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- “まっすぐ引かなくていい”は本当だった 米ツアー屈指の“飛んで曲がらない男”に学ぶ最新スイング理論
直近6戦3勝と絶好調のマシュー・フィッツパトリック。米ツアー屈指の“飛んで曲がらない”ドライバーショットを支えるのは、特徴的なグリップとテークバックだった。
直近6戦3勝のマシュー・フィッツパトリック
マシュー・フィッツパトリックの勢いが加速しています。弟とともに出場したダブルス戦「チューリッヒクラシック・オブ・ニューオーリンズ」で優勝し、米ツアー2連勝で通算5勝目を挙げました。これで直近6戦で3勝、さらに2位が1回という圧巻の成績を残しています。なお、2位に入ったのは“第5のメジャー”とも称される「ザ・プレーヤーズ選手権」でした。

昨年末の時点で世界ランキング22位だったフィッツパトリックは、現時点(5月14日時点)で4位まで浮上しています。2022年「全米オープン」以来となるメジャー2勝目への期待も高まっています。
フィッツパトリックの今季ドライビングディスタンスは51位、フェアウェイキープ率は2位です。この2項目を合算した「トータルドライビング」では2位につけています。

今季はドライバーショットが好調ですが、昨季までは決して安定していたわけではありませんでした。全米オープンを制した2021-22年シーズンのトータルドライビングは15位だったものの、2022-23年シーズンは106位、24年シーズンは82位、昨季は74位と低迷していました。
そして、ドライバーショットの状態は、そのまま成績にも大きく影響しています。2022年の全米オープン優勝後、世界ランキングは初めてトップ10入りし、2023年4月には6位まで上昇しました。しかし、その後は低迷し、2025年5月には85位まで順位を落としていました。
そこから約1年で85位から4位へと急浮上。その原動力となったドライバーショットのスイングには、特徴的な動きと形が見られます。
特徴的なテークバック
米ツアートップレベルの“飛んで曲がらない”ドライバーショットが、最近のフィッツパトリックの快進撃を支えています。そのスイングを見ると、テークバックからトップ・オブ・スイングまでに大きな特徴があります。クラブヘッドをインサイドに引き、トップでは左手が背屈しているのです。
テークバックでシャフトが地面と平行になった局面の一般的なスクエアポジションは、「シャフトが飛球線と平行」と言われています。
しかし、フィッツパトリックのテークバックでは、クラブヘッドがそのポジションよりもさらにインサイドに入っており、バックスイングもフラット気味になっています。
その理由の一つとして挙げられるのがグリップです。フィッツパトリックの左手グリップを見ると、甲がかなり正面を向く、強めのストロンググリップになっています。
左手グリップをストロングにするほど、左腕が内旋し、左ヒジが外を向いたアドレスになりやすくなります。そのため、テークバックでも左ヒジが外を向きやすくなり、クラブヘッドがインサイドに入りやすくなるのです。
また、トップ・オブ・スイングにおける左手の形は、近年では手首を手の平側に曲げる“掌屈”が主流ですが、フィッツパトリックは甲側に曲げる“背屈”の形を取っています。これも、強いストロンググリップの影響が大きいです。ストロンググリップは背屈との相性が良く、反対にウィークグリップは掌屈との相性が良いと言われています。
多くのゴルファーは、テークバックやトップ・オブ・スイングの形を意識して練習していると思います。しかし、それらの動きはグリップの影響を大きく受けます。形だけを真似するのではなく、自分のグリップとの相性にも目を向けながらスイングを作っていくことが重要です。
メジャー2勝目へ
米ツアー通算5勝、欧州ツアー通算10勝を誇るフィッツパトリックは、得意な大会やコースで際立った強さを発揮するタイプとしても知られています。
2022年に優勝した「全米オープン」の開催コースは、2013年に制した「全米アマ」と同じマサチューセッツ州ブルックラインのザ・カントリークラブでした。また、「RBCヘリテージ」「DPワールドツアー選手権」「オメガ・ヨーロピアンマスターズ」では、それぞれ同じコースで2勝ずつを挙げています。
今季は残り3つのメジャー大会が控えていますが、メジャー2勝目の可能性が最も高いのは、歴代チャンピオンとして臨む6月18日開幕の今季メジャー第3戦「全米オープン」でしょう。会場のシネコックヒルズGCでは、同コース開催だった2018年大会で12位タイに入っており、好相性を示しています。
今年の全米オープンも例年通りラフが長く、フェアウェイキープの重要性が高まるセッティングになれば、フィッツパトリックの“飛んで曲がらない”ドライバーショットは大きな武器になるはずです。特徴的なテークバックとトップ・オブ・スイングから繰り出されるショットで、難コースをどのように攻略していくのか注目が集まります。
解説:野洲明
ゴルフ活動家。各種スポーツメディアへの寄稿やゴルフ情報サイトの運営を行う。多くのゴルファーを見てきた経験と科学的根拠をもとに、論理的なハウツー記事を中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。
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