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アルバトロスが撮られてなかった男子選手、スロープレーの計測に不満の女子選手…プロゴルフにおける“平等”とは何か?
ロケットモーゲージクラシックで、自身初かつ大会史上初のアルバトロスを決めたディラン・ウー。しかし、驚いたことに、その快挙はまったく映像に残っていなかった。彼がスター選手ではないからカメラがついていなかった。一方、ソルハイムカップで問題となったスロープレーについては、「目をつけられている」選手から不満の声も漏れる。プロゴルフにおける“平等”とは?
日没に気を揉むほどプレーが遅かったソルハイムカップ

さて、先週の米欧ゴルフ界は、ソルハイムカップの話題で独占されていた。
ソルハイムカップは1990年に創始された2年に1度の女子ゴルフの米欧対抗戦で、スペインで開催された今年は手に汗握る接戦となり、最終スコアは「14対14」の引き分けとなった。
だが、前回優勝の欧州チームは14ポイントを獲得すれば、優勝トロフィーを維持することができ、米国チームは14.5ポイントを獲得しなければトロフィ―を奪還できないというルールゆえ、優勝トロフィーは3大会連続で欧州チームの下にとどまり、欧州の実質的勝利で幕を閉じた。
大会期間中、手に汗握る試合展開は米欧メディアによって派手に報じられ、大いなる盛り上がりを見せていた。
だが、その一方で、米ゴルフダイジェスト誌によれば、「大会関係者はドキドキハラハラしながら全マッチの終了を待っていた」という。
大会関係者は何を案じていたのかと言えば、初日と2日目はスロープレーで進行が大幅に遅れていたために、「日没までに全マッチが終わるだろうか?」と気を揉んでいた。とりわけ2日目は「冷や汗ものだった」。
ソルハイムカップの初日と2日目は午前にフォーサム4マッチ、午後にフォーボール4マッチが行われる形式だが、2日目の最終マッチが終了したのは「日没まで、あと30分」をすでに切った頃だった。
ぎりぎりセーフで、なんとか全マッチを終了できたものの、女子選手たちのスロープレーぶりは「目に余る」と、大会関係者は嘆いていたのだそうだ。
問題視された選手は1人ではなく、スロープレーが目立ったペアは1つではなかった。マッチプレーゆえに18ホールを回らずして勝敗が決まるケースもあったが、「1ホールに費やした時間にホール数を掛け合わせる」という方法で算出した1ラウンドの所要時間は、平均5時間を超えていた。
最も問題視されたのは、米国の「ダニエル・カン&リリア・ヴ」と欧州の「カルロタ・シガンダ&リン・グラント」が対戦した2日目の最終マッチだった。
このマッチは5時間15分に及び、日没が迫っていた午後8時17分に、ようやく欧州勝利で決着。進行を大幅スローにしていたのは「明らかにシガンダだった」という声が上がった。
シガンダといえば、メジャー5大会の1つである今年のアムンディ・エビアン選手権の2日目に、スロープレーによる2罰打を言い渡されたが、それを不服とした彼女は2罰打を加算しないままスコアカードにサインして提出。過少申告による失格となった出来事が記憶に新しい。
その際、シガンダが口にした言葉が、あらためて思い出された。
「私のプレーは、決して速くはないし、私より速くプレーする選手はもちろんいる。でも、私よりプレーがスローな選手も大勢いる。それなのに、そういう選手たちが計測されず、ペナルティを課されることもないというのは、フェアではない」
誰もが平等に計測の対象になっているわけではない
全選手が均等に計測対象となるのなら理解できるが、そうではない以上は「納得がいかない」と、シガンダは言っていた。
もちろん、計測対象とされた上で罰打が課されるまでのプロセスは、どの選手に対しても同一、均等であるはずだし、そうあるべきだが、彼女が不満に思っているのは、「誰もが平等に計測の対象になっているわけではない」という状況だ。
言い換えると、「特定の選手だけが頻繁に計測対象にされている」ことに、彼女は不満を抱いている様子だった。
彼女の主張は、ある意味ごもっともで、計測開始を決める判断が現場のルール委員の主観に委ねられていることは、スロープレー解消のための1つの課題とされている。
しかし、「本当はスローなのに計測されない選手が他にいるのだから、私だけがスロープレーを問われるのはおかしい」というシガンダの主張には。私は首を傾げさせられる。
スター選手や人気選手のほうが計測対象になるケースは確かに多い。だが、それは注目選手、目立つ選手ゆえに人々の視線を浴びることが多く、ルール委員の目にもとまりやすいことの反映でもある。
逆に言えば、たくさん見てもらえて光栄なことでもあるはずで、大勢の視線の下、グッドリズム、グッドペースで好プレーを披露し、さらなる拍手と賞賛を浴びることができれば、それこそがスター選手というものなのではないだろうか。
試合に出ている全選手があらゆる事柄で平等に均等に同一に扱われることには、物理的に無理がある。そして、プロゴルファーである以上は、人々のアテンションは自力で獲得することが求められる。
ソルハイムカップ最終日のシングルスマッチで、欧州チームに流れを向けるきっかけを作ったのは、終盤で好打を連発したシガンダだった。彼女が17番でしっかり沈めたバーディーパットが、欧州の実質勝利を決めるウイニングパットになった。
大観衆とすべての選手の視線を浴びながら、必死で戦っていたシガンダのプレーには勢いがあり、むしろクイックテンポで、少なくともスローではなかった。
平等か不平等かをあれこれ論じるより、グッドリズムでグッドゴルフをしていれば、良きアテンションは自ずと得られる。
そして、何にせよ、注目され、注視されることは「プロゴルファーとしての誇りだ」「プロゴルファー冥利に尽きる」と心の底から思えるかどうか。
アルバトロスを撮影してもらえなかったウーにも、しばしば計測対象にされてきたシガンダにも、他の選手や関係者にも、いま一度、考えてみていただきたいテーマである。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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