ゴルフ用品は買い取りだが土産物や生鮮食品は委託販売
ゴルフ場はゴルフをプレーする場所ですが、近年はプロショップでの商品販売に力を入れる施設も多くなりました。
1990年代までゴルフ場のプロショップはボール、ティーペッグ、グローブなどを忘れたときに購入する程度の商品しかありませんでした。

それが2000年代に入ってから大手ゴルフ場運営会社を中心にゴルフウエアやゴルフシューズ、ゴルフクラブなどを商品アイテムに加え、品ぞろえを充実させていきました。
大手ゴルフ場運営会社は100コース以上の単位で商品を大量に仕入れることができるようになり、仕入れ価格を抑えてゴルフショップと同等の価格で商品を販売しました。
ゴルファーも従来はゴルフショップでしか手に入らなかった商品がゴルフ場でも手に入るようになり、ゴルフ場で買い物をすることが当たり前になっていきました。
また、ゴルフ場が所在する地域の名産品や土産物を積極的に販売する施設も増えました。ゴルフ場建設ラッシュの時代には、強引な用地取得や早急な建設でゴルフ場開発会社と地域住民がもめた施設もありましたが、ゴルフ場建設後は雇用の受け皿となり、ゴルフ場利用税の7割が所在する市町村に交付されるということもあって、地域とゴルフ場の結びつきは強まっていきました。
ゴルフ場が存在しなければ遠方から足を運んでもらえない市町村が多いですから、せっかくの機会に地元の名産品を購入してもらおうと考えるのは当然の流れです。
一時期はプロショップの売り上げが対前年比300%を超えるほど売り上げを伸ばした施設もありました。今は売り上げの伸び率は落ち着いているようですが、売れ行きのいい商品と売れ行きの悪い商品を見極めて品ぞろえを変えながら売り上げを作っています。
以前と比べて商品点数が格段に増えたゴルフ場のプロショップですが、すべての商品をゴルフ場が買い取って販売しているのでしょうか。それとも委託販売の商品もあるのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
「ウチのゴルフ場は、ゴルフ用品はすべて買い取りですが、土産物や地産地消の野菜や果物などは委託販売にしてもらっています」
「プロショップの売り上げは確かに以前と比べて増えましたが、それでもゴルフ場の来場者は1日200人程度です。生鮮食品などは売りさばく自信がありませんから、買い取りはリスクがあります」
「売りさばく自信がないということで言いますと、ウチのゴルフ場ではゴルフウエアはあまり売れませんでしたから置かなくなりました。売り場面積には限りがありますから、基本的には売れ行きがいい商品だけを残して売れ行きが悪い商品は下げることになります」