もうすぐ雨の季節　キャンセル続出でゴルフ場がクローズすることはあるの？

　近年はゴルフ練習場がラインやインスタグラムの公式アカウントを開設し、情報を発信するのが一般的になっています。

　筆者は現在、3カ所のゴルフ練習場を使い分けています。曜日や時間帯によって混み方が違うからです。そのうち2カ所がラインのアカウントを持っており、通知設定をオンにしているので情報が入ってきます。

　1カ所は屋根なしの屋外練習場なので、雨が降ると雨天クローズになり、ラインで通知が届きます。4月は雨天クローズの通知が7回ありました。

　雨が降ると屋外練習場の客足が遠のくように、ゴルフ場の客足も遠のきます。ゴルフ場関係者に話を聞くと、プレー日の1週間前の天気予報で雨の確率が高いとキャンセルが入り始め、3日前まで雨予報が続いているとキャンセルが一気に増えるそうです。

「最近は天気予報の精度も高くなっていますから、降水確率が50％以上になると、だいたい雨が降ります。そうなるとキャンセルが続々と入ります。ゴルフ場予約サイトで予約された方は、プレー日の3日前までウェブ上でキャンセルできますから、そこが判断の一つの目安になります」

　ゴルフ場はキャンセルが増えた場合、どのように対応するのでしょうか。

「ゴルフ場としましては、プレー当日の状況を見て判断されるお客様もいらっしゃいますから、できるだけ営業したいと思っています」

「ただ、組数があまりにも少ないとお客様の数よりも従業員の数のほうが多くなってしまいますから、採算が取れません」

「したがって、ウチのゴルフ場は前日の時点で予約が5組以下になったらクローズするという決まりにしています。予約が残っているお客様には『明日は天気がよくないのでゴルフ場をクローズします』とお断りの電話を入れます」

　5組以下になったらクローズすると決めているのは、予約が残っていても当日来ないケースが多いからだと言います。

「悪天候の予報が出ているのに50組の予約が5組だけ残っているというのは逆におかしな状況で、『当日になってからキャンセルすればいいや』という無頓着なお客様が多いのです」

「そういうお客様に対しては、こちらから事前にキャンセルをうながさなければなりません。そうしないと従業員の出勤の問題だったり、パートさんの手配だったり、いろいろありますからね」

　一方で、予約が5組以下になって前日にクローズを決めるのは1年に何日もあることではないと言います。

「台風シーズンでも月に1日か2日くらいですかね。台風は進路によって状況が変わりますから何とも言えませんが、台風が直撃するとなると50組の予約が一気に0組になります。台風の場合は安全面も考慮しなければなりません」

　逆に台風以外の場合は雨の確率が高くても予約が6組以上残っていれば営業します。しかし、雨が予想以上に強くなって開店休業状態になることもあるそうです。

「１時間に1～2ミリ程度であれば、小雨なのでほとんどの方はプレーされます。3～4ミリになりますと、『雨がちょっと強くなってきたからやめるわ』という方が出てきます。5～6ミリになりますと、グリーンに水が浮いてきますからプレー続行が難しくなります」

「ゴルフ場は降水量を測ることはできませんから、あくまでも目分量ですけど、ザーザー降りのときはほとんどの方が引き上げてきます」

　ひと昔前は雨でクラブハウスに引き上げた後にレストランで酒盛りする光景を見かけることがありましたが、今はそんな光景もすっかり見かけなくなりました。

　せっかくゴルフ場まで足を運んでも18ホールを回り切れない可能性があり、酒盛りもしないのであれば、雨の日にゴルフをするのはやめようというのが多くのゴルファーにとってスタンダードな選択になっているようです。