ベストスコアを気にするのはビギナーだけ! 上級者が平均スコアを重視する理由 | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

ベストスコアを気にするのはビギナーだけ! 上級者が平均スコアを重視する理由

初めてラウンドする人の実力を聞くときの質問に「ベストスコアはいくつですか?」があります。しかし、何十年も前に出したような「ベストスコア」では、確かにその人の実力は分かりません。実力を判断する指標として「ベストスコア」より「平均スコア」が適している理由を調べてみました。

ゴルフの実力を判断する指標として平均スコアのほうが適切だから

 ゴルファーの間では1年の最初のラウンドを打ち初め、最後のラウンドを打ち納めと言います。

「ベスト」も「アベレージ」もゴルファーなら気になって当然!? 写真:AC

 すでに2022年の打ち初めに行った人も、これから打ち初めに行く人も、新年初ラウンドを前に今年のゴルフの目標を立てる人は多いでしょう。

 最も身近な目標はベストスコア更新です。これまでに出したことのあるスコアより1打でも少ないスコアを出すというのは、ゴルファーとして非常に分かりやすい目標です。

 まだ100を切ったことのない人は100切りが大きな目標になりますし、ゴルフを始めたばかりの人は、120切りや110切りをまず達成しなければなりません。

 多くのゴルフ場は18ホールでパー3が4ホール、パー4が10ホール、パー5が4ホールのパー72というホール構成になっています。

 プロゴルファーはその規定打数からどれだけ少ないスコアでプレーできるかを競いますが、実際にゴルフを始めてみるとバーディーを取るのは極めて難しく、パーを取るのも簡単ではないことを思い知らされます。

 したがって、初心者は規定打数の2倍(144打)くらいからスタートし、次はトリプルボギーペース(126打)を目指します。それを達成したらダブルボギーペース(108打)が目標になります。

 108前後で回れるようになれば、いよいよ100切りが近づいてきます。全ホールがダブルボギーだと108。全ホールがボギーだと90。ダブルボギーが9個で、ボギーが9個だと99というスコアになります。

 つまり、計算上はパーが1つも取れなくても100切りは達成できます。でも、それが計算通りにならないのが大半のアマチュアゴルファーの悩みである気がします。

 100切りを達成し、ボギーペース(90打)で回れるようになったら、今度はボギーとパーが半分ずつの81を目指します。そこから2打縮めれば70台の領域に突入しますが、そのレベルに到達しているゴルファーはそんなに多くありません。

 一方、70台や80台がコンスタントに出る上級者は、ベストスコア更新よりも年間平均スコアを前年よりも向上させることを目標にしている人がけっこういます。

 2021年の打ち納めの後にSNSで年間平均スコアを公表しているゴルファーを何人か見かけました。

 プロトーナメントが4日間競技や3日間競技で争われるように、ゴルフは1日だけスコアがよくても高い評価が得られるスポーツではありません。

 初日にベストスコアをマークしても、2日目以降スコアを伸ばせなければ優勝することはできませんし、ファンの記憶にも残りません。

 上級者はゴルフの本当の実力を判断する指標としてベストスコアよりも平均スコアのほうが適切なので、そちらを重視しているのでしょう。

平均スコアをよくするためには1打1打を丁寧にプレーしなければならない

 筆者は以前、ゴルフ週刊誌で企業経営者のゴルフにまつわるインタビューを担当していたことがあるのですが、上級者の多くがラウンド回数とスコアを毎年記録し、年間平均スコアを算出していることに感心しました。

ベストスコアだけを気にしていると、1ホールの大叩きで諦めがちになってしまう 写真:unsplash

 自分自身はラウンド回数だけは数えていたものの、スコアに関する記録は一切残さず、スコアカードは年末の大掃除のときにまとめて捨てていました。

 それが上達しない原因の一つかもしれないと反省し、翌年からスコアを記録して平均スコアを算出することにしました。そうしたら本当に年間平均スコアが(少しずつですが)よくなってきました。

 ゴルフはプレーするコースの難易度やその日のコースコンディション、自分のショットの調子やコースマネジメントによってスコアが大きく変わります。

 また、グリーン上ワングリップOKなのか完全ホールアウトなのか、6インチプレースOKのルールでボールを動かすか動かさないかもスコアに影響します。

 したがって、ベストスコアを更新したければ簡単なコースに行って簡単なルールでプレーするのが最も手っ取り早いですが、平均スコアをよくしたければすべてのラウンドで1打1打を粘り強く丁寧にプレーしなければなりません。

 今年の目標としてベストスコア更新を掲げるのは決して悪いことではありませんが、前半ハーフ終了時点で目標達成が絶望的になり、後半のプレーが投げやりになるようなラウンドが続くのであれば、年間平均スコアという視点を加えてみるとプレースタイルが変わる可能性があります。

 ベストスコアが更新できなくても粘り強くプレーすることで、調子が悪くてもスコアをまとめる技術を習得し、周囲から一目置かれる実力が身につくかもしれません。

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女子の1位はもちろん稲見萌寧で70.0514 写真:Getty Images
女子の2位は古江彩佳で70.3664 写真:Getty Images
女子の3位は小祝さくらで70.7573 写真:Getty Images
男子の1位は金谷拓実で69.730 写真:JGTOimages
男子の2位は星野陸也で70.240 写真:JGTOimages
男子の3位はS・ビンセントで70.310 写真:JGTOimages
「ベスト」も「アベレージ」もゴルファーなら気になって当然!? 写真:AC
ベストスコアだけを気にしていると、1ホールの大叩きで諦めがちになってしまう 写真:unsplash

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