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- 日本女子アマを制しながらプロでは低迷した蛭田みな美 初Vの鍵は「肉体」「パット」「笑顔」の改造!?
女子アマチュアゴルフ最高のタイトルである日本女子アマを高校時代に制しながらプロでは鳴かず飛ばずだった蛭田みな美(ひるた・みなみ)がついに覚醒した。CAT Ladiesで西郷真央とのデッドヒートを制して初優勝。しかし、苦しんできたプロ生活を象徴するかのように、一筋縄ではいかない薄氷の勝利だった。
最終ホール絶対優位の状況から“まさかの3パット”
◆国内女子プロゴルフ<CAT Ladies 8月18~20日 大箱根カントリークラブ(神奈川県) 6638ヤード・パー72>
“悪夢の3パット”を乗り越えて、蛭田みな美が涙の初優勝を飾った。

CAT Ladies最終日は、首位でスタートした蛭田と西郷真央の2人がデッドヒートを繰り広げた。大詰めの難関ホール16番でバーディーを奪った蛭田は、通算14アンダーにスコアを伸ばし、西郷に2打差をつけて勝利を引き寄せたかに見えたが、17番バーディーの西郷が1打差に迫る。
蛭田はパー5の18番で2メートルに2オンし、西郷はバーディーパットを外して先にパーでホールアウト。蛭田が絶対優位の状況だったが、下りのパットを外してしまう。50センチのパーパットも入らず、3パットボギーで通算13アンダー。勝負はプレーオフにもつれ込んだ。
「優勝争いはずっと意識していなかったんですけど、最後のバーディーパットだけ意識して強く入ってしまいましたね。パーパットは引っかけました」と、苦笑しながら振り返る。
一転して不利な流れとなったプレーオフ突入だが、キャディーとしてサポートする父の宏さんは、この時のことをこう話す。「パットで苦しんでたから、3パットはあいつらしい。(プレーオフになった時も)『やり直しだね』と言ったんです」。終始冷静だった父の言葉は、蛭田を楽にした。
試練は続く。同じ18番でのプレーオフ1ホール目は、ティーショット、第2打と右のラフ。7番アイアンで打った157ヤードの3打目がスルスルと2メートルに寄っていき、本戦とほぼ同じラインが残った。拍手喝采。「乗ればいいや、と言うレベルで打ったのに奇跡でした」と本人も笑うスーパーショットで、再び優位に立った。
西郷がバーディーパットを外した後、今度はしっかりと蛭田が沈め、初優勝を手繰り寄せた。
1997年生まれの26歳。福島県東白川郡出身で、学法石川高校時代の2014年に日本女子アマタイトルを手にして2016年にプロになった。だが、これまでシード権にも手が届かず、苦しい戦いを強いられてきた。それが大きく変わったのは、昨年12月に穂苅敦トレーナーと出会ったことと、パッティングの欠点を修正したことからだ。
地元の練習場から知己を得たトレーナーとともに瞬発力を中心にあらためて体づくりに励み、ドライバーショットの飛距離が「230ヤードから10~15ヤード増えた。セカンドショットをいいところに打てるようになった」ことでゲームの組み立てが楽になったのは大きい。
パッティングも「肉眼では分からないけど、スロー再生で解析するとインパクトで少しリリースしちゃう癖があって、右、左にブレていたから、大変だぞ、半年はかかるって」(宏さん)と言いながら修正に着手。安定したストロークを手に入れた。
メンタル面では小祝さくらのプレーぶりにヒントをもらった。
「去年はプレー中、怒りながらやってたけど、それじゃしょうがない。小祝さくらちゃんは笑ってる雰囲気だから強いのかな、と思って参考にしました。去年のQTなんて不自然だけど笑いながらショットやパットをしてた」
結果、29位に滑り込み。前半戦にほぼ出場して、序盤戦こそ予選落ちが多かったが徐々に調子を上げ、第1回リランキングは7位。そんな中で激戦を制しての初優勝だ。
キャディーを務めた父だけでなく、金曜日の夜には母、姉、兄が揃って応援に駆け付けた。涙の表彰式後に記念写真を撮影する様子からは、家族の結束の強さもにじみ出た。
住まいも練習も地元で、スポンサーを含め地元の応援は根強い。「優勝で、東北にフォーカスしてくれる人が多いといいな」と、自然体の地元愛は蛭田に大きな力を与えているに違いない。
蛭田 みな美(ひるた・みなみ)
1997年7月15日生まれ、福島県出身。2016年プロテスト合格。学法石川高校時代の2014年に女子アマチュアゴルフ最高のタイトルである日本女子アマ選手権を制覇。プロでも活躍が期待されたが、22年までシード権には手が届かず。肉体とパッティングの改造をして臨んだ23年シーズン、CAT Ladiesで初優勝を果たす。ユアサ商事所属。
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