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- 飛ばしの要素、全部盛り! 吉田鈴のドライバーは「小柄でも飛ばせる」をどう実現しているのか?
PGAツアーの解説も務めるゴルフスイングコンサルタント・吉田洋一郎氏が、ツアーの第一線で活躍する選手のプレーを独自の視点で分析。今回は、国内女子ツアー「ヨネックスレディス」でツアー初優勝を飾った吉田鈴(よしだ・りん)選手のティーショットに注目しました。
飛ばしを支える「タテ回転」と「シャットフェース」
国内女子ツアー「ヨネックスレディス」で、吉田鈴選手がツアー初優勝を挙げました。
今季はここまでパーオン率15位(65.9722%)、リカバリー率8位(65.7143%)などの好成績を残し、優勝を含めて3度のトップ5フィニッシュを記録。アイアンやアプローチの精度も大きな魅力ですが、今回取り上げたいのはドライバーショットです。

ドライビングディスタンスは240.07ヤードで52位。いわゆる飛ばし屋と呼ばれるポジションにいるわけではありませんが、身長153センチと決して大きくない体格で240ヤード以上飛ばしている点は特筆すべきでしょう。
飛距離には筋力やスイングフォームだけでなく、身長や腕の長さも大きく関わります。一般的には、背が高く腕が長い人ほどスイングアークが大きくなり、大きな遠心力を生み出しやすい傾向があります。
では、153センチの吉田選手はどのように飛ばしているのでしょうか。彼女はトレーニングによって体を鍛え、昨シーズンの231.27ヤード(75位)から10ヤード近く飛距離を伸ばしています。もちろんトレーニングの成果も大きいですが、飛ばしの要素が数多く盛り込まれたスイングも飛距離アップに大きく貢献しています。
一番の特徴は、地面反力を使ってジャンプするようにインパクトしていることです。また、前傾姿勢をキープしたまま右肩を前方へ送り出し、肩をタテ方向に回転させている点も飛距離を生み出す要因になっています。
さらに、クラブの反動を利用してシャフトをしっかりしならせていることや、インパクトからフォローにかけて大きなアークを描き、遠心力を効果的に使っている点も挙げられます。
これらに加えて、フェースをシャット気味に使っていることもポイントです。肩をタテに回転させるタイプのスイングでは、フェースをスクエアに使う傾向がありますが、吉田選手はシャットフェースの要素も取り入れることで、さらなる飛距離アップにつなげています。
「肩のタテ回転」と「シャットフェース」を両立させるために、背骨を中心とした垂直軸も上手に使いながら、インパクトではフェースをスクエアに戻しています。このあたりも、吉田選手のスイングの大きな特徴といえるでしょう。
まさに“飛ばしの要素全部盛り”のスイングですが、その動きには躍動感があり、「練習で無理やりつくり上げたスイング」という印象は受けません。体をフルに使いながらも、フェアウェイキープ率28位(71.4286%)という高い数字を残しているのは、ゴルフを始めた頃から飛ばしにつながる動きを自然に身につけてきたからかもしれません。
アマチュアも参考にしたい地面反力の使い方
吉田選手のように体全体を使った躍動感のあるスイングをする選手といえば、米女子ツアー11勝でメジャー1勝を誇る、飛ばし屋のレキシー・トンプソン選手が思い浮かびます。
幼少期のトンプソン選手は、2歳年上の兄に負けたくないという思いから、足を使って全身を動かすスイングを自然と身につけたといわれています。吉田選手も姉・優利選手に「負けたくない」という思いを抱きながら、幼少期に現在のスイングの土台をつくっていったのかもしれません。
吉田選手のように、飛ばしの要素を数多く取り入れたスイングを一から習得するのは簡単ではないでしょう。
しかし、その中でも地面反力を使う動きだけでも身につけることができれば、飛距離アップは期待できます。ダウンスイングで地面を蹴りながらインパクトを迎えるためには、切り返しでスクワットをするように一度しゃがみ込む動きが必要になります。
ただし、この動きを行うにはハムストリングスや股関節周辺の筋力が欠かせません。デスクワーク中心の人は、これらの部位が硬くなったり、筋力が低下している可能性があります。
飛距離アップを目指すのであれば、まずはスクワットやデッドリフトなどの筋力トレーニングから始めてみてはいかがでしょうか。
【解説】吉田 洋一郎(よしだ・ひろいちろう)
1978年生まれ、北海道出身。世界のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。デビッド・レッドベターから世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。毎年数回、米国、欧州へ渡り、ゴルフに関する心技体の最新理論の情報収集と研究活動を行っている。欧米の一流インストラクター約100名に直接学び、世界中のスイング理論を研究している。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。
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