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- 朝イチティーショット成功のカギは“練習しすぎない”こと!? 自律神経の名医が教えるスタート前の過ごし方
競技でもないのに朝イチのティーショットはいつもアガってしまってうまくいかない。そんな人はゴルフ場に到着する時間が遅くてバタバタと準備を行っているのでは? 自律神経の名医で熱心なゴルファーでもある小林弘幸医師が、自律神経の見地からスタート前の過ごし方を教えます。
運転後の体を落ち着かせるには90分必要
1番ホールの1打目を打つときは誰でも緊張します。少しでも落ち着いて朝イチのティーショットを打つには、「まず、ゴルフ場に早く行くこと。そしてスタートまでゆったり過ごすことが大事です」。ご自身がプレーする場合も、スタートの1時間半前までにゴルフ場へ到着するよう心がけているという順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生は、こう言います。
高速道路を長時間運転して緊張状態にある心身を落ち着かせてゴルフモードへ切り替えるには、少なくとも90分の“持ち時間”を使って自律神経を整え、最初のティショットに臨む必要があるからです。
では、その“持ち時間”をどんなふうに使ったら第1打をよりリラックスして打てるかというと、小林先生は、大事な点を2つ挙げてくれました。1つはクラブハウスでゆったり過ごすこと、もう1つは練習をしすぎないことです。
特に大切にしたいのは、意外かもしれませんが、1つ目のクラブハウスで過ごす時間です。ロッカールームで着替えをし、レストランが開いていればお茶でも飲んでひと息つきましょう。コースや練習グリーンが見える窓際の席に座り、ミルクティーなどの飲み物を注文するのがオススメです。コーヒーが好きな人はコーヒーでもOKです。
「リラックスすることが一番の目的です。たとえ15分でも、温かい飲み物を口に運びながらコースを眺めたり仲間とお喋りをしたりしていると、運転で高ぶった交感神経が収まってきますよ」(小林先生)
さらにプラスアルファとして、時間に余裕があるからこそできる準備もあります。例えば、外の木の揺れ具合で風の強さが分かりますし、雨が降り始めたり強くなったりするのも見えます。そうした天候の変化を察知したらロッカールームに戻って着替えたり、予備のキャップやタオルなど必要になるかもしれない物を取りにいったりできる点はメリットでしょう。最終的に使う場面がなかったとしても「準備しているから大丈夫」という小さな安心感が積もって気持ちの余裕につながるからです。
また、トイレに行く時間を確保することも大事な準備の一つです。ゴルフの日の朝は、多くの人が「プレー中にお腹が痛くなったらどうしよう」という不安を持っていることでしょう。ゴルフ場のレストランで静かに過ごす間にトイレを済ませられれば安心ですし、「時間がないから我慢しよう」という最悪のパターンを避けることはできます。時間に余裕があるからこそ体調面の不安も取り除けるのです。
練習場で打つ球数は20球を限度に
さて、スタート時間まで30分になったら、クラブハウスを出てウォームアップを始めます。ただし、小林先生は大事な注意点を忘れてはいけません、とアドバイスしてくれました。「練習場があればボールを打ったほうがいいのですが、打ちすぎはかえってマイナスになります。ショット練習はせいぜい20球以内にとどめるのがいいでしょう」。
20球というとパレット型のボール入れで1箱です。初心者もベテランも、たったそれだけではコースでうまくボールを打てるか不安が残るかもしれません。とはいえ、スタート直前の練習目的は、あくまでもウォーミングアップとクラブを振る感覚の確認です。
「最近調子が悪いからといって40球も50球もドライバーを打ったら、練習だけで疲れてしまいます。せっかくクラブハウスで落ち着いていた自律神経が再び乱れて過緊張状態にもなってしまいますので、スタート前の打ちすぎは避けるべきですね」(小林先生)
第1打を落ち着いて迎えるには、ストレッチで軽く体をほぐし、15~20球くらいボールを打ち、5分か10分パットの練習をすれば十分でしょう。むしろそれ以上練習をすると心拍や血圧が上がってしまいます。心臓がどきどきする、指先が冷たくなる、そういった症状が出ますので注意が必要です。
小林先生は、トーナメントで活躍するトッププロにも、時間の余裕を持つことの大切さをアドバイスされるそうです。準備に時間をかけ、心身の状態を落ち着かせることは、ゴルフのスタート前には必要不可欠なのです。
ゴルフ場に遅く着いてバタバタとスタートしたら、朝イチはミスをする確率が高くなります。焦りや不安をなくすには、時間に余裕をもって行動することが不可欠です。ゆったり過ごして準備を整えることで不安をなくし、軽い練習をし、朝イチのショットを落ち着いて打ちましょう。
■小林弘幸(こばやしひろゆき)/順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認ドクター。国内における自律神経研究の第一人者として、トップアスリートやアーティストのコンディショニングやパフォーマンス向上指導に携わる。『自律神経を整える習慣・運動・メンタル』(池田書店)、『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)など著書多数
【自律神経とは?】
全身に張りめぐらされた末梢神経で、内臓の働きや血液の流れや体温調整など生命を維持するための機能を司る。自律神経は「交感神経」と「副交感神経」とに分けられ、「交感神経」は体をアクティブにする役目、「副交感神経」は体をリラックスさせる役目を担っている。車に例えると、アクセルとブレーキのように、両者が交互にバランスよく働くことによって心身ともに快調を保つことができる。このバランスが乱れると、スポーツや仕事のパフォーマンスに影響があるだけでなく、身体的にも精神的にもダメージを与える。
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