ゴルフ場でたまに見かける“ヘリポート” 実際に使われることってあるの?

ゴルフ場でたまに目にするヘリポート。「バブルの遺物かな?」と思ってしまいがちですが、どっこい令和の現在でも使われているケースがあるようです。それどころか、新たなビジネスチャンスと事業化に乗り出した会社も。

大抵のゴルフ場では使われても半年~1年に1回程度

 ゴルフ場の敷地内にヘリポートを見かけることがあります。これは実際に使われているのでしょうか?

ゴルフ場で実際にヘリコプターが飛来する様を目にしたことがある人は少数派では? 写真:AirX提供

 バブル時代に造成されたゴルフ場にヘリポートが設置された話はよく聞いたものですが、実際にプレーヤーを乗せたヘリコプターが降りてきたり飛び立ったりしたのを見た!という話は、ほとんど聞きません。

 一方、SNS上ではそれらしき写真に出会うこともありますから、ヘリコプターでゴルフをしに行く富裕層は存在しているようです。

 そこで、気になる「ヘリコプターでゴルフ」のあれこれを調べてみました。

 あるゴルフ場では、ヘリコプターに乗ってゴルフをしに来るプレーヤーは、半年か1年に1組くらいいるそうです。利用者は、自家用のヘリコプターを個人所有している富裕層や、節税も兼ねてヘリコプターを共同所有している経営者が多いといいます。

 大多数の一般ゴルファーには関係ないとはいえ、せっかくヘリポートがあっても年に1組くらいしか利用しないのはもったいないように思います。

東京から川奈まで45分で1機17万6000円

AirX社の飛行ルート。東京から館山、箱根、川奈まで40分前後で到着

 こうした事情をビジネスチャンスととらえたのが、ヘリコプター事業を展開する(株)AirX(東京都新宿区)です。同社は今月、空の移動の一環としてゴルフ場へ貸し切りのヘリコプターで送迎するプランを拡大することを発表しました。

 使用するヘリポートは東京ヘリポート(最寄駅・新木場)、横浜西ヘリポート(同・東戸塚)、船橋ヘリポート(同・船橋)の3カ所。そこから2つのゴルフ場、2つのヘリポートまで往復、または片道の送迎をするプランです。

 ゴルフ場は静岡県・川奈ホテルゴルフコースと千葉県・館山カントリークラブ、ヘリポートは箱根仙石原ヘリポート、御殿場へリポート。ヘリポートの場合は、複数の近隣ゴルフ場へのタクシー手配と片道3000円分のタクシーチケットがついています。

「ゴルフ場へのヘリコプター送迎は、これまでもご要望に応じて受け付けていました。最近では6月に法人で2名のお客様があり、船橋ヘリポートから千葉県内のゴルフ場まで片道25分ご利用いただきました。ヘリコプターのメリットは何といっても移動の時間を短縮できることです。それにより移動に伴う疲労も軽減できますし、上空からの景色を楽しめるという特別な体験も得られます。忙しい経営者の方や接待ゴルフなどのニーズを十分満たすと考えております」(AirX 広報・マーケティング本部、原莉沙子さん、以下同)

 ヘリコプターは地上300~600メートルを飛びます。「ム・サ・シ=634メートル」といわれる東京スカイツリーと同程度の高さからの景色は、人や電車や建物の判別もつくし、晴れていれば太平洋や富士山や伊豆半島を見渡せるといいます。これからゴルフをすることを忘れて景色に見入ってしまいそうです。

「こうした需要や折からのゴルフ人気にともない、ゴルフで利用したいという問い合わせが多くなったため、7月からプランを本格的に開始しました。今は2つですが、ほかのゴルフ場とも順次、提携することが決まっています。今後はさらに運航範囲を広げていく予定です」

 夏休み中には、リゾートコースとして人気がある栃木県のロペ倶楽部、ジュンクラシックカントリークラブへの送迎も始まるそうです。

 また、ヘリポートというと丸にHの文字が思い浮かびますが、Hマークのないヘリポートも多数存在します。

 ヘリポートを造るにはいくつかの申請が必要で、広い敷地であること、ヘリコプターの進入離脱を遮るものがないことなど多くの審査基準はあるものの、最終的に航空局の申請をクリアすればヘリポートとして離着陸ができるようになるといいます。そのうち皆さんのホームコースやよくリピートするゴルフ場にも、ヘリポートができるかもしれませんね。

 ところで気になるのは料金です。送迎プランに使う機種は定員3名で、料金は1機の金額です。重量制限は220キロまで。ゴルフバッグの搭載はできませんので、あらかじめ宅配便等でゴルフ場へ送ります。現在は3人乗りのヘリコプターでの運行ですが、4人乗りの機体も導入予定とのことです。

「東京ヘリポートから片道の場合、川奈ホテルゴルフコースまで45分のフライトで税込17万9000円、館山カントリークラブまで37分・13万9000円、箱根仙石原ヘリポートまで36分・16万2000円、御殿場ヘリポートまで35分・18万2000円です。東京ヘリポートの他に横浜西ヘリポート、船橋ヘリポートがあり、発着場所によって多少変わります。料金の大半は、機体のメンテナンス費用を含む維持管理費に加え、フライトで消費するヘリコプター用の燃料費とヘリポートへの着陸料が占めています。将来需要が高まり、ヘリコプターが空飛ぶ車のように身近な移動手段になれば、料金も今より手軽になるのではと思っています」

 館山カントリーまで2人で行くとしたら1人約7万円、3人で行けば1人約4万6000円。安くはありませんが、まったく手の届かない金額でもないという印象です。

片道乗るなら帰りがオススメな理由

 また所要時間の短さには改めて驚かされます。プラン内のどこへ行くにも35~45分ですから、文字通りひとっ飛び。もしこれが車だったらどれくらい時間がかかるのか、東京駅を出発地点としてグーグルマップで調べてみました。

 川奈ホテルゴルフコースは2時間20分~3時間10分(走行距離131キロ)、館山カントリークラブは1時間40分~2時間10分(同109キロ)、箱根仙石原ヘリポートは1時間40分~2時間20分(同110キロ)、御殿場ヘリポートは1時間25分~2時間(同100キロ)でした。

 ただ、帰りはこれに渋滞が加わるため、川奈ホテルゴルフコースから帰宅するのに3時間半かかった、館山カントリークラブから2時間半かかった、なんてこともあるでしょう。ヘリコプターがどれだけ早いかが分かります。

「お客様によってご利用法はさまざまですが、片道だけ乗るとしたら帰りがオススメです。朝は特急の時間に合わせて電車でゴルフ場へ行き、プレー後はバッグを宅配便へ預けてヘリコプターで身軽にお帰りください。疲れしらず、渋滞しらず、時間によってはサンセットを楽しめますので、料金に見合う価値あるフライトになることと思います。今後はVIPや富裕層のお客様はもちろん、ご年配の方やビジネスマン、記念日でのラウンド利用など幅広い層のゴルファーの方々に利用していただきたいです」

 AirXは、2030年代にはヘリコプターは富裕層メインのサービスではなく、帰省時に利用できるくらい身近な移動手段になるのを理想としているといいます。それまでにぜひ一度、次世代交通を利用してゴルフへ行ってみたいものです。

 予約は、空きがあれば前日でも受け付けOKとのことです。夏休みはふだん行けないゴルフ場へ行ってみたいなと思っているゴルファーの方々、一足お先にいかがですか?

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