設備点検などを行ないながら雪が自然に溶けるのを待つ
2022年は北海道や日本海側などで例年以上の積雪が観測されていますが、2月に入ってからは日照時間が少しずつ長くなり、春が近づいていることを感じます。
今は雪に覆われているゴルフ場も、早ければ3月上旬、遅くても4月下旬には冬季クローズ期間が終わり、22年の営業を開始します。冬季クローズ中のゴルフ場は営業再開に向けてどんな準備を行なうのでしょうか?

3月12日に22年シーズンの営業を開始する予定のゴルフ場に話を聞いたところ、「雪は例年ですと2月末から3月上旬くらいにだんだんなくなってきますから、自然に溶けるのを待ちます。ある程度の段階で融雪剤を撒いて雪を溶かす作業に入りますが、それまでは各部署で新シーズンの営業に向けた準備を行なっています」とのことでした。
具体的にどんな準備をしているのかというと、部署ごとにかなり異なるそうです。
「フロントや営業は3月以降の料金を決め、チラシやオープンコンペの日程を作っています。それを近隣の練習場に配ったり、DMを送ったりします」
「総務はメンバーさんの年会費の請求、月例競技の日程作成、競技規則の作成、会報誌の作成などを行なっています」
「レストラン・厨房は新メニューの考案と、備品の点検や清掃ですね。リネン・施設関係は貯水槽などの設備点検とロッカー清掃です」
「マスター室はカートの整備。コース管理はヤード杭、ティーマーク、案内看板など備品の整備を行ないます。コース管理機械の点検・整備も大事だと言っていました。特に刈り刃の研磨がすごく大事で、シーズンが始まったらメンテナンスがなかなかできないので、冬の間にしっかりやっているようです」
雪を溶かすのもコース管理の仕事ですが、こちらに関しては自然が相手なので直前まで状況を見守るしかないとのこと。
「本当に広い範囲ですから、雪の残り具合を見ながら『このくらいになったら(雪を溶かす作業を)やろうか』みたいなのが決まっているようです」
プロゴルファーが試合のない1~2月でもトレーニング合宿を行なったり、クラブ調整やスイング調整を行なったりしているように、ゴルフ場もクローズしているからといってスタッフ全員が休んでいるわけではないのです。
目標のオープン日が近づいてきたら融雪剤を撒いて溶かす
ただ、クローズ中に働いているのは基本的に社員だけで、季節雇用のスタッフはシーズンの営業開始に合わせて合流する形になります。
営業開始直前に雪が残っていたら、融雪剤を撒いて雪を溶かす作業に入りますが、昨年やおととしはそれよりも前に雪が溶けて営業ができる状態になったそうです。

したがって、3月12日よりも前に雪が溶けてプレーできる状況になった場合は、「社員だけでコースを営業します。できるだけ人をかけないで『キャディバッグの積み下ろしもお客様でやってください』みたいな感じの完全セルフ営業になります」
「そして3月12日からスタッフを通常どおり配置し、本格的に営業を開始するという流れになります」
完全セルフ営業のゴルフ場は、安くプレーしたいゴルファーにとって狙い目です。なぜなら雪溶け直後でまだ寒さが残っていたりするので、破格の料金を出すからです。
本来なら営業するつもりがなかった日程ですから、ゴルフ場にとっては臨時収入ですし、そんなに儲けるつもりもありません。通常営業とは異なる部分もありますが、費用対効果を考えればゴルファーも不満を感じることはないと思います。
ベストシーズンになると手が届かなくなるような料金のゴルフ場がビックリするほど安くプレーできたりしますから、3~4月は予定よりも早く雪溶けしたゴルフ場の完全セルフ営業プランを狙ってみるのもオススメです。