故・金正日総書記の幻の世界最少スコアは18ホール38アンダー
「腕立て伏せ36回、懸垂連続11回、1マイル走タイム5分」
米国でジョー・バイデン大統領の体力測定の結果とされる記録がネットで出回り、一時騒然となりました。1マイル走のタイムを42.195キロのマラソンに換算すると約2時間11分、これはパリ五輪の参加標準記録「2時間8分10秒」にも迫る好タイムなのです。もちろん、さすがにそんなわけはなく、現在80歳で史上最高齢の米国大統領であるバイデン氏を皮肉ったデマだったようです。

そんなスポーツ万能の“偉大なリーダー”にまつわるニュースで想起されるのが、かつての“北のリーダー”のゴルフにまつわる逸話です。
ここで改めて、ベールに包まれた朝鮮民主主義人民共和国のゴルフ事情について掘り下げてみます。
故・金正日総書記のゴルフ伝説については、聞いたことがある方も多いかもしれません。少しおさらいをすると、1994年コースデビューの初ラウンド、1番パー4でいきなりイーグルを記録。その後も次々と11回のホールインワンを重ね、すべてのホールでバーディー以上、18ホールで38アンダーの34ストロークという驚異的な好スコアでプレーを終えたというのです。
プレーの一部始終を同行した17人の警護員が見届けていることや、あまりにもゴルフが簡単なためすぐに飽きてしまい、二度とゴルフをしなかったことなどが、北朝鮮メディアにより報じられました。
この総書記の偉大な記録には異説があり、最初にこれを伝えたオーストラリア人ジャーナリストのエリック・エリス氏によれば、平壌ゴルフ場監督者のパク・ヨンマン氏からの伝聞では、ホールインワンの数は11回ではなく5回とされています。
伝説がさらに伝説を産み、金氏の偉大さが増しているわけですが、いずれにせよ18ホールで38アンダーという大記録は世界に類を見ません。2010年に総書記の死去が報じられた際には、「ゴルフ界は偉大な人物を失った」とその死を惜しむ声がゴルファーの間に広がったと伝えられています。