受付用紙の記入はゴルフ場利用税の納税と反社チェックのため
ゴルフ場に行くと、フロントで受付用紙に住所、氏名、生年月日、電話番号、紹介者名(コンペ名)などを手書きで記入し、暴力団等反社会勢力ではないことの表明・確約に関する同意にチェックをしなければならないところがほとんどです。

大手運営会社のゴルフ場に行くと、専用のポイントカードやTポイントカードでチェックインできたり(PGMグループゴルフ場のTポイントカードでのチェックインは2022年3月31日プレー分ぶんで終了)、最近は楽天ポイントカードや楽天スマホアプリでチェックインできたりするゴルフ場も増えてきましたが、わずらわしさを感じているゴルファーも多いのではないでしょうか。
さらにスタート前に練習場へ行く際も、マスター室でロッカー番号と氏名を手書きで記入し、コインを購入します。出発時にもクラブ本数を確認して手書きでサインします。
スコアカードの記入に関しては、スコア管理アプリを利用するゴルファーが多くなりましたし、乗用カートのタブレット端末にスコア入力機能が搭載されているゴルフ場も増えてきましたから、手書きで記入する機会は少なくなりました。
ただ、コース売店でドリンクを購入する際もロッカー番号と氏名を手書きで記入し、レストランで食事をした後も署名をしなければならないケースがあります。
そしてラウンド終了後に再びクラブ本数を確認して手書きでサインします。
今は文字を手書きで書く機会なんてほとんどありませんから、指先がプルプルしてしまいます。ゴルフ場ではなんでこんなに手書きで署名しなければならないのでしょうか。
ゴルフ場関係者に理由を聞いてみると、「まず受付で個人情報を記入していただくのは、納税の申告のためです。18歳未満や70歳以上の方などはゴルフ場利用税が非課税になりますから、その申請も必要になります。県税事務所に提出してゴルフ場利用税を納めなければなりませんから、そのための署名になります」との回答でした。
「それと今は反社チェックに同意していただかないとゴルフ場に入れてはいけないと警察から指導されていますから、それも目的の一つです」
暴力団等反社会勢力の人間がこれに同意してゴルフ場を利用した場合、詐欺罪が適用される仕組みになっているそうです。
それ以外の署名は確認のサインをもらったほうが安心だから
受付用紙を記入する理由は分かりましたが、それ以外の署名の理由は何でしょうか?

「単純に言うと安心のためです。ゴルフ場で発生する料金はロッカー番号に紐づいていますが、インフラがそこまで整っていませんから、お客様に『確認しましたよ』というサインを書いてもらったほうが安心です」
今はスコアカードホルダーの中にICチップが内蔵されており、チェックアウト時は自動精算機が利用できるところも増えていますが、ICチップをマスター室やレストラン、コース売店でも利用できるようにするには多額の投資が必要になります。
従来どおり手書きの署名で済ませたほうが手っ取り早いということなのでしょう。
でも、近年は飲食店などでタブレット端末でのセルフオーダーシステムが普及していますから、ゴルフ場のレストランもいずれホールスタッフが注文を取りに来るスタイルではなく、タブレット端末にロッカー番号を入力して注文する時代が訪れるかもしれません。
そして配膳に関しても、すでに配膳ロボットを導入しているゴルフ場があるそうですから、5年後、10年後のゴルフ場は現在とまったく異なるオペレーションで運営されている可能性もあります。
ゴルファーとしてはわずらわしい手続きができるだけ少なくなり、快適でスムーズに過ごせる施設になってほしいところです。