「衝突」「墜落」「転倒」! 韓国のゴルフ場はカート事故だらけ 「5年で1421件」の事情

韓国でもコロナ禍の影響によるゴルフ人気の高まりは今も続いているが、その一方でゴルフ場での事故報告が相次いでいる。韓国の文化体育観光部が過去5年の事故に関する資料を発表。目立つのはカート事故の多さで、早急の対策が求められている。

カート事故は衝突が最も多い

 いま韓国ではコロナ禍の影響でゴルフをする人が急激に増え、ゴルフ場が活況を呈している。女性ゴルファーも増え、ゴルフ用品が飛ぶように売れるなどゴルフ業界にとってはうれしい悲鳴といった状況だ。だが、一方で安価でプレーできたパブリックゴルフ場が、大幅に料金を値上げするなどの問題も増えてきているという。

同じくゴルフブームの日本も対岸の火事ではない!?(写真はイメージです) 写真:AC
同じくゴルフブームの日本も対岸の火事ではない!?(写真はイメージです) 写真:AC

 衝撃だったのは最近、韓国の文化体育観光部が発表した資料だ。

 韓国ゴルフ専門メディアの「ゴルフ産業新聞」によると、「文化体育観光部は、2017年から21年までの5年間に全国のゴルフ場で発生したカート事故が、計1421件に上るとの資料を発表した。年度別では17年209件、18年203件、19年284件、20年361件、21年364件。年平均で約284件のカート事故が発生しており、これは月平均にすると約24件になる」という。

 そのうち衝突事故が1073件(75.5%)で最も多く、墜落事故294件(20.7%)、転倒事故54件(3.8%)としている。カート事故による負傷者も同じ5年間で1244人に上ったという。また、ゴルフ場内のカート以外の事故も年間平均700件を超え、そのうち打球事故は3772件(年平均754.4人)、負傷者3855人(同771人)となっている。

ゴルフ場の安全管理と点検がおろそかに?

 しかし、なぜこんなにもカート事故が多いのか。そもそも、カートを利用するゴルファーの運転が荒かったり、不注意なのもあるが、その他の理由として指摘されているのが各自治体の安全点検だ。

 体育施設の設置利用に関する韓国の法律として、文化体育観光部は体育施設の安全管理を各自治体に委任・委託しており、点検を半年に1回以上は施行するよう規定している。

 安全点検は経験と技術を持つ者が行うよう求めているが、これには強制力がない。つまり、カート事故が頻発する状況でも、徹底した安全管理ができているゴルフ場は少ないと見られる。

 この問題について韓国の国会議員は「止まらないゴルフ場の事故で、利用客の安全が危機にさらされている。これを制度的に予防するための対策が至急必要だ」と声を上げており、点検の改善策を推し進める方針だ。

 ただ、今月4月末の時点で138件のカート事故が報告されているというから、現在はこれよりもさらに増えていることだろう。カート事故を減らすには、ゴルフ場側の対策だけでは限界がある。一人ひとりがゴルフ場でのマナーを意識し、徹底していくしかないのかもしれない。

【図解】接待で覚えておきたいカートの上座・下座

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キャディー付きの場合は助手席が一番上座で後席真ん中が末席、セルフプレーの場合は運転席が末席で後席が上座
ゴルフ場のレストランでは一般的に景色が見える手前が上座と言われますが、相手の認識が違ったらと座る場所に迷う人も多いのでは?
公道と違い気が緩みがちですが、カートの運転は十分に気をつけて 写真:AC
同じくゴルフブームの日本も対岸の火事ではない!?(写真はイメージです) 写真:AC

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