スイングリズムが戻り、体も温まります。レンジがなくても、練習グリーンでボールを転がせば手先からほぐれてきます。ティーイングエリアの近くで10回か20回素振りをするのも、午後スタートの1打目を落ち着いて打てますからオススメです」
おにぎり1個と、球打ち、素振り。後半ボロボロになりがちな人は、ランチタイムの行動を少しだけ変えて、自律神経を整えましょう。後半もいい調子をキープできればスコアはグンとよくなります。
■小林弘幸(こばやしひろゆき)/順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認ドクター。国内における自律神経研究の第一人者として、トップアスリートやアーティストのコンディショニングやパフォーマンス向上指導に携わる。『自律神経を整える習慣・運動・メンタル』(池田書店)、『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)など著書多数
【自律神経とは?】
全身に張りめぐらされた末梢神経で、内臓の働きや血液の流れや体温調整など生命を維持するための機能を司る。自律神経は「交感神経」と「副交感神経」とに分けられ、「交感神経」は体をアクティブにする役目、「副交感神経」は体をリラックスさせる役目を担っている。車に例えると、アクセルとブレーキのように、両者が交互にバランスよく働くことによって心身ともに快調を保つことができる。このバランスが乱れると、スポーツや仕事のパフォーマンスに影響があるだけでなく、身体的にも精神的にもダメージを与える。
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